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記憶喪失になったぼくが見た世界 の商品レビュー

3.8

74件のお客様レビュー

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2023/04/16

記憶喪失になって何もかもが白紙になった著者の素直な視点に興味を抱きました。目にするもの、耳にするもの、家族や友人すら分からない状況から草木染作家になるまでの過程がすごい。家族、特に母親の心の広さや息子が置かれている状況に正面から向き合おうとする姿勢、あえて厳しい状況に挑戦させる親...

記憶喪失になって何もかもが白紙になった著者の素直な視点に興味を抱きました。目にするもの、耳にするもの、家族や友人すら分からない状況から草木染作家になるまでの過程がすごい。家族、特に母親の心の広さや息子が置かれている状況に正面から向き合おうとする姿勢、あえて厳しい状況に挑戦させる親心は感心するばかりでした。兄弟や父親も程よい距離感で支えている様子が伝わり、この家族だから著者も前に進めたのだろうなと感じました。

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2023/03/12

自分が記憶喪失になったら、と言っても、全く想像がつかないと思うが、この方の本を読んで、なんとなく理解が出来た様に思います。 本人も大変なのだが、私は親の目線になってしまい、お母様のお気持ちを勝手ながら想像すると、張り裂けそうな気持ちになりました。

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2023/03/02

18歳の美大生の青年が事故にあい記憶喪失になってから、染め物職人になって独立するまでを綴った手記。 作者の坪倉さんは、交通事故で記憶を失います。記憶喪失と言って思い浮かぶのは、通常エピソード記憶(個人が経験した出来事)を忘れてしまう、という形だと思うのですが、この方は自分が誰...

18歳の美大生の青年が事故にあい記憶喪失になってから、染め物職人になって独立するまでを綴った手記。 作者の坪倉さんは、交通事故で記憶を失います。記憶喪失と言って思い浮かぶのは、通常エピソード記憶(個人が経験した出来事)を忘れてしまう、という形だと思うのですが、この方は自分が誰か・どんな人間かだけではなく、食べ物とは何かから、おなかが一杯になったら食べるのをやめなくてはいけない事、トイレの使い方、お金の使い方や価値、文字の書き方や読み方・意味に、家族とは何か、友達とは何か、人間とは何かなど、ありとあらゆる記憶を失ってしまいます。 なので、見るもの聞くものどれも初めて。ある種、とても純粋な世界の形・感想が描かれています。特に序盤の描写は、赤ちゃんとかがもし言語能力を持っていたら、初めての世界に同じようなことを感じているかもしれないなと考えさせられました。 そんなピュアな描写に反し、人生はとても壮絶。 本人の努力とともに、時折挟まれるお母様が書かれた記憶がまた心配や悲しみ、悔しさなどが詰まっていて胸が締め付けられます。きっととても大変だった事でしょう。 退院直後の何もわからないような状態から、就職して独立できるようになるまでになるとは、人間のこころと脳とはやはり神秘。 ちなみに、文章だけではなく作者さんがのイラストや草木染めの着物のカラー写真も収録されています。着物は落ち着いた自然の色合いが上品で素敵。大人の女性に似合いそうです。

Posted byブクログ

2022/11/23

18歳で事故による記憶喪失となった筆者の坪倉さん。 坪倉さんの目に映るのは生まれたままの世界。本書は、記憶喪失の坪倉さんが自身のはじめての体験、心情、人間関係を瑞々しくストレートな言葉で綴ったエッセイ。 お母さん側の視点もあることで、母としての不安や葛藤、また坪倉さんの当時の様子...

18歳で事故による記憶喪失となった筆者の坪倉さん。 坪倉さんの目に映るのは生まれたままの世界。本書は、記憶喪失の坪倉さんが自身のはじめての体験、心情、人間関係を瑞々しくストレートな言葉で綴ったエッセイ。 お母さん側の視点もあることで、母としての不安や葛藤、また坪倉さんの当時の様子が書かれている点も良いと思いました。 本書でも書かれていますが、坪倉さんは現在、着物や帯の草木染をお仕事にされているそう。 坪倉さんの感性と自然のものを用いた草木染が組合わさって、坪倉さんの染物は神様からの贈り物のように思えてきます。

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2022/10/22

18歳で交通事故にあい記憶喪失に、そこから草木染職人として独立するまでを綴ったノンフィクション。記憶を失くすということは、単に過去を忘れて今を生きるということだと思っていた。言葉はただの雑音にすぎず、食べる眠るなどの感覚さえわからなくなる、物事の整理がつかず、何をすべきか、周りの...

18歳で交通事故にあい記憶喪失に、そこから草木染職人として独立するまでを綴ったノンフィクション。記憶を失くすということは、単に過去を忘れて今を生きるということだと思っていた。言葉はただの雑音にすぎず、食べる眠るなどの感覚さえわからなくなる、物事の整理がつかず、何をすべきか、周りの人たちが自分とどういう関わりがあった人なのか、何もかもがわからない状態なんて想像もつかない。不安が多々ありながら見守り続けた家族、何事にも向かって行く本人のバイタリティは、本当に凄いとしかいえない。

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2022/10/20

よくぞこの手記を残していた、という作品。読んでいくうちにだんだん日本語ができあがっていくのは嬉しい。 ドラマで見る記憶喪失というのはやはりドラマにすぎず、現実はあらゆる行動も難しくなるのだと理解させられた。大学に行かせたこと、免許を取らせたことなど、かなり悩まれたのではないかと思...

よくぞこの手記を残していた、という作品。読んでいくうちにだんだん日本語ができあがっていくのは嬉しい。 ドラマで見る記憶喪失というのはやはりドラマにすぎず、現実はあらゆる行動も難しくなるのだと理解させられた。大学に行かせたこと、免許を取らせたことなど、かなり悩まれたのではないかと思うし、何が正解なのかは分からないが、染物の道で成功されているようでなにより。

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2022/10/01

最近観たミュージカル『COLOR』の原作ということで、手に取りました。 事故で記憶を失くされた坪倉さんご自身の手記と、お母さまの記憶(インタビュー)で構成されているので、自分でもどうして良いのか分からないという不安や、どうにもできないもどかしさや苛立ちや苦しさが、双方の視点で描か...

最近観たミュージカル『COLOR』の原作ということで、手に取りました。 事故で記憶を失くされた坪倉さんご自身の手記と、お母さまの記憶(インタビュー)で構成されているので、自分でもどうして良いのか分からないという不安や、どうにもできないもどかしさや苛立ちや苦しさが、双方の視点で描かれていて、読んでいてそれぞれにつらかった。それでも、懸命にその状況に向き合って、またここから人生を始めていこうとしている姿に、力強さを感じた。ご苦労はこれからもあるでしょうし、簡単にいかないことも色々あると思うけれど、坪倉さんは力強く生きて行くのだろうな、と思った。 そして、私も頑張ろう!と思った。 いわゆる美談扱いで読んで欲しくはない。生きることを考えさせてくれる本でした。

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2022/09/11

多分取り落とした記憶を再学習した後に書いてるからだと思うのだけど、回復の時系列がごっちゃになってるのかな?ちょっと混乱。 「いい笑顔」だってことはわかるのに涙の概念がわからなかったり、数字がわからないのに4月はわかったり、不思議な感じ。でもこれが本当の回復の過程なのかな?

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2022/08/09

 記憶喪失を題材にした本は世の中に溢れかえっているが、ここまで記憶喪失になった人の目線でリアルに書かれている作品は少ないのではないかと思う。記憶喪失になった坪倉優介さんの日記が続き、時折坪倉さんのお母様目線の手記が挟まれているという構成だ。最後まで読み終わってからこの本の初めの方...

 記憶喪失を題材にした本は世の中に溢れかえっているが、ここまで記憶喪失になった人の目線でリアルに書かれている作品は少ないのではないかと思う。記憶喪失になった坪倉優介さんの日記が続き、時折坪倉さんのお母様目線の手記が挟まれているという構成だ。最後まで読み終わってからこの本の初めの方に戻ってみると、よくぞここまできたものだと感嘆してしまった。パラパラとめくってみると、初めはほとんどがひらがなで記されていた文章だったのが、だんだん漢字が増え、最後の方までくると普通の文章と何ら変わりなくなる。坪倉さんがどのようにして「新しい自分」として生きられるようになっていったのかがよくわかり、非常に興味深かった。

Posted byブクログ

2022/07/28

記憶喪失になると当たり前が当たり前でなくなる。 人の性格も見えてくる。 記憶喪失になった人のリアルが分かり大変興味深かった。

Posted byブクログ