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熱源 の商品レビュー

4.1

347件のお客様レビュー

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2022/12/18

今年読んだ日本文学で間違いなく一番良かった (分母小さめ・・・涙) 実際に存在したアイヌや日本人などを登場人物とした激動の物語。アイデンティティとは、己の文化とは・・・。必ずもう一度読みたい。これは是非英訳されてほしい。

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2022/11/16

勝手に時代小説かと思っていたら、アイヌ関係の話だった。 あっという間に価値観が変わっていく環境で、自分のルーツはどこから来て、どう生きることを選択していくのか。

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2022/11/12

ヤヨマネクフ、ピウスツキ、金田一京介、クルニコワ主人公たる人物が余りにも多く、その中ではピウスツキがメインであろうが、タイトルの熱源である樺太を舞台に戦火の中でボーランド人、アイヌ、ロシア人、和人、オロッコ等の民族が熱に動かされ、生きて行く物語り。 生の熱さの中でそれぞれの生き様...

ヤヨマネクフ、ピウスツキ、金田一京介、クルニコワ主人公たる人物が余りにも多く、その中ではピウスツキがメインであろうが、タイトルの熱源である樺太を舞台に戦火の中でボーランド人、アイヌ、ロシア人、和人、オロッコ等の民族が熱に動かされ、生きて行く物語り。 生の熱さの中でそれぞれの生き様を描き、訴えたかったのは、生を育むことの根元的な価値、戦争の愚かしさ、暴力で勝ち取る革命の愚かしさ、民族や人種で優劣を問う愚かしさ、民族の歴史の重さなのか? 読み手の力不足かも知れないが、主筋をもっと際立てれば、もっと感動を引き出せるのではないかと思う。

Posted byブクログ

2022/11/04

日露戦争前から第二次大戦の日までを、政治的に翻弄され続けてきたアイヌの人々を中心に描いた話。時にはロシア領、時には日本領となったサハリンに住むアイヌほな先住の人々。なぜどこかに国に属さなくてはならないのか、なぜロシア化、日本化しなくてはならないのか、なぜただの島として存在させても...

日露戦争前から第二次大戦の日までを、政治的に翻弄され続けてきたアイヌの人々を中心に描いた話。時にはロシア領、時には日本領となったサハリンに住むアイヌほな先住の人々。なぜどこかに国に属さなくてはならないのか、なぜロシア化、日本化しなくてはならないのか、なぜただの島として存在させてもらえないのか。そのような問いを投げかける。 過去の愚かな時代のこととは言え、ロシアや日本がしてきたことが酷すぎる。と言うか、同じことをロシアは現在進行形で行なっているわけだが、国の思惑によって犠牲になる人たちが発生することになぜ政治家というものは無神経なのか。無神経な人たちの事情で人生を大きく変えられてしまう状況の中で、自分の人生の舵取りをすることの大事さや難しさもメッセージしていると思う。 なんだかんだでスルスルと読めたが、面白かったかと言うとそうとも言い切れないが、それなりにおすすめはできるかな。

Posted byブクログ

2022/11/02

「そこには支配されるべき民などいませんでした。ただ人が、そこにいました。」 うーん 史実を元にしたフィクション 滅びゆく民族とされたアイヌと祖国をなくしたポーランド人の二人の主人公のときに交わりつつ、人の世の摂理とされる弱肉強食にあがらい続ける人生の物語 史実を極力壊さない程度...

「そこには支配されるべき民などいませんでした。ただ人が、そこにいました。」 うーん 史実を元にしたフィクション 滅びゆく民族とされたアイヌと祖国をなくしたポーランド人の二人の主人公のときに交わりつつ、人の世の摂理とされる弱肉強食にあがらい続ける人生の物語 史実を極力壊さない程度にはエンタメ性もあって(特にヤヨマネクフとシシラトカの殴り合いの友情とかね)面白かったです 二人の主人公が時代に翻弄されながら辿り着いた答えにもすごく考えさせられました でもやっぱりちょっとお話しが平坦すぎると感じてしまったんよなー なんていうか出てくる人たちやテーマが凄すぎて収めきれてないっていうか、受け止めきれてないっていうか そんな風に思っちゃいました

Posted byブクログ

2022/10/30

とても”熱い”歴史ロマン小説なんですが、なんだかもう少しエンタメ性が欲しいなあと。 良い話なんですが、少し中途半端なできだなあと、、、

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2022/10/27

ロシア革命前から第二次世界大戦後までの期間の北海道・樺太アイヌの人たちと、それらの人たちにかかわった、アイヌ以外の人の交流と、歴史に翻弄される様を描いた作品。 主に、思わぬ運命から樺太に流刑になったしまったポーランド人の視点で描かれているが、そのポーランド人の祖国たるポーランド...

ロシア革命前から第二次世界大戦後までの期間の北海道・樺太アイヌの人たちと、それらの人たちにかかわった、アイヌ以外の人の交流と、歴史に翻弄される様を描いた作品。 主に、思わぬ運命から樺太に流刑になったしまったポーランド人の視点で描かれているが、そのポーランド人の祖国たるポーランドもロシアの元に併合されてしまっているというところが、この物語の一つのポイントかもしれませんね。“国”という概念が希薄なアイヌと、ロシアの圧政下にあるポーランド人。その交流が中々興味深いです。 そこに加わっているのは、樺太のすぐ近くにある日本。日本は、ヨーロッパの大国に負けてなるものかと樺太に進出してくるのですが、それはそれで、何か少し背伸びしすぎている気がしないわけでもありません。 金田一京助や白瀬矗といった、歴史上知られる人も出てきますが、それは、この作品のごく一部。本質は、アイヌの生き様なような気がしました。

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2022/10/13

2021年読み収め。国境地帯で大きな力に翻弄される人々の暮らしとその中で力強く生きていく人たちの輝き、原理と戦う熱き学者の生き様がとても熱かった。アイヌをはじめとする北方民族の歴史、文化が知れて良かったし、樺太の情景に心が惹かれた。大隈重信の知らない一面もみれた。この本を読んでか...

2021年読み収め。国境地帯で大きな力に翻弄される人々の暮らしとその中で力強く生きていく人たちの輝き、原理と戦う熱き学者の生き様がとても熱かった。アイヌをはじめとする北方民族の歴史、文化が知れて良かったし、樺太の情景に心が惹かれた。大隈重信の知らない一面もみれた。この本を読んでから北海道に行ったことで、開拓の歴史とその過程で起きた沢山の悲劇、変化、その上でもたらされたものを見て、とても感慨深い気持ちになった

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2022/09/17

その分量に圧倒され、文庫化を待っていました。ちょうどゴールデンカムイも見終わっていて、脳内がアイヌ、樺太になっていて、とにかくページが止まらなかったです。タイトルと同じく、読者も「熱」を持って読めると思います。 ポーランド初代皇帝の弟が樺太研究家で、アイヌの方と結婚している、南極...

その分量に圧倒され、文庫化を待っていました。ちょうどゴールデンカムイも見終わっていて、脳内がアイヌ、樺太になっていて、とにかくページが止まらなかったです。タイトルと同じく、読者も「熱」を持って読めると思います。 ポーランド初代皇帝の弟が樺太研究家で、アイヌの方と結婚している、南極探検白瀬中尉にアイヌの人が同行してるなど、史実を基にした小説なので、とてもリアリティを感じました。著者は、これが2作め?とてもオススメの本です。

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2022/08/13

社会の「弱肉強食」 時代は第一次から第二次世界大戦へと移る時代に生きた数少ない樺太・サハリンに生きた先住民アイヌをフォーカス、同じくロシアから囚人としてサハリンに送られ後に歴史学者、欧州のポーランド・エストニア独立を目指した兄弟の物語だ。両者とも「弱肉強食」(人間社会の摂理)の時...

社会の「弱肉強食」 時代は第一次から第二次世界大戦へと移る時代に生きた数少ない樺太・サハリンに生きた先住民アイヌをフォーカス、同じくロシアから囚人としてサハリンに送られ後に歴史学者、欧州のポーランド・エストニア独立を目指した兄弟の物語だ。両者とも「弱肉強食」(人間社会の摂理)の時代に「滅びゆく弱い者」の民族・生活文化・習慣を尊び未来に遺そうと活躍、生き抜く姿を描いた感動の小説だ。「失われる民族・文化」を如何に守り抜くか、高度文明社会が占領し埋め尽くしていく様を時代を追って描いている。「熱源」とは変わりゆく地にも昔、偉大で熱く燃えた民族・文明の史実があり、そのおかげで現代に至っている事を我々はもっと知るべきだ。

Posted byブクログ