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百の夜は跳ねて の商品レビュー

3.3

63件のお客様レビュー

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2020/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私たちは多くの生に囲まれて生きているが、その生を深く意識することはない。周りの皆は「当たり前のように」生きている。それを「生きているもの」として真面目に意識するとどこか不安な(不快な)気持ちになる。ビルを模した箱にビルで生きる人の写真を貼り付けて眺めることもまさに生を真面目に見るような行為で、老婆はある意味一種の自傷行為をしているように感じられた。鏡が怖いのも、鏡をまじまじと見ると似たような感情になるんだろうなーと一人で勝手に考えてしまった。 このようなファンタジーっぽい展開の物語は苦手だったが、ビルの清掃という死と隣り合わせの環境、北にある島の話、箱に貼られた写真がどれも「生きること」とは何かを伝えようとしている感じがして一気に読み進めてしまった。 「平成くん〜」もそうだったが、現代文化が随所に含まれている。10年後、20年後また読み返すと懐かしい気分に浸れるだろう。「平成くん〜」と本書ですっかり古市さんのファンになってしまった。

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2020/10/10

長いこと待って来た本ですが、チョットしんどかったなぁ。 何度も挫折し掛けたけど、並んだ人数を想って、頑張りました

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2020/08/10

最後まで一気に読んだ。が、特に感動もなく、強いメッセージとかも感じられず、なんてことはない話なので、忘れてしまいそう。著者が有名でなかったら出版されてただろうか。でも冒頭美咲さんのゴンドラのシーンはインパクトあった。ここがこの小説の最大の山場!

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2020/06/30

うーん… 老婆が生きてきた世の中を俯瞰するごとく箱で街を作ったっていう世界観は面白かったが、それ迄って感じ。まあ作家が描く作品の方が好きかな。この人が好きじゃないっていうのもあるのかな。

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2020/05/31

社会学者の古市さんらしいと言えばそれらしく、社会格差だったりがみえますが、登場人物の醸し出す不思議な雰囲気で現実感のない(いい意味で)不思議な感じのお話でした。 読後感も悪くなく、前作より、作者を意識することなく小説として読みました。

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2020/04/25

作者がどんなものを書いているのか、単なる好奇心で読んだ。理窟だらけだったり、 文体が合わなかったら 無理せずやめようと思ったが 完読した。 本を読むとき、白紙で読むーそれでも100%白紙は難しいけど。 前評判とか、レビューとか知らずにー タワービルの清掃をしている主人公とひょ...

作者がどんなものを書いているのか、単なる好奇心で読んだ。理窟だらけだったり、 文体が合わなかったら 無理せずやめようと思ったが 完読した。 本を読むとき、白紙で読むーそれでも100%白紙は難しいけど。 前評判とか、レビューとか知らずにー タワービルの清掃をしている主人公とひょんなことからのその住人との出会い 設定は面白い、 面白かった、文体にも抵抗無く 裏の参考文献を読むとさすが勉強されてる。 確かに現代を映し出している 格差、劣等感 幅広く言えば生きるということ 題名の意味も理解できたし、 「独断と偏見だけど」 終わりに希望はあった。 何度か、芥川賞「?」直木賞「?」候補だよね。 取れたらいいね。精進を祈ります。 着眼点は面白い。 これを機会に他の作品「古市憲寿氏の」もよんでみたい。

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2020/04/24

 木村友祐さんの『天空の絵描きたち』のパクリと言われていたけど全然違う。同じくビルの窓清掃員が主人公だけど、大きな要素ではあるもののどちらかというと物語の背景として扱われていて、本筋は老婆との交流だ。とても奇妙な話で面白かった。おばあさんが、痴呆症なのかコミュニケーションが成立し...

 木村友祐さんの『天空の絵描きたち』のパクリと言われていたけど全然違う。同じくビルの窓清掃員が主人公だけど、大きな要素ではあるもののどちらかというと物語の背景として扱われていて、本筋は老婆との交流だ。とても奇妙な話で面白かった。おばあさんが、痴呆症なのかコミュニケーションが成立しているのか定かでない感じが生々しい。  ただ、一人称の話なのにお婆さんのことをずっと「老婆」と記述していたことが引っ掛かる。一人称にしては突き放しすぎな感じがする。

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2020/03/15

これが芥川賞候補作かぁ。 帯にあるように、確かに「青春小説」な感じがする。 何者にもなれない自分から旅立ち。 ただ、「これ、結局、何のために・・・?」が残る。 途中で、「ふーん、そういうことか」と分かるけど、 「で、何のために?」がどうしても残る。

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2020/02/18

これは美しい物語だ。 暗がりの中で光る『街』とそれぞれの『窓』が、くっきりと映像として心に残った。 都会でも田舎でも、自分と関わりが無くても、ひとつひとつの灯りの中に人の暮らしや人生が詰まっている。 バックで流れるクラシックピアノが跳ねる音も良い。タイトルはここからかな。 私と...

これは美しい物語だ。 暗がりの中で光る『街』とそれぞれの『窓』が、くっきりと映像として心に残った。 都会でも田舎でも、自分と関わりが無くても、ひとつひとつの灯りの中に人の暮らしや人生が詰まっている。 バックで流れるクラシックピアノが跳ねる音も良い。タイトルはここからかな。 私としては、主人公が作ろうとしていた動画モニターを映画館に仕立てたものも見てみたかった。 この知的な老婆を見ていると母のことが思い浮かんだ。今の時代、テレビに出てくるような幸せな老人はそうはいない。人との関係性をおおらかに捉えられる人でないと生きていくのが難しいと思う。 作中にあるように、美しいものを醜く、醜いものをさらに醜く映す悪魔の鏡が自分の心に刺さっていないか、自分に問いかけたい。 中村くんはこれだな。 どこかにある命のホテル•島、と表現されていたスヴァールバル諸島のことも調べてみた。 まだまだ自分の知らないことがあるんだなぁー!ビザ無しで行けるとは。死んではいけない、生者だけの国、というのはちょっと語弊あるけど。 地球は丸い。それは私達が余り遠くを見られないようにするため。 →それなら、自分で遠くまで出かけるしかないのね。 といった美咲さんの言葉が突き抜けてて爽快だった。 この作家のテレビ番組でのナナメな発言が好きでいつか小説を読みたいと思っていた。社会学者、というのも面白い。 読後、ロマンティストな人だと思った。食べ物、お酒の記述もあり、五感にうったえてくる作品。手元に置いて読み返したくなる。

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2020/02/15

『平成くんさようなら』に続く古市さんの第二弾。高層ビル窓ガラス清掃員の翔太は、ある日清掃していたマンションの住民の老婆から、盗撮の依頼を受ける。??抽象画を見ているような...わかる人には面白いのか?というような芥川賞候補っぽい物語。私は『平成くん』の方が好きだな。テーマがハッキ...

『平成くんさようなら』に続く古市さんの第二弾。高層ビル窓ガラス清掃員の翔太は、ある日清掃していたマンションの住民の老婆から、盗撮の依頼を受ける。??抽象画を見ているような...わかる人には面白いのか?というような芥川賞候補っぽい物語。私は『平成くん』の方が好きだな。テーマがハッキリしているから。共通しているのは「これが今のTOKYOっしょ」てのが全開なところ。やたらブランド名固有名詞の連発されるところ。ラストはなんだか感傷的になって悪くないところ。そんなに面白いとは思わないのだが、嫌いではないところ。

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