事実はなぜ人の意見を変えられないのか の商品レビュー
評判ほどの本ではなかった。どうでもいい例示ばかりで頁数を稼いでいる割には、読んでても当たり前のことしか書かれておらず。まあ読まなくてもよかったかな。
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実のところ、今日の私たちは押し寄せる大量の情報を身に受けることで、かえって自分の考えを変えないようになってきている。マウスをクリックするだけで、自分が信じたい情報を裏づけるデータが簡単に手に入るからだ。むしろ、私たちの信念を形作っているのは欲求だ。だとすれば、意欲や感情を利用し...
実のところ、今日の私たちは押し寄せる大量の情報を身に受けることで、かえって自分の考えを変えないようになってきている。マウスをクリックするだけで、自分が信じたい情報を裏づけるデータが簡単に手に入るからだ。むしろ、私たちの信念を形作っているのは欲求だ。だとすれば、意欲や感情を利用しない限り、相手も自分も考えを変えることはないだろ ハイライト (黄) 位置No. 281 新しいデータを提供すると、相手は自分の先入観(「事前の信念」と呼ばれる)を裏づける証拠なら即座に受け入れ、反対の証拠は冷ややかな目で評価する。私たちはしょっちゅう相反する情報にさらされているため、この傾向は両極化の状況を生み出し、それは時を経て情報が増えるたびに広がって ハイライト (黄) 位置No. 285 実のところ、自分の意見を否定するような情報を提供されると、私たちはまったく新しい反論を思いつき、さらに頑なになることもある。これを「ブーメラン効果」と ハイライト (黄) 位置No. 379 自分の意見を裏づけるデータばかり求めてしまう傾向 ハイライト (黄) 位置No. 379 確証バイアス」と呼ばれて ハイライト (黄) 位置No. 386 分析能力 ハイライト (黄) 位置No. 386 高い人の方が、そうでない人よりも情報を積極的に歪めやすいことが判明しているの ハイライト (黄) 位置No. 408 認知能力が優れている人ほど、情報を合理化して都合の良いように解釈する能力も高くなり、ひいては自分の意見に合わせて巧みにデータを歪めて ハイライト (黄) 位置No. 430 新しい信念が形成されるとき、四つの要因が関与する。もともともっていた信念(事前の信念)、事前の信念に対する確信、新しい証拠、そして新しい証拠に対する確信で ハイライト (黄) 位置No. 544 もとの考えを根絶やしにするのが難しい ハイライト (黄) 位置No. 544 は、新しい種をまくのが正解なのかもしれ ハイライト (黄) 位置No. 830 た。 自分が何かしらの気持ちを抱いただけで、人々の感情を変えられるという事実を、心にとめておくべきだろう。同様 ハイライト (黄) 位置No. 831 他人の感情が私たちの気持ちを変えることもある。私たちは常に相手と、そして周囲のすべての人々と互いに同期し合っているの ハイライト (黄) 位置No. 940 自然は人類を苦痛と快楽という、二人の主権者の支配のもとにおいてきた。われわれが何をしなければならないかということを指示し、またわれわれが何をするであろうかということを決定するのは、ただ苦痛と快楽だけである。……苦痛と快楽とは、われわれのするすべての ハイライト (黄) 位置No. 943 われわれの言うすべてのこと、われわれ ハイライト (黄) 位置No. 943 考えるすべてのことについて、われわれを支配して ハイライト (黄) 位置No. 1333 コントロールを失うというのは心を乱される感覚だ。 自分のいる環境をコントロールする能力が奪われてしまったら、たくさんの人がストレスや不安を感じる ハイライト (黄) 位置No. 1351 コントロールすること」と「影響を与えること」は密接に関連して ハイライト (黄) 位置No. 1355 他人に影響を与えるためには、コントロールしたいという衝動を押さえ込み、相手が主体性を必要としているのを理解することだ。人は自分の主体性が失われると思ったら抵抗するし、主体性が強まると考えたら、その経験を受け入れ報酬とみなすものだから ハイライト (黄) 位置No. 1540 自分の人生をコントロールしていると感じられる人は、より健康で幸せだ( ハイライト (黄) 位置No. 1581 コントロール感に必要なのは「感じること」なの ハイライト (黄) 位置No. 1582 命令するのではなく、「主体性」を大切にしながら相手を最終的なゴールへ導く方が ハイライト (黄) 位置No. 1592 イケア効果というのは、「自分が作ったものには、他人が作ったまったく同じものよりも価値を ハイライト (黄) 位置No. 2295 人間は怖じ気づくとリスクの高い ハイライト (黄) 位置No. 2295 を避け、無難な手段を選ぶ傾向があるから、チャンのような賭けに出ることはあまり
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感情に訴えたり、ダメな部分を批判せずポジティブなところを評価すると相手を説得しやすいんだなぁ、とか、まあごく当たり前の結論に行くのだけど、そこに至るまでの論理のプロセスが非常に丁寧。難点を挙げるとすればタイトルだろうか。これはちょっとネガティブな印象があるし、「事実はなぜ人の意見...
感情に訴えたり、ダメな部分を批判せずポジティブなところを評価すると相手を説得しやすいんだなぁ、とか、まあごく当たり前の結論に行くのだけど、そこに至るまでの論理のプロセスが非常に丁寧。難点を挙げるとすればタイトルだろうか。これはちょっとネガティブな印象があるし、「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」という問いの理由に直接的にこの本は答えてはいないんだよね。変えられないよ、と言ってはいるけど。The Influential Mindから直接とって、「影響される心」としてもよかったのではないか。ワクチン反対派にリスクを説明するよりも、ワクチン接種すると子供の命が守れますよ、と言うと説得される話とか、今大事な話だと思うんだけどねぇ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
p.32 人間はより正確な結論を導き出すためではなく、都合の悪いデータに誤りを見つけるために知性を使っているのではないだろうか。 p.42 意見の違いよりも共通点に注目することで、変化は訪れるのである。
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データのみにて人は動かないし、そもそも自分にとって都合のいい話を積極的に受け入れかつ強化するというのは確かに身に覚えもある。 事実はともかく、主体性を持ってる感というのはなかなか応用が利きそう。
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反対意見は受け入れられず、同調意見は拾われる。これは、一般的な人間の脳の反応だということ。 トランプ支持の極端な思想の持ち主に、事実を持ち出して間違っていると言っても、受け入れられる可能性は低いと言わざるを得ない。 相手が受け入れられるところから合意を得ながら進めたい方向に近づけ...
反対意見は受け入れられず、同調意見は拾われる。これは、一般的な人間の脳の反応だということ。 トランプ支持の極端な思想の持ち主に、事実を持ち出して間違っていると言っても、受け入れられる可能性は低いと言わざるを得ない。 相手が受け入れられるところから合意を得ながら進めたい方向に近づけていくしかないようだ。なかなか難しいことだ。 もっと身近なところで活用していこう。
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ひとに何かを伝えるときには事実を伝えるだけでは、本当には伝わらない。その人の心の状態やおかれている環境が密接に影響しているという話
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科学よりも心理学的な側面が強いように感じた。 思考に様々なバイアスがかかっている限り、理論でなく共感で人の心を動かすほうが効果的。賛成意見しか見えない確証バイアス、「ブーメラン効果」など。
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非常に読みやすく、人はどのように判断しているかをエビデンスと具体例でわかりやすく説明してくれている。 1.快楽で動かし(ゴー反応)、恐怖で凍り付かせる(ノーゴー反応) 人を動かしたい時は権限を与える(主体性) 2.事実では人は説得できない。共通の動機を見つけ、感情を同期させる...
非常に読みやすく、人はどのように判断しているかをエビデンスと具体例でわかりやすく説明してくれている。 1.快楽で動かし(ゴー反応)、恐怖で凍り付かせる(ノーゴー反応) 人を動かしたい時は権限を与える(主体性) 2.事実では人は説得できない。共通の動機を見つけ、感情を同期させる。 感情は伝染やすい。人は他人の意見に影響されやすい。 3.バイアスを避けるためには、個人の中の「賢い群衆」を利用する。 賢い群衆:日にちをあけて繰り返し見直すことで、客観的になれる。
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読了。 今まで全く知らなかった知見が新たに発見されたというような驚きはなかったが、それでも最後まで飽きなく読み進められた。事例が豊富でわかりやすい読み口であった。 そして読むことによって確実に私の中に情報や意思決定に対する応答が変わったと思う。 一つ一つは言われてみればそうかもし...
読了。 今まで全く知らなかった知見が新たに発見されたというような驚きはなかったが、それでも最後まで飽きなく読み進められた。事例が豊富でわかりやすい読み口であった。 そして読むことによって確実に私の中に情報や意思決定に対する応答が変わったと思う。 一つ一つは言われてみればそうかもしれないな、という内容が筋道立てて例を伴い繰り返し言われることで頭に刷り込まれ、日常のひとときに私に警告を鳴らす。 人は客観的事実よりも感情に意思を揺らがされやすいこと、自分の意見を補強するものを好んで見出そうとすること、他人の意見に思ったよりも同調してしまうこと。自らの思っていた理論的な決定力が著者のナラティブを伴うエビデンスによって少しずつ剥がされていく。いい体験でした。
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