Iの悲劇 の商品レビュー
読後感が悪い 苦々しい思いがする もしかすると主人公万願寺の胸の内と同じかもしれない 感情移入させられたとも言えなくもない 次々と起こる事件には一応の謎解きが示されるが小さな違和感が残り積み重なっていく 最後には違和感の正体がひとつの流れであったことか解き明かされるが、は〜スッ...
読後感が悪い 苦々しい思いがする もしかすると主人公万願寺の胸の内と同じかもしれない 感情移入させられたとも言えなくもない 次々と起こる事件には一応の謎解きが示されるが小さな違和感が残り積み重なっていく 最後には違和感の正体がひとつの流れであったことか解き明かされるが、は〜スッキリしたとはならない 作者の視点、力点あるいは「願い」はなんなのか? 目的は問題提起? う〜んどうもスッキリしない
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地方行政を舞台にしたミステリ。 タイトルは言わずと知れたクイーンの名作から。 Iターンを積極導入する地方で、住民間でありえない事件が頻発する。読み進めるうちに、読者も真相に気付くことになる。 やや突飛な内容ではあるが、地方行政問題を取り扱った珍しい作品。
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圧倒的な読後感. 舞台設定の地味さから敬遠してしまい、読了が発売から2年経ってしまった. お世辞にも明るいとは言えない話だが、洗練されたプロットと訴えかけるテーマの真摯さに、読み終わった後思わず大きく息を吐いてしまう. 地方自治、市町村合併、新市長、市役所職員、、、 定住者がい...
圧倒的な読後感. 舞台設定の地味さから敬遠してしまい、読了が発売から2年経ってしまった. お世辞にも明るいとは言えない話だが、洗練されたプロットと訴えかけるテーマの真摯さに、読み終わった後思わず大きく息を吐いてしまう. 地方自治、市町村合併、新市長、市役所職員、、、 定住者がいなくなり死んだはずの村を蘇らせる「甦り課」 お世辞にも明るくない、はっきり言って地味な設定から生み出される謎の数々. 一つ一つのトリックの出来不出来や重厚さはあまり気にしない性質ですが、人によっては物足りない、非現実的で面白みが薄いと感じてしまうと思った.他の短編に比べてもトリックそのものの出来は今ひとつだったかもしれない. が、短編全体を含め、最後に全体を通す謎を解決することで見方を180度変える手法は流石の一言だった.元々このような構成の本が好みであることを差し引いてもよくできてるのではないだろうか. 個人的には主人公の後輩に当たる女性市役所職員の観山に一際興味が湧いた. 彼女のようになりたいと思った訳ではないが、スパイとまでは行かずとも、普段付き合いのある周りの人に見せない一面、行動、実績を持ちたいと思ってしまった.
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蓑石村のIターンプロジェクトに任命された西野課長と観山は税金は使われるべきところに使うべきだとこのプロジェクトを失敗させるべく動いていた。一方まじめにこのプロジェクトを成功させようとしていた野崎は10世帯の蓑石村への移住を募り、その住民たちの要望に応えるべく奮闘していた。 しかし...
蓑石村のIターンプロジェクトに任命された西野課長と観山は税金は使われるべきところに使うべきだとこのプロジェクトを失敗させるべく動いていた。一方まじめにこのプロジェクトを成功させようとしていた野崎は10世帯の蓑石村への移住を募り、その住民たちの要望に応えるべく奮闘していた。 しかし、一人、また一人と事故が続き住民たちは村を去っていく。 驚くほどつまらない話で最後の最後までつまらんかった 2020/04/22 15:28
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新市長の肝入りで、一度消滅した集落に移住者を募り再興することになった「甦り課」職員の奮闘記…と言えばそうなんだけど、途中から漂う違和感に万願寺氏ならずとも薄々察しはつきます。でもそれが本当にじわじわと来るんで、なかなか不自然と思えない。いやはや、公務員は大変だなぁ(^_^;) 日...
新市長の肝入りで、一度消滅した集落に移住者を募り再興することになった「甦り課」職員の奮闘記…と言えばそうなんだけど、途中から漂う違和感に万願寺氏ならずとも薄々察しはつきます。でもそれが本当にじわじわと来るんで、なかなか不自然と思えない。いやはや、公務員は大変だなぁ(^_^;) 日本のあちこちの地方自治体で実際に過疎化問題は起こってるんだろうし、なんとかしたいという住民の心情もあるだろうけど、人口減少時代にあってコストカットは避けて通れない。減災という面からも、コンパクトシティ化は必須だなぁと思った。
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タイトルとは全く違う読後感。 単行本は3cmを超えると持ち歩きが嫌になるが短編集だと気にならないな。 但し各編が面白い場合に限る。 面白かった。
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有川浩の県庁おもてなし課みたいな雰囲気を感じるが、内実はシビアでおどろおどろしい 違和感を感じるぐらいの伏線の提示と回収は見事でした
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序章の「Iの悲劇」は山深い山村が100歳の女性が息を引き取ったことで次々村人が出てゆき遂に無人となってしまったことが描かれる。悲劇とあるからにはおどろおどろしい惨劇が起こるのか?と思いきや、読み始めると、その無人となった蓑石村の廃屋に都会の人を呼び込もう、というIターン事業をする...
序章の「Iの悲劇」は山深い山村が100歳の女性が息を引き取ったことで次々村人が出てゆき遂に無人となってしまったことが描かれる。悲劇とあるからにはおどろおどろしい惨劇が起こるのか?と思いきや、読み始めると、その無人となった蓑石村の廃屋に都会の人を呼び込もう、というIターン事業をする市役所の職員とIターン者たちのエピソードが描かれる。 これは「Iターン村おこし顛末記」としてもいいのでは?と思いながら読んで、どこか篠田節子を思わせる雰囲気だなと思ったが、終章の「Iの喜劇」にきて、こう来るか!とまたしても米澤さんの発想力にはやられました。 廃村にまつわる悲劇であり喜劇であり、陰謀であり、やはり悲劇なのかなあ。Iターン担当の若い市役所職員の仕事ぶりが実にリアルな筆致で、米澤氏は誰か知り合いに実情を聞いたのかな。別のサイトの感想で実際にIターンして生活している人がちょっと不愉快だとした感想を載せていた。確かに真面目に取り組んでいる人はそういう感想を持つかも。 それに場所はなんとなく米澤氏の出身の高山市のはずれのどこか、なんて想像をしながら読んだ。合併で端っこになった雪深い山村の様子もリアル。次に借りてきている「クドリャフカの順番」の著者紹介に、1978年、鉱山街に生まれる。とあった。う~むこれは、と思い出身、鉱山街で検索をかけると、飛騨市神岡町生まれ、中学の時、高山市に移った、とあった。そうか、あのカミオカンデのある町。どうりで端っこになった山村の描写がリアルなわけだ。 この本でも「犬はどこだ」でも山間部の小さな町で図書館で気軽に調べ物をする主人公たちが出てくる。米澤氏自身の経験なのか。検索では神岡町は昭和53年に独立した町立図書館ができて岐阜県内では先駆的だったとある。高山市図書館も戦前から図書館があって先駆的だったようだ。米澤氏の育った80~90年代では全国で図書館ができていた時代だったともいえるのか。 序章「Iの悲劇」 「軽い雨」(オール推理2010) 「浅い池」 「重い本」(オール讀物2015.11月号) 「黒い網」(オール讀物2013.11月号) 「深い沼」 「白い仏」(オール讀物2019.6月号) 終章「Iの喜劇」 2019.9.25第1刷 図書館
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の作品は3冊目の読了となりました。 前回読み終えてから少し時間が経っていた事もあり、終章で明かされた「衝撃」により、改めて本作がミステリー作品であった事に私は「衝撃」を受けた。 住人が居なくなった集落・蓑石にIターンで人を呼び戻すプロジェクトが立ち上がり、その任につくのが南はかま市で立ち上げられた「甦り課」の西野課長、新人の観山、主人公である万願寺の3人。 各章毎に移住者のクレームに対応していく万願寺と観山、何もせず定時で帰って行く西野課長。 せっかく集まって移住者達はそれぞれの問題を理由に蓑石から去ってしまう。 仕方のないことなのかも知れない...と思いながら読み進め、最終章で明かされた「甦り課」のもう一つの目的。 それは蓑石を「甦らせること」と「甦らせないこと」。 改めて地方自治の難しさと、東京一極集中が進む日本の課題に対し、問題提起をした作品だと思いました。 コロナ禍にある現在、地方再生もあいまって地方への移住も増えていると聞きます。 本書を手にし、そこに産業が根付き、税収が増えない限りは難しい課題なのだと改めて気づきを得ました。 その結果、財政的に厳しい地方は国からの交付税に頼るしかなく、結果交付税を得る為に、ムダなことにも予算をつけ使い切る。 果たしてそれが本当の意味で地方の為なのか。 勿論、今を生きる人々がいる以上、行政は住人に対して一定水準の公共インフラを整備し、行政サービスも行わないといけない。 しかし、本来は各自治体が独立した中で運営を目指さなければ真の発展も、繁栄もあり得ない。 やはり、そこには人口と共に雇用の問題があり、雇用の創出はただ単に人が生きていく為ならず、地方再生の根幹であるということなのだろう。 本書の感想とは少し逸れてしまったが、私には日本の未来を考えさせられる一冊となりました。 説明 内容紹介 一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。 山あいの小さな集落、簑石。 六年前に滅びたこの場所に人を呼び戻すため、 Iターン支援プロジェクトが実施されることになった。 業務にあたるのは簑石地区を擁する、南はかま市「甦り課」の三人。 人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香(かんざん・ゆか)。 出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和(まんがんじ・くにかず)。 とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣(にしの・ひでつぐ)。 彼らが向き合うことになったのは、 一癖ある「移住者」たちと、彼らの間で次々と発生する「謎」だった-–。 徐々に明らかになる、限界集落の「現実」! そして静かに待ち受ける「衝撃」。 『満願』『王とサーカス』で 史上初の二年連続ミステリランキング三冠を達成した 最注目の著者による、ミステリ悲喜劇! 内容(「BOOK」データベースより) 一度死んだ村に、人を呼び戻す。それが「甦り課」の使命だ。人当たりがよく、さばけた新人、観山遊香。出世が望み。公務員らしい公務員、万願寺邦和。とにかく定時に退社。やる気の薄い課長、西野秀嗣。日々舞い込んでくる移住者たちのトラブルを、最終的に解決するのはいつも―。徐々に明らかになる、限界集落の「現実」!そして静かに待ち受ける「衝撃」。これこそ、本当に読みたかった連作短篇集だ。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 米澤/穂信 1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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地方都市を再生させるために作られた甦り課 移住者を募って街を繁栄させよう!っていう取り組みはたまにニュースになってる。あまり真剣に考えたことなかったけど、最後まで読み進めていくと厳しいなぁ〜としか言いようがない もちろん成功したところもあるみたいだし、だから話題になってニュースに...
地方都市を再生させるために作られた甦り課 移住者を募って街を繁栄させよう!っていう取り組みはたまにニュースになってる。あまり真剣に考えたことなかったけど、最後まで読み進めていくと厳しいなぁ〜としか言いようがない もちろん成功したところもあるみたいだし、だから話題になってニュースになる。でも取り上げられるっていうことは、他ところが難しいということに他ならない それでも主人公の思いもわかるし、課長の言い分も尤もだと思う 正義と悪がハッキリしない話は、どうも重たい
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