罪の轍 の商品レビュー
「オリンピックの身代金」もそうだったけど、この時代の日本を描いた物語は、作者がピカイチだと思う。日本全体の熱量が伝わってきてすごい!
Posted by
特にユニークな内容ではないストーリーだった。中盤ではストーリーはページをどんどんめくりたくなるような展開はなく、スピード感はなかった。厳しいようだが、この作者にしては期待からはかなり外れた作品だった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2020年版このミステリがすごい!第4位 表面的には悪人が悪を重ねるという風には見えるが、実は深い目的が・・・ 奥田英朗先生の作品は全て読んでいますが、もう少しだけ刊行の間隔が狭まることを期待しています。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
64年オリンピック前年の東京下町で起きた事件をめぐる社会派小説。 前半の強盗殺人事件は真相を巡るミステリー調だったのに対し、後半の誘拐事件は警察小説であり、犯罪小説であり、昭和の時代を描く小説でもあると思います。 前半と後半のトーンが変わるので戸惑う部分もありましたが、刑事の視点、朝鮮から帰化した下町の娘の視点、空き巣犯罪所の視点から鮮明に昭和のこの時代を描いていると思いました。 特に後半は実際の誘拐事件がモデルになっているので、事件の結末は想定できていましたが、だれも救われない結果には被害者の冥福を祈るしかない無力感を覚えました。
Posted by
生きづらい人間が罪を犯す過程を、他者の視点を交え追っていく。奥田英朗はそういういきぐるしい話を書かせたら天下一品ですね……。映像化も面白そう。3時間スペシャルのドラマとかで。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2020年の東京オリンピックを前にして、オリンピックにちなんだ題材を選んだ奥田英明さんの作品。 さすがだな、と思わせる渾身の一冊。 オリンピックがらみと言えば、『オリンピックの身代金』で、ヒロポンなど当時のことに途轍もなく精通していることはわかっていたけど、今回も昭和30年代を鮮明に描いている。当時はもちろん青函トンネルもなく、時代の情景は全てにおいて抜かりがない。ピンク電話や赤電話、国鉄の人による切符の回収など中高年にとっては、懐かしい場面がたくさん盛り込まれている。 吉展ちゃん事件がベースにあるのだろうが、犯人像や登場人物などは多少アレンジしてある。 警察、やくざ、それぞれが自分たちの島があり、その中でのいざこざも読者の関心を引き立たせてくれる。 いつものことながら、登場人物一人一人への想いが詰まっている奥田作品は著者の人柄を感じる。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昭和ノスタルジーは奥田さんの得意分野だと思うが、今回は誘拐された子が亡くなってしまい(わかってはいたけど)、胸が痛んだ。 現代の話と思って読んでいると、「国鉄」「赤電話」で昭和に引き戻される、の繰り返し。 あっという間に読み終えてしまったが、途中やや間延びした感も。間延びというか、いろんなエピソードがてんこ盛りでやや中途半端な感じだった。 義父からの虐待の記憶が蘇り、本人的にはすっきりしたようだが、罪のない子をあっさり殺めたにも関わらず反省もない犯人をどう受け止めたらいいのかわからないのが残念である。
Posted by
犯罪に「理由」があった時代。あの時代の空気をしっかりとした文体で蘇らせてくれます。章ごとの最後の文で季節や時代の流れをさりげなく描いています。久しぶりに読み応えのある作品でした。
Posted by
p80,北方の島で貧窮で育ち漁師見習い時から空巣癖を持って島を抜け出しオリンピック前の東京に出て事件を起す。
Posted by
昭和の東京オリンピック前に起きた、幼児誘拐事件をモチーフとした作品。 登場人物の寛治が、町田康の「告白」に出てくる主人公とどことなく重なる。 ラストは分かっていたものの、最後まで希望を持たずにはいられなかった。 個人的に、携帯がまだ存在しない時代のミステリが好き。 600ページ...
昭和の東京オリンピック前に起きた、幼児誘拐事件をモチーフとした作品。 登場人物の寛治が、町田康の「告白」に出てくる主人公とどことなく重なる。 ラストは分かっていたものの、最後まで希望を持たずにはいられなかった。 個人的に、携帯がまだ存在しない時代のミステリが好き。 600ページ近い大作だったので、読み終えてどっと疲れがきた。
Posted by