夏物語 の商品レビュー
全体の三分の一ほどを締める第一部は、「乳と卵」を深掘りしたような感じで、「乳と卵」を読んでいなくても大丈夫なイントロな感じ。 第二部が今回の本題となっていて、子供を産み育てる様々な形態をテーマとしており、やはり女性がターゲットかな。 表紙の絵が抽象的で、女性が髪を結わえているとこ...
全体の三分の一ほどを締める第一部は、「乳と卵」を深掘りしたような感じで、「乳と卵」を読んでいなくても大丈夫なイントロな感じ。 第二部が今回の本題となっていて、子供を産み育てる様々な形態をテーマとしており、やはり女性がターゲットかな。 表紙の絵が抽象的で、女性が髪を結わえているところなのかなのと思い調べたところ、やはり同じ疑問を持った方も多く、様々な意見が出ていましたが、ハッキリしたことは分からず…
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
濃密な543ページだった。ただページ数が多いってだけじゃなくって、一つ一つの言葉が、グサグサ刺さってくる。 わたしの今現在の状況もそうさせるのかも知れない。 自分の身体を、セックスに使えない。精神的にも肉体的にも、というのは何となく分かる気がする。 自分をそういう目で見て欲しくないと、私も思うことがある…夏目とはちょっと違うけど。 生まれてきてよかったとか、生まれてきたことを後悔するのは子どもであって、生まれた時点からは自分ではない別の人間なのだから、子どもを持つということは親のエゴ…なるほどなと思った。 だから、もう終わりにしたほうがいいと言う善百合子の気持ちは、当事者からしたらもっともな話である。 印象的な話があって…観覧車の中での、逢沢のボイジャーの話。私もつらい時にはボイジャーのことを思い出そう。
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ヘブンも読むのは苦しかったが、この本も苦しくなることが多かった。シングルマザーが生きにくいこの国で、覚悟を決めて子供を作る主人公。賛否両論あると思うが、自分は応援したい。観覧車の上で語るボイジャーの話が良かった。
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あんまりにもインパクトのあるお話で、どうやってレビューを書いたらいいか、っていうか自分がどう思っているのかコトバにするのがとても難しい作品でした。 私には子供がいなくて、それがコンプレックスなのでこの手のテーマは苦手で、だから最後まで読めなかったり読まなかったりすることが多いの...
あんまりにもインパクトのあるお話で、どうやってレビューを書いたらいいか、っていうか自分がどう思っているのかコトバにするのがとても難しい作品でした。 私には子供がいなくて、それがコンプレックスなのでこの手のテーマは苦手で、だから最後まで読めなかったり読まなかったりすることが多いのですが、そんな私が子供を産むこと、生まれてくること、生きていくことなんかについて深く考えてしまいました。 昔は自然に委ねられていた妊娠。それが今ではある程度人為的にコントロールが出来るようになり、子供は「授かる」から「つくる」に変わり、それにAIDが加われば「つくれる」になっていくという現実・・・ この現実が女性の選択肢を狭め、焦りや負い目が増えていくことには切実に共感しました。 女性にしかできないのに、(選択肢が広がったんだからもっと努力すれば)産めるのに産まないってアリ?!とかね。 それにしてもこういう技術や倫理感が発達し受け入れられてゆくと、愛情と結婚と妊娠は別モノととらえてもいいし、一夫一妻制も崩壊していきますね。人類の歴史上一夫一妻制は歴史が浅いみたいだからそれも自然の流れなのかな。 その一方で、選択の余地なく親のエゴで「生まれてきてしまう」という考え方。 子供のことを考えて子供を産んだ親はいないの、親が会いたいと思って産んだ子が、生まれてきたことを後悔したとしたらどうするつもりなの?と、親から性虐待を受けていた人が登場し、主人公にこう訴えるのです。 また、AIDから生を受けた人の、父親が分からない苦しさや、真実を知った時の衝撃やその後のアイデンティティの崩壊なんかについても触れられていて、この、想像したこともない考え方にも衝撃を受けました。 あまりにも救いが無さすぎる。 それぞれの立場での見解の相違は興味深く、そんな中で最後に主人公の選んだ選択は意外に普通だったけれど、幸せな時を与えられますように、と祈らずにはいられません。
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2020本屋大賞7位。500頁越え行間密度も濃い大作であり純文学と言っていいだろう。第1部を読むと著者の「乳と卵」の系統の作品かなと思っていたら、第2部からはとても濃い物語で、主人公夏子は性行為が出来ない、しかし子供は欲しい、しかしその行為に異議を感じる人々も登場し、友人のあっけ...
2020本屋大賞7位。500頁越え行間密度も濃い大作であり純文学と言っていいだろう。第1部を読むと著者の「乳と卵」の系統の作品かなと思っていたら、第2部からはとても濃い物語で、主人公夏子は性行為が出来ない、しかし子供は欲しい、しかしその行為に異議を感じる人々も登場し、友人のあっけない死も経験する。友人作家の遊佐が「子供をつくるのに男の性欲にかかわる必要なんかない」時代になっていると言う言葉が重い。確かに最近は男の収入だけで妻子を養うことが出来ずおまけに家事一切妻任せなんて全く結婚する意義なんてなくなっているようだ。 最近の男性作家はエンタメ小説ばかりでひと月もすれば忘れてしまうようなものばかりだが、エンタメ系の女流作家もいるがちゃんと純文学を書ける女流作家が多いことが嬉しい。さすが福岡伸一博士が推す作家だけのことはあると思った。
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子供を産む前にこの小説を読んでいたら、世界が変わってたかもしれないなぁと思う。生まれてきたことをよかったと思うのか、思わないのか それは一体どうやって決まるんやろうか。
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最初、これ男が読んでもよく分かりそうにないなぁと思っていた。けど、結局最後には引き込まれてしまいました。
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生命の誕生が楽しみだった私とは真逆の世界の人の話なのだが、登場人物に心惹かれた。夏子の選択に感動さえしていた。
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はまるまでに少し時間がかかったけれども 後半からは最後まで一気に読んだ 子供がほしい 自分の子供に会いたい でも 一人で育てたい 父はいらない 行為もしたくない そんな人がいるとはあまり考えたことがなかった 子どもを産むのは親の勝手な行動だ とか 生まれてきたこと自体が残酷だ...
はまるまでに少し時間がかかったけれども 後半からは最後まで一気に読んだ 子供がほしい 自分の子供に会いたい でも 一人で育てたい 父はいらない 行為もしたくない そんな人がいるとはあまり考えたことがなかった 子どもを産むのは親の勝手な行動だ とか 生まれてきたこと自体が残酷だと思う善さんの考えや 精子バンクで子どもを産むことへの不信感もある でも そこまでして産もうと思うは人がいるんだな 子どもを育てることは親の責任で身勝手な行動で 怖いことばかりかもしれないけれども それだけ幸せもたくさんあるんだろうな 私は入ってしまったら出口のないサプライズパーティーが怖くて責任感もなくて途中で投げ出してしまいたくなったり 心が不安定になる気がしてならなくて 親にはなれないけれども 人それぞれで良いんだ
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