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事実はなぜ人の意見を変えられないのか の商品レビュー

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55件のお客様レビュー

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2020/08/22

「とても重要なメッセージを持つ人や、最も役に立つ助言のできる人が、必ずしも絶大な影響力を持つわけではないように私は感じる。怪しげなバイオ技術に数十億ドルを投資できるよう説得できた起業家がいる一方で、地球の未来のために取り組むように国民を説得できなかった政治家もいる。」(7p) ...

「とても重要なメッセージを持つ人や、最も役に立つ助言のできる人が、必ずしも絶大な影響力を持つわけではないように私は感じる。怪しげなバイオ技術に数十億ドルを投資できるよう説得できた起業家がいる一方で、地球の未来のために取り組むように国民を説得できなかった政治家もいる。」(7p) 著者が「わかりやすい例」として取り出したのは、2015年9月大統領共和党候補者の決定に寄与した討論会のTV番組である。カーソン候補は「知性」を狙ってきたのに対して、ドナルド・トランプ候補はその他全ての部分に訴えたのである。結果、ドナルドが大統領になった。 現在、大量の情報が個人に押し寄せている。そのことで、かえって自分の信念に固執するようになっている。彼らが意見を変えるのは、「意欲や感情に訴えかけられた時」である。この本は脳科学者らしく、その事やその他の要因を一冊かけて詳細に述べてゆくだろう。 以下私的メモ(これは、私に有用だと思える事柄を羅列したメモであって、皆さんに分かりにくい書き方もある。読み飛ばしても構わない事柄です。もし、以下の事柄があなたにも有用だと感じられたとしたら、それはあなたが主体的に感じ取ったからです) ・事前の信念を持つ人に対して、間違いを証明しようとすると拒否感が出る。共通点に基づいて話をすることによって、相手の行動に影響を与える。 ・アイデアを伝える最も効果的な方法の一つは、気持ちを共有すること。感情はとりわけ伝染しやすい。 ←芸能人のコロナ死は、だからあの時最も効果的だった。 ・電光掲示板に「現在の手洗い率」をリアルタイムで示すことで、10%から一気に90%に跳ね上がった。 ←3、4月に都内の駅や交差点の人出率を毎日テレビで映したのは、だから最も効果的だったということなのだろう。実際一気に人出率が下がった。 ・恐怖や強制によって行動させ影響を与えることは難しい。反対に、選択肢を与えて主体性を高めると、相手は話を率直に聞く。大切なのは、認識であり、客観的事実ではない。「今日は◯◯の日よ」と思い出させる、というやり方で行動に移させるという認知症老人への呼びかけもある。 ・映画「サイドウェイ(2004)」で主人公マイルスが「メルローなんて俺は死んでも飲まないぞ」と言ったために、メルローの売り上げかガタ落ちした。反対に彼が好んだピノノワールはうなぎ登り。両親や影響力のある人を真似るのは、本能。 ・ヒトは言葉を発して数万年経ち、5200年前に書き言葉が現れ、600年前に印刷技術、20世紀初頭にラジオ、50年代に一般人向けテレビ、90年代からインターネット、現代では誰もが情報を共有して他人に影響を与えるようになった。しかし、数万年間、脳の基本的な組織に著しい変化は見られない。 ←つまり、「昔ながらのやり方」で大量の情報を処理しきれない大衆に影響を与えることは、実際可能なようだ。コロナ禍後の世界が心配だ。 ←しかし、脳から脳へ、直接影響を与える実験は既に始まっているらしい。「第四間氷期」のように死人の脳から犯人を見つけるのはもう直ぐなのかもしれない。

Posted byブクログ

2020/06/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分の意見が、どのようなものに影響されるのか、という話。 人はデータが自分の意見に沿っている場合に限って有効性を評価する、とか、認知能力が優れている人ほどデータを歪めて自分に都合の良い材料にしてしまう、というのも昨今の状況ではさもありなんという感じで納得。 テストで正しい回答を分かっていても、自分以外の全員が違った回答をしていると知ると回答を修正するばかりか、半分ぐらいの場合は本来の記憶まで書き換わってしまうというのは怖かった。でも記憶って確かにけっこうあいまいだしな。たまに昔のことを全然覚えてないどころか、どんどん変な風に変えているんじゃないかと不安になることがある。 あとはマシュマロ・テストの話が面白かった。今は確か親の経済状況の方が「自制心」より大きな影響があるってことになったはずだけど、この著者は子供の大人に対する信頼度という尺度を提示していて、実験で結果も出している。 こうやってフィルターを変えることで、同じ実験でも全然違う結果が見えてくるわけで、科学的であることというのがいかに難しいか。「情動はこうしてつくられる」でも純粋な影響を計る実験の困難さ、間違った結論に導かれ続けた歴史が書かれていたが、この本で読んだことだって10年後には違った面が指摘されるのかもしれない。事物をどのように解釈するか、という点において、いまだ人間に委ねられた部分はあまりに多いのだなと思った。

Posted byブクログ

2020/04/27

情報が溢れている現代社会において、どのように他者を動かすか・影響を与えるか、加えてどのように他者から影響されているかを再認識する本

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2020/03/19

コロナの有効な防止方法よりも、トイレットペーパー取り扱いの情報を欲しがるのか。 人は基本的に信じたいものを信じる。 集団バイアスは強い。 基本的に情報収集は快楽だが、不都合な情報は苦痛である。 そのため、都合のいい情報のみを無意識に選択したり、 有益で苦痛な情報を遮断したりする...

コロナの有効な防止方法よりも、トイレットペーパー取り扱いの情報を欲しがるのか。 人は基本的に信じたいものを信じる。 集団バイアスは強い。 基本的に情報収集は快楽だが、不都合な情報は苦痛である。 そのため、都合のいい情報のみを無意識に選択したり、 有益で苦痛な情報を遮断したりする。 人間はコントロール可能な状態を好む。

Posted byブクログ

2020/03/01

多くの心理学実験を説明していた。学部生が実験参加者となっている実験もあったので、卒論のための実験として参考になるかもしれない。

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2020/02/23

本書で特に重要だと思った点は、「人は相手の意見を変えるときに、自分を正当化して相手の意見を批判しようとするが、全くの逆効果である」という点。人間は感情で動く生き物であり、自分を本能的に防衛しようとして相手を否定しようとしてしまう。だがそれではいけない。自分が自分の意見を正しいと思...

本書で特に重要だと思った点は、「人は相手の意見を変えるときに、自分を正当化して相手の意見を批判しようとするが、全くの逆効果である」という点。人間は感情で動く生き物であり、自分を本能的に防衛しようとして相手を否定しようとしてしまう。だがそれではいけない。自分が自分の意見を正しいと思ったとして、それを別の意見を持つ他者へぶつけたとしても、相手も自分の意見を正しいと思っているのだから、火に油を注ぐ状態になっている。  自分とは反対の意見を持つ他者を変えたければ、まずはメンタルモデルを理解し、否定ではなく歩み寄りをすることが大事。

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2020/02/12

事実を、事実と認めない人が増加している。 科学的な根拠を重視しない傾向がある。 どうして、そんな風になっているのかを知るには、とてもタメになった。 確かに 1510年にコペルニクスによって、地動説が唱えられたがローマ法王ベネディクト16世によって、2008年に認められた。 実に、...

事実を、事実と認めない人が増加している。 科学的な根拠を重視しない傾向がある。 どうして、そんな風になっているのかを知るには、とてもタメになった。 確かに 1510年にコペルニクスによって、地動説が唱えられたがローマ法王ベネディクト16世によって、2008年に認められた。 実に、500年もかかるものである。 ダーウィンの進化論もまだ認めていない現実がある。 なぜ、そのように事実を事実として認めなくなったのかといえば、情報の洪水によって、事実に反対する根拠を出すものもあり、頭がいい人ほど、事実を認めない傾向にあるという。 しかし、この本は、その事実を認めない意見をどうやって、 変えるべきかを論じているが、その展開は 脳科学に基づく 脳の報酬系などの事例から 読み解こうとしている。 様々な事例が、豊富にあって、読み物としても、面白かった。 つまり、相手にどう影響を与えるのか?を キイワードにして、事前の信念、感情、インセンティブ、主体性、好奇心、ストレスの心の状態などから、意見を変える ことができるための方策を考察する。 マシュマロ実験が、興味深かった。 目の前にあるマシュマロ。15分待つと マシュマロが2個になるという 将来の期待値で、目の前の1個のマシュマロを我慢できるかということだ。 時間軸の期待がどうなっているのかということだが、 信頼できる人が「待ちなさい」といえば、待てるが 信頼できない人が、そう言っても待てない。 結局は、感情が大きく判断の基準となってくるのである。 日本の年功序列や、未来は明るいとか、我慢が人間を作るとか、日本の古い価値観が よく見えてくるような気がする。 未来が 不確実であればあるほど、目の前のマシュマロは食べてしまう。今の時代は、我慢を美徳にしない。 トランプのTwitterは、新しい支配の仕組みを作っている。 突然、トランプが Twitterで発言することで、世界が動く。多数決で組み立てられていた仕組みが、たった一人の大統領のつぶやきで世界が変わる。少数が、時代を変えることもできる時代とも言える。 感情によって、大きく動かすことが、できてきた。 言葉から、文字となり、印刷が生まれ、ラジオ・テレビ そしてインターネット。 人間は、コミュニケーションの武器をどんどんと獲得して行った。そんなに、手段が変化しても 人間の脳は あまり変わっていない。脳が 喜びを感じる報酬系によって、行動が判断されて行く。 人は、支配されたり、管理されたりするよりも、 自分でコントロールができることの方が、主体性を発揮し、幸福となる。飴と鞭でコントロールされるよりも、選ぶことができることに喜びを見出すことができるって、結構 面白い世界になったもんだ。

Posted byブクログ

2020/05/24

結婚生活が長く続く一番の要因は、情熱や友情ではなく類似性。 意見は変えられないから、正反対同士が惹かれあっても長続きはしない。 お年寄りが元気でいるためには、介入は少なく主体的行動が多いほうが良い。 知性ではなく、それ以外の部分に訴える。 賛成意見しか見えない。 死と税金以...

結婚生活が長く続く一番の要因は、情熱や友情ではなく類似性。 意見は変えられないから、正反対同士が惹かれあっても長続きはしない。 お年寄りが元気でいるためには、介入は少なく主体的行動が多いほうが良い。 知性ではなく、それ以外の部分に訴える。 賛成意見しか見えない。 死と税金以外確実なものはない。 豊富な情報があると、自分の意見に固執する。自分の意見の裏付けになる情報がたくさん見つかるから。 Googleのアルコリズムによって、探している情報が入ってくる。その情報の中身は、自分の意見に賛成なもの。 確証バイアス=賢い人ほど情報を歪める

Posted byブクログ

2020/01/30

自分自身共感力が著しく低いと感じる。 だから正しいと思っている情報を並べて相手を説得しようとしているのだと思った。 だけどそれは相手には伝わらなくて、共感することの方が大事。 なぜなら脳の構造は同じ人間なら大体一緒だから。

Posted byブクログ

2020/01/22

▼脳にある無意識とは ■行動の背景には脳の働きが関与 ■アイデアを伝える時は共感を示し感情を共有することが大事 ■自分の選択は実はデータや誰かの言動も影響してる可能性が高い ■自分の個性≠他人の個性

Posted byブクログ