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居るのはつらいよ の商品レビュー

4.4

174件のお客様レビュー

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2024/05/20

自分が介護施設で働いていた時のことを思い出して、あのときこんなケアが働いていたのかと気付かされた。そしてそのときの職員さんの気遣いも。 デイケアなど、ケアが求められる、行われている場所で働く全ての人読んで欲しい。 結論としては、資本主義が「いる」ことを脅かしているという関係ないよ...

自分が介護施設で働いていた時のことを思い出して、あのときこんなケアが働いていたのかと気付かされた。そしてそのときの職員さんの気遣いも。 デイケアなど、ケアが求められる、行われている場所で働く全ての人読んで欲しい。 結論としては、資本主義が「いる」ことを脅かしているという関係ないようで想像しやすい内容だったけど、そこに辿り着くまでにその結論に納得できるような書かれ方をしていて、福祉はお金にならないとか、福祉は結局きれいごととか思ってる人に伝えたい内容だった。

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2024/05/09

「四年前にくぐった門を、出ていく。多くを失って。」P334 なんだか、この本の本質なのかどうだかわからないけど、僕は毎日何かを失いながら生きているんだろうな、って感じた。 可能性?選択肢?明るい明日?望みの境遇? それってホントにあったのだろうか。 ないものは失えないのに。 「...

「四年前にくぐった門を、出ていく。多くを失って。」P334 なんだか、この本の本質なのかどうだかわからないけど、僕は毎日何かを失いながら生きているんだろうな、って感じた。 可能性?選択肢?明るい明日?望みの境遇? それってホントにあったのだろうか。 ないものは失えないのに。 「襲失はつらく、苦しい。大切なものが奪われ、二度と帰ってはこない。その事実に打ちのめされる。 だけど、そういう悲しみや痛みをしっかりと心に置いておくと、失った当のものが心の中で再生していく。混乱した気持ちの果てで、喪失したその人が心の中でしかと存在していることを感じる。良き記憶が生き残る。感謝の念が生まれる。 たしかに、最終回に僕らは奪われる。今まで当たり前にいた人が、いなくなる。現実が「不在」を突きつける。だから、最終回は寂しくて、つらい。 だけど、最終回は同時に与えもする。失われたものをしっかりと悲しみ、つらい思いをかみしめたその果てに、不在となったその人が心の中に再建される。そして、その人がいない現実での新しい自分が再建される。きちんと取り組まれた最終回が、僕らの心に新しい何かをもたらす。」P261 相手が人であろうとなかろうと、執着していたなにものかとのお別れを、しっかり消化していこうと思った。

Posted byブクログ

2024/05/04

医療における構造的な問題点に直面した時どのように記述するのかはとても難しいですが、特定の施設において筆者さんが直面した問題について、エピソードを通してにおわせてくれているものと考えます。職業柄多少なり事情が分かる部分や、施設における難しい側面(特に経営的なものや、経営と本来的な目...

医療における構造的な問題点に直面した時どのように記述するのかはとても難しいですが、特定の施設において筆者さんが直面した問題について、エピソードを通してにおわせてくれているものと考えます。職業柄多少なり事情が分かる部分や、施設における難しい側面(特に経営的なものや、経営と本来的な目的に齟齬が生じたとき)について感じるものがある。 とても興味深く最後まで読めました。

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2024/04/22

これはトンチャンのナラティブであると私は感じたし、いるのは辛いことと同時に、いることは本当に価値深いものであると再認識した。

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2024/04/09

切なかった。「ただ、いる」ことの難しさ、尊さ、ありがたさ、、カウンセラーとか一瞬憧れたけど、私には向いてなかったな。

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2024/03/04

精神科デイケアで生じる出来事を通じて、筆者がケアとセラピーについて熟考していく。ケアは経済効率に換算されにくいために、より低い賃金設定となり、デイケアにおいては報酬額の減額という方針が打ち出された。その理論の下ではリワークプログラムは経済効率が良いとみなされる。つまりセラピーだ。...

精神科デイケアで生じる出来事を通じて、筆者がケアとセラピーについて熟考していく。ケアは経済効率に換算されにくいために、より低い賃金設定となり、デイケアにおいては報酬額の減額という方針が打ち出された。その理論の下ではリワークプログラムは経済効率が良いとみなされる。つまりセラピーだ。セラピーは時として傷をえぐる。傷に直面化してそれを乗り越えるために対峙する。セラピーができる体力がない人にはケアが必要。両方がバランスよく使われなくてはならない。そして全ての人が経済効率の波に乗れるわけではないのだ。居ることが大切な人生だってあるのだ。そして、私たちは誰でも年をとるごとに居ることに近づいて行くのだ。そういうことに気付かされる本だった。難しい内容なので、また読んだら違う感想になるかもしれないが、当分は読みたくないな。

Posted byブクログ

2024/02/18

自分自身が田舎に中期間引っ越すため、背中を押してもらえたら...と思い前々から立ち読みしていた本書を購入・読了。 ケアとセラピーのバランスがいかに重要か学べた。 その人の居場所として機能しつつも、自立を促す。 心理士を目指すものとして今後参考にしたい

Posted byブクログ

2024/02/12

心理学入門。 ケアとセラピー。 「ただそこに居る」だけのことが求められていて、目に見える価値ではないけれど「居る」を通して支えているのだという新しい気付き。

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2024/01/24

対、人との関係の難しさをあまり重くなくそれでいてもしっかりと書かれていて良かった。 色んな人が居て良い、世の中的に今とても叫ばれているが、本当にそういう人と関わる、もしくは積極的に関わろうとする人ってどのぐらい居るんだろう。自分もふわっと自然に関わっていける人になりたいと思ってし...

対、人との関係の難しさをあまり重くなくそれでいてもしっかりと書かれていて良かった。 色んな人が居て良い、世の中的に今とても叫ばれているが、本当にそういう人と関わる、もしくは積極的に関わろうとする人ってどのぐらい居るんだろう。自分もふわっと自然に関わっていける人になりたいと思ってしまった。

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2024/01/16

エッセイではなく学術書…らしい。『野の医者は笑う』を先に読んだが、時間的にはこちらが先の話。 「ただ、いる、だけ」の価値を問い直すというもの。 その価値を擁護するのはわかるのだけど、税金を投入している以上、効率性とか採算性の視点は外せない。 臨床心理士はワーキングプアが多いと...

エッセイではなく学術書…らしい。『野の医者は笑う』を先に読んだが、時間的にはこちらが先の話。 「ただ、いる、だけ」の価値を問い直すというもの。 その価値を擁護するのはわかるのだけど、税金を投入している以上、効率性とか採算性の視点は外せない。 臨床心理士はワーキングプアが多いと思うが、著者はうまく立ち回っているなと思う。数年間のデイケアとしてのキャリアを本に書いて、収入にしてしまうのだから。 表現力も巧みだし、もやもやしたものを器用に出してくるなあという印象。そういう優等生的なところが、臨床家として仇にならないことを祈る。 自分は心理職から会計の仕事に移ったけど、本書の説明を読んで、その理由がわかったような気がした。

Posted byブクログ