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あとは切手を、一枚貼るだけ の商品レビュー

3.5

52件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    14

  3. 3つ

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  4. 2つ

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2024/02/23

久しぶりに一気読みをしました。旅をするような文章の中に圧倒的質量の知識が詰め込まれています。十三通目、十四通目は本と目の距離がどんどん近くなりました。参考文献の多さにも驚きました。おもしろかった...。

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2022/11/26

小川洋子の書く「わたし」に手紙を通して応答する「僕」。小川洋子がちりばめた繊細な言葉たちがとても印象的だった。そして堀江敏幸にしか応えられなかっただろうなと思わせる部分がいくつもあって、この人は本当に小川洋子の世界が好き(ファン)なんだなと感じた。 どちらの筆致かはもちろんはっき...

小川洋子の書く「わたし」に手紙を通して応答する「僕」。小川洋子がちりばめた繊細な言葉たちがとても印象的だった。そして堀江敏幸にしか応えられなかっただろうなと思わせる部分がいくつもあって、この人は本当に小川洋子の世界が好き(ファン)なんだなと感じた。 どちらの筆致かはもちろんはっきりと分かるが、物語が2人の作者の手を徐々に離れてき、手紙の書き手である「わたし」と「僕」とのものになったような感覚があった。 折に触れて読み返していきたいと思う小説。

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2022/11/19

2022.11再読。 寝る前に一通ずつ読んでいった。 タイプライターの音を聞きながら編み物をする場面の描写が好き。 2人が今どのような場所にいて、どのような状態なのか、最初に読んだ時と少し印象が変わったかもしれない。

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2022/08/30

小川洋子さんが奇数回を、堀江敏幸さんが偶数回を執筆、かつて夫婦だった二人の往復書簡。 目もくらむような美しい文体と次第に明かされる二人の過去や現在。 非常に洗練された美しい日本語のやり取りに初めはうっとりし、痺れるんだけど、次第に食傷気味になってきて、うんざりしかけた所でま...

小川洋子さんが奇数回を、堀江敏幸さんが偶数回を執筆、かつて夫婦だった二人の往復書簡。 目もくらむような美しい文体と次第に明かされる二人の過去や現在。 非常に洗練された美しい日本語のやり取りに初めはうっとりし、痺れるんだけど、次第に食傷気味になってきて、うんざりしかけた所でまたぐっと心を掴まれる、というような具合。 読み手にも一定以上の知性が求められ、そういう意味ではある種のスノッブな人たちの自尊心をくすぐるような作品だと思う。 聞いたことの無い、人や現象の名前もあったし拾いきれていないオマージュや比喩もきっといくつもあるんだと思う。 引用せず仄めかしているだけのものも多く、巻末の引用、参考文献だけにはとてもとどまらない。 多分、ある程度の設定の打ち合わせはあったとしても、本当に手紙のようにやり取りして作られて行ったのではないかと思える。 時々話が噛み合わなかったり、辻褄が合わないところがある。 それもまた楽しめれば良いのかと思う。 個人的な率直な感想としては、先手の小川さんが完全に上手で繰り出される数々の設定や知性に堀江さんがあたふたしながら負けじと応じているような印象でした。内容に関してあらかじめ打ち合わせがないと想像してですが。

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2022/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

難解、、、。2人の作家による『私』と『ぼく』の交換日記。終盤まで想像力を膨らませながら読み進めることができるか。

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2022/06/08

小川洋子さんの作品は、いくつも読んだことがあるのですが、堀江敏幸さんの作品は一つも読んだことがありませんでした。今回、初めて読んでみて、とても難しくて挫折しそうになりましたが、半分は小川洋子さんが書いているので、何とか最後まで読むことが出来ました。 元恋人同士か元夫婦って感じが手...

小川洋子さんの作品は、いくつも読んだことがあるのですが、堀江敏幸さんの作品は一つも読んだことがありませんでした。今回、初めて読んでみて、とても難しくて挫折しそうになりましたが、半分は小川洋子さんが書いているので、何とか最後まで読むことが出来ました。 元恋人同士か元夫婦って感じが手紙の内容から感じられました。とても静かで知的なカップルだったのではないかしら?でも何だか良く分からないのは、姪っ子は亡くなってしまったのではないかと思うのに、手紙を読んでくれるって、どういうことなの?ひょっとして、「私」は死者と対話ができる能力があるのかしら?謎のままです。でも、それで良いのだと思います。

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2022/05/21

小川洋子さん、堀江敏幸さん、お二人による往復書簡。今は一緒にいない夫婦の過去の生活や馴れ初め、亡くした子供のことなどに触れながら、今のお互いの暮らしぶりを綴る14通の手紙。難解な文章だけど美しい文に魅了されて読み進めていく。お互いを思いやりながらも心の奥底のわだかまりにお互いが承...

小川洋子さん、堀江敏幸さん、お二人による往復書簡。今は一緒にいない夫婦の過去の生活や馴れ初め、亡くした子供のことなどに触れながら、今のお互いの暮らしぶりを綴る14通の手紙。難解な文章だけど美しい文に魅了されて読み進めていく。お互いを思いやりながらも心の奥底のわだかまりにお互いが承服出来ずにいる。これはどんなパートナーでも有ることでどこで折り合い、人生を歩んでいくか、なのだと思います。 各手紙に引用されている参考文献も興味深く素晴らしいです。 何回も読み返して美しい文章に触れ、共に生きる人を一生をかけて想っていきたいと思う本です。 チェックページ P3 P6 P7 P10 P58 P114 P124 P192

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2022/02/13

人はどうしようもなく孤独で、愛というのはお互いの孤独のより深い階層まで(どうしても超えられない溝を含め)知覚し合う事なのではないかと、そんなことを思った。 孤独を埋め合うのではなく、孤独を認め合い、ただ穏やかにその孤独を見つめ合うような。

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2022/01/05

二年ちかく積んで、読み直して、ようやく読み終えた。 ただただ美しく、螺旋をえがくようにたゆたう文章。核心に近づくにつれ、きりきりと痛むようだった。

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2021/08/21

レコードの回転を見ているような小説。 どういう状況なのか、2人に何があったのか、どこにいるのか、掴めそうになると、はぐらかすように様々な比喩の話になる。 だんだん掴めて来たかなと思うとまた遠くにいってしまう…。ぐるぐる回っているようでさっきとは少しずれたところにいる…。 2人で...

レコードの回転を見ているような小説。 どういう状況なのか、2人に何があったのか、どこにいるのか、掴めそうになると、はぐらかすように様々な比喩の話になる。 だんだん掴めて来たかなと思うとまた遠くにいってしまう…。ぐるぐる回っているようでさっきとは少しずれたところにいる…。 2人で書いてるなんて信じられないような、通底した静かな美しさと危うさ。 姪っ子は海で亡くしたはずだけど、今こうして代読してくれる姪っ子もいるの?どこからが幻想でどこからが真実か曖昧で、でもなんか突き止めるもんじゃなくて、ただその物語の湖の上でボートに乗って浮かんでいるのがいいのかなと思うような小説。

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