図書室 の商品レビュー
これぞ大阪という小説と自伝エッセー。 図書室の子供どおしの大阪弁での会話が 懐かしく、これが自分たちの子供のころの大阪弁での 会話だったなあと思えてきます。 エッセーでは、大阪市内。北摂など自分の原風景を丁寧に 描いてくれている感じがします。年代もほぼ同じ(ちょっと 私のほうが...
これぞ大阪という小説と自伝エッセー。 図書室の子供どおしの大阪弁での会話が 懐かしく、これが自分たちの子供のころの大阪弁での 会話だったなあと思えてきます。 エッセーでは、大阪市内。北摂など自分の原風景を丁寧に 描いてくれている感じがします。年代もほぼ同じ(ちょっと 私のほうが年配ですが)です。 今度から久しぶり大阪での勤務が決まったこの時期に、 出会った本で感慨深く読めました。 今住んでいる東京の世田谷のほうが、好きなところが 多いように思っていますが、自分の血の中は この本に描かれている大阪の血が確実に混ざっているのを 思い出した感じです。
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小学生の頃通った図書室で出会った少年。10年一緒に暮らした彼。母との記憶。大阪の風景。それら懐かしい思い出を振りかえる主人公の姿に、読んでいる自分も懐かしさを感じ、穏やかな時間が流れた。
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誰の心の中にもある、原風景みたいなもの。 ときにそれは、何の意味も持たない風景だったり、ぼんやり夢想した事だったり。 案外人は、そういう何でもない記憶を拠り所に生きているのかもしれない。
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社会学者の筆者が書いた小説です。 「断片的なものの社会学」はとてもいい本で、認識するという事で初めて存在するという概念を静かに語りかけてくる本でした。 そんな学者さんの小説なので難解なのかなと思いましたが、しみじみとした良作でした。これは表題作の「図書館」だけなら☆4つ上げたかっ...
社会学者の筆者が書いた小説です。 「断片的なものの社会学」はとてもいい本で、認識するという事で初めて存在するという概念を静かに語りかけてくる本でした。 そんな学者さんの小説なので難解なのかなと思いましたが、しみじみとした良作でした。これは表題作の「図書館」だけなら☆4つ上げたかった。 恋や友情を取り上げた本は世の中に沢山ありますが、これはどちらかというとシュールかもしれません。ユーモラスで悲哀が有って、読んでいてそんなに感情が波立つわけでは無いのですが、なんだか「分かる」という気がしました。 冴えない中年女性になった元少女の回想から始まります。本編(回想)の瑞々しい思い出が胸に響く美しさで、中年になった女性の中に少女を見ている自分がいます。誰でも連続した時間の中で大人になっていますからね。おっさんになった僕の中の少年が反応しました。
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いつものように週末したの子を連れて近所の図書館分館にでかけたときに,新刊コーナーで見つけたのでかりてきた. 新潮社の考える人のWEB版でよめる「にがにが日記」という連載というか日記が面白かったのをきっかけに,岸さんの本をこうして見つけてはかりている. 標題作の「図書室」がレコ...
いつものように週末したの子を連れて近所の図書館分館にでかけたときに,新刊コーナーで見つけたのでかりてきた. 新潮社の考える人のWEB版でよめる「にがにが日記」という連載というか日記が面白かったのをきっかけに,岸さんの本をこうして見つけてはかりている. 標題作の「図書室」がレコードのA面(レコード聴かないけど)だとすると,B面の「給水塔」は著者の自己紹介のような大阪をめぐるエッセイで,大阪という街をめぐる昔の記憶と,その追憶を支える当時の大阪という都市というか街の骨格の描写がすばらしくて,これはなかなか読めないいいものだった.
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「図書室」と「給水塔」の2編で構成されている。前者は公民館の図書室で過ごした小学生の想い出を描いた作品。後者は大阪の町に憧れて関西大学に入学し、現在は大学の非常勤講師をしている作者の自伝エッセイ集。
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三島賞候補となった表題作と自身の大学以降の題材にした自伝的エッセイの2作品。 私の好みの作品ではなかった。
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淀川を眺めるたびに、悲しくてさみしいけど、暖かくて、あらゆるものすべてを受け入れて佇んでいるような気持ちになることを思い出した。
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