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居るのはつらいよ の商品レビュー

4.4

181件のお客様レビュー

  1. 5つ

    80

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

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2023/10/30

■評価 ★★★✬☆ ■概要・感想■ ○ケアとセラピーを沖縄の実地で体験した医師の覚書。文章が非常に読みやすく、引き込まれる。それでいてケアとセラピーについても知ることができる本である。 ○個人情報保護のため、架空の登場人物のはずなのに、確かにそこに居る。それだけ引き込まれる。...

■評価 ★★★✬☆ ■概要・感想■ ○ケアとセラピーを沖縄の実地で体験した医師の覚書。文章が非常に読みやすく、引き込まれる。それでいてケアとセラピーについても知ることができる本である。 ○個人情報保護のため、架空の登場人物のはずなのに、確かにそこに居る。それだけ引き込まれる。 ○何もしないで「ただ、いる、だけ」を、穀潰しと思ってしまう著者は、生産性が高い人間なんだろう。「いる」ことは当たり前で、その上で「する」ことを考える。そうでない人々(ただ居ることがチャレンジングな人)に、価値観を押し付けるのではなく、ケアとして、接するに線を引いている。客観的だなと思う。

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2023/10/24

臨床心理士となった筆者が「高度なセラピーを行うぞ!」と意気込んで行った職場では,実はケアのほうが主要かつ重要な業務だった….これはいったいどういうことなのか? そして,そんなに重要なケア労働が,なぜ低賃金労働とされているのか?等等を,現場の視点から面白おかしく(かつリアルに)語っ...

臨床心理士となった筆者が「高度なセラピーを行うぞ!」と意気込んで行った職場では,実はケアのほうが主要かつ重要な業務だった….これはいったいどういうことなのか? そして,そんなに重要なケア労働が,なぜ低賃金労働とされているのか?等等を,現場の視点から面白おかしく(かつリアルに)語った本です.読みやすく面白くためになる.なるほどと目からウロコです!

Posted byブクログ

2023/10/24

とても面白く読み終えた。 若き心理士である著者が、沖縄の精神科デイケアに訪れる人達との関わりを書いた体験記でもあり、デイケアの課題やケアとセラピーのあり方について書かれた「学術書」でもある。 1つひとつエピソードが読ませる内容で時に笑えてしまうようなものもあり、そうやって読み進め...

とても面白く読み終えた。 若き心理士である著者が、沖縄の精神科デイケアに訪れる人達との関わりを書いた体験記でもあり、デイケアの課題やケアとセラピーのあり方について書かれた「学術書」でもある。 1つひとつエピソードが読ませる内容で時に笑えてしまうようなものもあり、そうやって読み進めていくと、後半~終盤の展開に呑み込まれた。 「物語」という体裁をとった著者が巧みで、この文体でしか伝わらない空気感と切実さがある。

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2023/12/17

これは本当にためになった。 依存労働とかケアとセラピーの違いとか。 ケアをする人にも、ケアをする人こそケアしてくれる人が必要だとか。 専門的な内容も挿まれつつも、物語になっているのでとても読みやすいです。 どうしてこんなに、一人で頭の中でぐるぐる自分を責めているのかとか、はたから...

これは本当にためになった。 依存労働とかケアとセラピーの違いとか。 ケアをする人にも、ケアをする人こそケアしてくれる人が必要だとか。 専門的な内容も挿まれつつも、物語になっているのでとても読みやすいです。 どうしてこんなに、一人で頭の中でぐるぐる自分を責めているのかとか、はたから見ると「なんでだろう」と思うことも、「自我境界」という言葉で表してくれたり。 2つの幕間口上や、本終盤の「ケアを困難にさせる真犯人」についてもいろいろ納得させられる。 身近な人がメンタル落ち込んでいて、それを突然側でケアしなくてはならなくなった人、ずっとケアをして疲れている人にも読んでほしい本です。

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2023/08/29

東畑開人さんの文章を新聞で読んでいて、面白い文章を書く方だなと思っていた。そんなところでこの本を知って、読んでみた。やっぱり面白い。ほぼ一気読み。 私が日々感じていたけど答えが出なかったことが、言語化されていた。 また、心の動きについても書いてあり、納得した。 この本を読んだこと...

東畑開人さんの文章を新聞で読んでいて、面白い文章を書く方だなと思っていた。そんなところでこの本を知って、読んでみた。やっぱり面白い。ほぼ一気読み。 私が日々感じていたけど答えが出なかったことが、言語化されていた。 また、心の動きについても書いてあり、納得した。 この本を読んだことで、大丈夫だよって言われてる気がした。 東畑さんの他の著作も読んでいく。

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2023/07/18

序盤は沖縄ほのぼのエピソード。後半から打って変わって社会派ノンフィクションとホラー。 直前に読んだ本が「ザ・フォーミュラ 科学が解き明かした成功の普遍的法則」。当たり前だけど落差がすごい。

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2023/07/10

居るのはつらいよ 物語風で読みやすくわかりやすかった。 デイケアを舞台に描かれているが、誰しも当てはまる内容。 最後の方は、少し読み進めるのが怖かったが一気に現実に引き戻される感じがなおよかった

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2023/07/05

友人がすごくお勧めしており、手に取りました。 題名から、特定の方々のお話だけなのかと思い、 知識や認識を広める良い機会だなとそんな感覚で最初読み始めました。 実際は全員に該当するような広く、また著者が体験したデイケアの様子などは認識を新たにすることができました。 物語の小説は...

友人がすごくお勧めしており、手に取りました。 題名から、特定の方々のお話だけなのかと思い、 知識や認識を広める良い機会だなとそんな感覚で最初読み始めました。 実際は全員に該当するような広く、また著者が体験したデイケアの様子などは認識を新たにすることができました。 物語の小説はわりと早く読める自負がありますが、こちらの本は一文一文しっかり味わって飲み込まないと先に進められず、読み終わるのに時間がかかりました。 この後少し自分でも考察したいと思います。 皆さんもぜひ読んでほしい本です。 広くみんなに関係する本だと思います。

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2023/06/11

カウンセリングに興味があり、ある日新聞のコラムをきっかけに著者を知り手を取った本。 タイトルは男はつらいよの寅さんのパロディかなと、ポップでライトな心理学の本の感じで読み始めましたが、なんかちゃうぞ、と途中から襟を正しました。 登場人物は実在する人ではないと言えども、人物の描写...

カウンセリングに興味があり、ある日新聞のコラムをきっかけに著者を知り手を取った本。 タイトルは男はつらいよの寅さんのパロディかなと、ポップでライトな心理学の本の感じで読み始めましたが、なんかちゃうぞ、と途中から襟を正しました。 登場人物は実在する人ではないと言えども、人物の描写がとてもリアルに見え、わたしがかつてクリニックがあると思しきエリアに住んでいたこともあり、まるで自分がそばにいたかのような錯覚。とても読みやすいエッセイのような文体。 いや違う、この本の最もすごいのは、東畑さん自身がよくこれを書いたな、というところ。(タイトルには覚書とあるからそらそうなんですけど。) これは本当にすごい。 この前に読んだ、何でも見つかる夜にこころだけが見つからない、はこの人研究者やけど(個人的な思い込み)文章柔らかくてうまいなーと思っていた。しかし、今回の本を読んでますます、この人のファインダーを通した人や状況がどんなものかを知りたくなっている。

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2023/04/29

確か、人に薦めてもらったのだと思う。 医学書院を読む日が来るとは…と感慨深く読んだ。 専門知識がなくても問題なく読める。 そもそもケアとセラピーの違いなど考えたこともなかったので、いろいろ考えさせられた。 私にとってのデイケアとは、祖父や父が渋々通わされていた、しかし同居家族に...

確か、人に薦めてもらったのだと思う。 医学書院を読む日が来るとは…と感慨深く読んだ。 専門知識がなくても問題なく読める。 そもそもケアとセラピーの違いなど考えたこともなかったので、いろいろ考えさせられた。 私にとってのデイケアとは、祖父や父が渋々通わされていた、しかし同居家族にとっては行ってもらわないと、こっちがもたないから困る、という印象のものだ。 職員さんは感じが良かったので、悪い印象はないのだが。 今回は感心した箇所も多いのだが、しぼって幾つか挙げる。 「〜セラピーというのは本当のところ、時間がうまく流れるように手伝う仕事ですね。治療者が直接心に働きかけて、心を変化させるというのではなく、滞った時間を流れさせるのをアシストして、時間が心を変化させるのを待つ仕事と言ってもいい。」 「デイケアは退屈なのだ。本質的に、宿命的に退屈だ。逆にいえば、退屈はデイケアがデイケアであるために不可欠なことだと思う。〜学校だって職場だって同じだ。ちゃんと退屈な時間があるから、僕らは安心してそこにいられる。」 「ケアは傷つけない。ニーズを満たし、支え、依存を引き受ける。そうすることで、安全を確保し、生存を可能にすり。平衡を取り戻し、日常を支える。」 「セラピーは傷つきに向き合う。ニーズの変更のために、介入し、自立を目指す。すると、人は非日常乃なかで葛藤し、そして成長する。」 「セラピーにはつらいところがあります。〜しんどいんです。だから、安易にセラピーをやってはいけない。〜まずはケア。それからセラピーです。〜」

Posted byブクログ