Iの悲劇 の商品レビュー
ヒューマンミステリーという感じでした。 最初は、ただの謎解きミステリーなのかという印象でしたが、最後の最後でなるほどな謎解きがありました。 万願寺さんがちょっと可哀そうになりました。 西野課長の言うように、必要だったのかもしれませんが、自分だったら、とても空しい気持ちになっただ...
ヒューマンミステリーという感じでした。 最初は、ただの謎解きミステリーなのかという印象でしたが、最後の最後でなるほどな謎解きがありました。 万願寺さんがちょっと可哀そうになりました。 西野課長の言うように、必要だったのかもしれませんが、自分だったら、とても空しい気持ちになっただろうと思いました。 何のために仕事をしているのか、そんな問いが残る読後でした。
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Iターン移住プロジェクトをめぐる連作短編ミステリー。イヤミス好きなのでオチまで大変楽しめました。ここで描かれている問題は、今日本各地で現実に起きていることなのだろうと思うと、考えさせられる部分も多い。
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市長の肝いり事業として始まった無人の集落へ移住計画。その名も「Iターンプロジェクト」。家賃を免除があったり、補助金があったりしてなかなかの好条件。人がいなくなった町に公募によってえらばれた住人たちが新しい生活へ向けての夢と希望をもってやってきます。「蘇り課」担当となった主人公万願...
市長の肝いり事業として始まった無人の集落へ移住計画。その名も「Iターンプロジェクト」。家賃を免除があったり、補助金があったりしてなかなかの好条件。人がいなくなった町に公募によってえらばれた住人たちが新しい生活へ向けての夢と希望をもってやってきます。「蘇り課」担当となった主人公万願寺と新人観山は西野課長のもと、考え方の違う住民たちが起こす様々なトラブルを市の職員として解決していきます。騒音トラブルや、電波障害などなど、行政のありかたや過疎の問題など現代社会の深いテーマが描かれています。小さな集落「蓑石(みのいし)」を舞台として、住民たちのエピソードが短編としてまとめられています。一人、また一人といなくなっていく住民たち。果たして、移住計画は成功するのでしょうか?その裏にある黒い陰謀とは!作者らしい後味の悪さが必読です。
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最後の最後が米澤穂信さんらしいなぁ〜。何というか、そのままでは終わらない。途中で読み飽きてきても、最後まで読んで欲しいです。
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帯の「甦り課」を見た時、ホラーかと思ってしまったけれど違いました。 途中から怪しいと思っていたらまさにそのとおりでした。自分自身が「限界集落」に近い場所に住んでいるので現実にありうるかもと怖くなります。 まさに悲喜劇という表現がピッタリでした。
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久々に読んだ米澤穂信作品。 甦り科の職員が、ある町の再生を賭け奮闘する。人が去ってしまったその町に、人を集め、生活を根付かせようと努力する。 しかし、住民同士の争いや問題が絶えず、1世帯、また1世帯と徐々に住民が減っていく。そして最後の世帯が出ていく頃職員はあることに気づき。 一つ一つの問題や争いの謎解きが面白く、個性あふれる住民によってより一層物語が楽しめた。ところどころに張り巡らされた伏線が最終章で解き明かされたところではさすがと息を呑んだ。 小説は久々に読んだがやはり面白い。無駄なことをやめて、どんどん読みたい。
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つまり市役所としては、蓑石は地権者からの固定資産税の税収だけが存在意義で、お金も手間もかけたくないってことなのね。公務員である市役所職員は、政治家である市長より、非情で現実的。 折木奉太郎が年を取ったら、西野課長みたいになるのかなと思ったが、折木はそこまで非情ではないか。 合併した市の名前にひらがなカタカナが入るって、いかにもありそう。 移住者達に負わせた精神的経済的損害、償い切れるものではない。市役所に罪悪感がまるでなく、正当化してるのもやだ。こういう市が震災に見舞われたら、ちゃんと対応できるのかな。 課長が万願寺観山の報告書で、問題を起こした移住者を追い詰めるって、ちょっと安楽椅子探偵ぽい。
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終始暗い話だった 人口減少や都市集中の問題が描かれてて、小説の悲劇がフィクションに収まらないのが余計に悲劇
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面白かったし、切なかった。箕石ほどではないとはいえ、同じ田舎に生まれた者として、公務員として、人口減少、予算の縛りは本当に思う。今年のような大雪では除雪問題は深刻だし。実家近くの除雪の悪さは市町村合併の弊害だと思ったし。課長が只者じゃないなとは思ったけど、最後の大逆転にはびっくり。誰かを不幸にすることで誰かの生活を担保する。万願寺の弟との電話は切なかった。法事にも来れない、深夜まで働かなくてはならない、そんな弟の生活はとても幸せだとは思えない。でも地元はすでに滅んでいると思っている弟の気持ちも分かる。こんな兄弟、家族が日本中にいるんだろうなぁ。
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タイトルのように後味悪い感じになりました。万願寺は地方再生の仕事ととして移住者に向き合ってましたが、その本当の理由が明かされるとなんともやりきれない感じでした。
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