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熱源 の商品レビュー

4.1

347件のお客様レビュー

  1. 5つ

    118

  2. 4つ

    137

  3. 3つ

    66

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

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2022/01/29
  • ネタバレ

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出てくるキャラクターが多すぎて、誰に感情移入して良いのか分かりにくかった。 アイヌの歴史や生活を描いた部分はよかった。 どうしても、アイヌの人とロシアの人の名前が頭に入らない。

Posted byブクログ

2022/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

善の顔をした文明により、同化され消え去ろうとするアイヌ。アイヌ文化は劣った野蛮なものか?日本人になることはよいことか?文明は良かれと思って押しつけられる。 文明に呑み込まれようとする運命に抵抗するアイヌ・ヤヨマネクフや、流刑先で先住民ギリヤークに出会って生きる熱をもらったポーランド人ブロニスワフ。ファシストに家族恋人を殺された絶望で兵士となったソヴィエト軍クルニコワ伍長は、彼らが録音したアイヌの歌と琴を大学で聞いていて、その琴を弾いたイペカラと戦場で出会い、生きる熱をもらう。絶望する者に熱を与える熱源は、文明に押されて消えようとする先住民たちや彼らの生きる土地であり、その文化だ。

Posted byブクログ

2022/01/24

弱きは食われる、競争のみが生存の手段。そのような摂理は人を滅ぼすのか、あるいはその戦いが人類を発展させてきたのか。アイヌの文化や民族がいかにして生き延びようとしてきたか、史実をベースにした物語は、読み解いていくのが辛いが故の重みを感じさせた。こういったストーリーに相応しい熱情と真...

弱きは食われる、競争のみが生存の手段。そのような摂理は人を滅ぼすのか、あるいはその戦いが人類を発展させてきたのか。アイヌの文化や民族がいかにして生き延びようとしてきたか、史実をベースにした物語は、読み解いていくのが辛いが故の重みを感じさせた。こういったストーリーに相応しい熱情と真摯に向き合う文章だと思う。

Posted byブクログ

2022/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み始めは取っつき難かったです。主人公を含めてアイヌの方が三名登場します。これが頭にイメージ出来なくて混乱。文頭に主な登場人物の紹介もあるのですが、そっちにもしおりを入れて、時々見返しながら読み進めました。 坂の上の雲に時代、日本中が文明国の一員になったと沸いていた時代に、少数民族のアイヌの皆さんのご苦労。それと、宿敵だったロシアに強いたげられていたポーランドの皆さん。それぞれがなんとか自分たちの存在価値を残そうと葛藤されます。ここまで血を流して勝ち得た民族だったり自国だったりに比べると、私たち日本人はなんと恵まれていたのでしょうか。そりゃ、終戦に至るまでの苦い思い出は沢山あるでしょうが、なんとか踏ん張れたとのか、とも思えます。 さて、本文では文明ってなんだ?と問われることがなんどか登場します。「文明ってなんだ」の問いに「馬鹿で弱い奴は死んでしまう、という思い込みだろうな」それほどアイヌの皆さんはバカにされていたと言うことのようです。 文明の名の元に日本語教育だったりロシア語教育が施されます。立派な日本人となって戦場に赴くことを使命と信じ込む教育。ロシアでもあるし、アメリカでもハワイの二世の皆さんが最前線で日本軍と対峙したのです。 じゃ、そういう同化政策を否定して、昔のまま生活していてそれで良いか?とも言えないですよね。 本文でも天然痘が登場します。アイヌの多くが拒否してやがて大流行。主人公の奥さんも亡くなってしまいます。文明を受け入れていれば……と思う場面。 どうすればよかったのか? 自分たちの根っこの部分は大切に持ちながら、変わらなくてはならな部分は柔軟に受け入れていく以外にない、と思います。 現在の性の多様化だったり、コロナ渦の中での生活などにも共通するように感じました。

Posted byブクログ

2022/01/13

史実に基づくフィクション。故国となり母国語を話すことを禁じられたポーランド人とサハリン原住民のアイヌ人の話だ。産まれた時にどこの国の者でもなかった原住民族の在り方を思う。その土地に産まれ、民族の中で脈々と伝承される文化の中で平和に生活していたのにある日突然今日からあなたは日本人で...

史実に基づくフィクション。故国となり母国語を話すことを禁じられたポーランド人とサハリン原住民のアイヌ人の話だ。産まれた時にどこの国の者でもなかった原住民族の在り方を思う。その土地に産まれ、民族の中で脈々と伝承される文化の中で平和に生活していたのにある日突然今日からあなたは日本人ですと言われ日本様式の文化的な生活を送りなさいといわれる人生を考えてみて欲しい。少数民族が現代で生き残ることの難しさも思う。 最近ゴールデンカムイのお陰でアイヌ民族について知りたがりな私にピッタリの本。私設図書にて。 年末ウポポイに行きました、実物の衣服、小刀、トンコリ、木幣など見ることが出来ました。

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2022/01/08

【私にとってこんな本】  登場人物にはアイヌとして生まれたヒト、日本人とアイヌのハーフとして生まれたヒト、海外から来たヒトなどさまざまなバックグラウンドを持った人がいる。彼らの発言や行動を通して、アイヌとして/アイヌとともに生きることは?を、これまでよりもより主観的に、多角的に...

【私にとってこんな本】  登場人物にはアイヌとして生まれたヒト、日本人とアイヌのハーフとして生まれたヒト、海外から来たヒトなどさまざまなバックグラウンドを持った人がいる。彼らの発言や行動を通して、アイヌとして/アイヌとともに生きることは?を、これまでよりもより主観的に、多角的に考えることができるようになった。 私はこの本を通して、アイヌという言葉でしか知らなかった人々の存在や文化、伝統について、興味を持った。これから、金田一京介、大隈重信、二葉亭四迷にまつわる歴史小説や論文に触れればぜひ読んでみたい。(この本を読むまでは自分から読もうとすることはなかったと思うと、大きな変化だと思う。) 程度は違えど、自分も少数派のアイデンティティを持つことから、自分の定義に葛藤をしたり、周囲の反応を過度に気にした経験があるからでもあると思う。この本は、そんな自身の過去の葛藤を俯瞰的に捉える一助にもなった。 【その他】 登場人物の心理描写や状況をある時は主観的に、ある時は客観的に切り取っていくスタイルであり、登場人物も時空ジャンプもわり多いので、細切れ空き時間で読みすすめていた私は、誰のことを書いているのか見失いかけることが何度かあった。 初めて読むなら、ある程度まとまった時間をとって読み進められる時に読むといいと思った。

Posted byブクログ

2022/01/08

常々、今の世の中の在り方に疑問を持って生きています。私の経験や考えなど、この本の中に出てくる人々に比べれば些細なことではありますが、それぞれの生き様をみて心に響くものがありました。 また、物事を考える視点を増やすことのできる本に出会えたことに感謝です。 文明とは「馬鹿で弱い奴は死...

常々、今の世の中の在り方に疑問を持って生きています。私の経験や考えなど、この本の中に出てくる人々に比べれば些細なことではありますが、それぞれの生き様をみて心に響くものがありました。 また、物事を考える視点を増やすことのできる本に出会えたことに感謝です。 文明とは「馬鹿で弱い奴は死んじまうっていう、思い込みだろうな」 刺さりました。

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2021/12/31

時代に翻弄されていったアイヌの苦難を知った。史実に基づいた小説であると知って、余計に熱く感じるものがあった。読んで良かった。

Posted byブクログ

2021/12/30

こんな時代に生まれなくてよかった。史実を知る度に先人のご苦労に有難うと手を合わせてしまう。祖国独立を願うポーランド人、搾取されるアイヌ。視点が変わり主人公はひとりではない。そこにはだれしも個人として尊ばれるというメッセージが。凍てつく地であたる焚き火のごとく心の奥まで熱くなった。

Posted byブクログ

2021/12/17

勝手に「南の『宝島』、北の『熱源』」に認定。 国家に翻弄され、故郷がなくなることに抗い続け、生きる意味を見出していく人たちの物語。

Posted byブクログ