ラストレター の商品レビュー
岩井俊二のラストレターを読みました。 小説家になろうとして20年、中年にさしかかっても代表作が書けていない乙坂鏡史郎は高校時代の同窓会に出席します。 高校時代に好きだった女性遠野未咲が参加していないかと期待して参加したのですが、その未咲の妹裕里がなぜか彼女になりすまして同窓会に...
岩井俊二のラストレターを読みました。 小説家になろうとして20年、中年にさしかかっても代表作が書けていない乙坂鏡史郎は高校時代の同窓会に出席します。 高校時代に好きだった女性遠野未咲が参加していないかと期待して参加したのですが、その未咲の妹裕里がなぜか彼女になりすまして同窓会に出席していたのでした。 乙坂は裕里と話をするのですが、裕里は未咲のふりをしたまま奇妙な手紙のやり取りが始まります。 未咲を愛していたまわりの素敵な人たちと乙坂とのひと夏の物語が語られていきます。
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本書を手に取るきっかけとなったのはGWの地域イベントの仮設図書館!その図書館には私の好きな作家(東野圭吾や伊坂幸太郎)の本がたくさんあり 既読の本の再読でもしようかと思っていたところ気になる一冊が! 数年前に映画化されており、当時の上司から勧められていた事と、宮城県が舞台となって...
本書を手に取るきっかけとなったのはGWの地域イベントの仮設図書館!その図書館には私の好きな作家(東野圭吾や伊坂幸太郎)の本がたくさんあり 既読の本の再読でもしようかと思っていたところ気になる一冊が! 数年前に映画化されており、当時の上司から勧められていた事と、宮城県が舞台となっていたことから、流し読みしようかと思い手に取ったところ、流し読みでは済まなくなってしまいました・・・ 過去に映画になっていたことから、キャストをWikipediaで確認したため、登場人物達のイメージは良くも悪くもガッチリと固定されてしまう。 物語は、ある女性(未咲)の自殺から始まります。 自殺した未咲宛に送られてきた同窓会の招待状を見つけた妹(裕里)は同級生に、姉の死を知らせるために会場に向かったところ、幹事たちに姉の未咲に間違えられ同窓会へ出席するハメになってしまう。 しかし、そこで裕里は初恋の相手鏡史郎と再会し未咲のふりをして文通を始めることになる!? 今の自分に可能性を見出す事が出来ない鏡史郎が物語の語り部となり 物語は紡がれる・・・ 裕里の家族を巻き込み死んでしまった未咲の喪失を埋めていく物語・・・ そして未咲の死から始まる物語 登場人物一人一人からぬくもりを感じる事が出来る小説でした! 自分の目から涙が出てきますので読む場所にはご注意下さい!
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これは君の死から始まる物語。 どこにでもありそうな、無さそうな始まり。相手も居ないのに誰に贈るのだろうと読み始めた。 読んでみると、確かに君の死から様々な出逢いが、謎が生まれ、最後には解明される。 個人的には遺書の中身に一番驚いた。みさきにとっての一番良い時代はその時代だっ...
これは君の死から始まる物語。 どこにでもありそうな、無さそうな始まり。相手も居ないのに誰に贈るのだろうと読み始めた。 読んでみると、確かに君の死から様々な出逢いが、謎が生まれ、最後には解明される。 個人的には遺書の中身に一番驚いた。みさきにとっての一番良い時代はその時代だったってことなのでしょうか。 色々な人の視点から書かれる割に、丁寧に複数回同じ描写がされるので、ほけ〜っと読んでもついていけます。 確かに、齢40のおっさんの初恋ウジウジ物語なので、女性には理解しがたいかも?笑 男性としては綺麗な初恋が描かれていて(成就しませんが)良い気持ちになれるのではと思います。 魔法が使えたら、とか海外でセレブな暮らしが出来たら、とかありもしないことが叶えられるのが文学の良いところではないかと思います。
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2018年作品。読みやすい。若干、感傷的すぎるかなと言う感もありますが。中学時代の恋を忘れきれずに第三者的に見れば、大人になりきれていない40代半ばの男に共感してしまう60代の爺さんである私には「うん、うん」と思わせる部分が多々ありました。ただ、重要な人物の一人である美咲の心情が...
2018年作品。読みやすい。若干、感傷的すぎるかなと言う感もありますが。中学時代の恋を忘れきれずに第三者的に見れば、大人になりきれていない40代半ばの男に共感してしまう60代の爺さんである私には「うん、うん」と思わせる部分が多々ありました。ただ、重要な人物の一人である美咲の心情が全くと言っていいほど描かれていないことに不満が残ります。二人の交際していた頃のエピソードや、どうして別れたのかなど触れられていたら、彼女の心情なども押しはかることができたのかも知れません。でも、面白かったです。
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一人の女性の死をきっかけに始まる邂逅。 手紙という不完全なコミュニケーション手段だからこそ起こる出来事。 小説家の止まっていた時間が、この偶然と正面から向き合いはじめる中で動きだす。 人は皆、不完全で、でも、それを受け止めて前に進むしかない、魂の成長の物語。 とりまく登場人物の性...
一人の女性の死をきっかけに始まる邂逅。 手紙という不完全なコミュニケーション手段だからこそ起こる出来事。 小説家の止まっていた時間が、この偶然と正面から向き合いはじめる中で動きだす。 人は皆、不完全で、でも、それを受け止めて前に進むしかない、魂の成長の物語。 とりまく登場人物の性格づけがそれぞれ味わい深い。 前半のややふわっとした展開を我慢して最後まで読む事をお勧めします。 この物語がどんな映像になったのか、岩井さんのつむぎ出す空気感を今度堪能したくなりました。
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想像以上に面白かった♪ヽ(´▽`)/ 単純に感動作品系だと思い込んで読みましたが… 結構 笑えました。 しかし、最後は結局感動させられました。(゜ロ゜;ノ)ノ
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また2人の話を行き来するのか、、難しそうだなと思ったのが読み始めの感想 でも一人の人の話にもう1人の人のこともちゃんと書かれてる。私みたいなあまり頭が良くなくて読書し始めでも理解し手読み進められた 内容も面白くてどんどん読み進みたいって思う感じだった。 結婚も恋愛も難しいな、言...
また2人の話を行き来するのか、、難しそうだなと思ったのが読み始めの感想 でも一人の人の話にもう1人の人のこともちゃんと書かれてる。私みたいなあまり頭が良くなくて読書し始めでも理解し手読み進められた 内容も面白くてどんどん読み進みたいって思う感じだった。 結婚も恋愛も難しいな、言わないと伝わらないし言ったらマイナスになるかもしれない。その難しいことを壁にぶっかって超えていく登場人物達が良かった
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先に映画を観てしまった。映画とは細かい設定が違うのだな。 どこかふわふわと過去や想いの中に生きているような乙坂と日常に振り回されながらも現実を生きている裕里達。 裕里と颯香の無邪気さが眩しい光だったな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
岩井俊二氏大好き人間なわたし。 読んでる途中(終盤に差し掛かったあたり)で映画観たもんで、続き読むとセリフ部分が映画のキャストさんの声で脳内再生されるし、脳内映像化ももう映画通になってしまって…それはそれで良きでもあるが、やっぱりわたしは原作を先に読んどきたいタイプだなと改めて思った。 小説家による、新たな小説を書くにあたって作られた文章の並びが、これ自体がその出来上がった新たなる小説なのだと。 構成が好きだった。岩井俊二氏の小説は脳内映像化すぐにされる、感情移入しやすい作品だわ。 何度か読んで、どの登場人物にピンポイントで感情移入する遊びでもしようかな。 何度でも読みたい。そんな作品でした。
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映画を観てから、図書館で本を借りた。 個人的に福山雅治さんのことはあまり好きではなく、それに併せ「初恋をいつまでも引きずる男性」も理解できないため全体的に気持ち悪さが残った。 もう20年も前のことを理由に、人生の方向転換もできず仕事すらままならないのは、ただ人間として未熟なのではないかな。 私も初恋は引きずった経験があるため、特別な思い出であるのはわかるからこそ、どこかで諦め呑み込むことを「自分で」しなきゃならないし、それが大人になる儀式だと思っている。 同窓会から始まった偶然に偶然を重ねた出会いで、ようやく最後に昇華させられたけど、「この人(その場の勢いじゃなく)本当に小説家としてやっていけるのかな?」と不信に思いながら本を閉じた。
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