待ち遠しい の商品レビュー
39歳の主人公とご近所という関係の60代、20代の女性。読みながら主人公は宮沢賢治の「アメニモマケズ」の文章が頭をよぎってしまった。淡々とした日常の中で、主人公が丁寧に人生を生きている姿がとても素敵だなと思った! 主人公以外の人の気持ちの見えない部分が書かれてて色々考えさせられる...
39歳の主人公とご近所という関係の60代、20代の女性。読みながら主人公は宮沢賢治の「アメニモマケズ」の文章が頭をよぎってしまった。淡々とした日常の中で、主人公が丁寧に人生を生きている姿がとても素敵だなと思った! 主人公以外の人の気持ちの見えない部分が書かれてて色々考えさせられる。
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春子の年齢に近い私は、やはり春子の目線で読み進めたのだが、次第に年若い沙希や、母親に近い年齢のゆかりの感情すら、共感を覚えることに自分でも驚きを感じた。沙希などは、その図々しさにイライラしてしまうのだが、それでも自分が沙希だったら同じようにしていたかもしれないと思ったり、それほど...
春子の年齢に近い私は、やはり春子の目線で読み進めたのだが、次第に年若い沙希や、母親に近い年齢のゆかりの感情すら、共感を覚えることに自分でも驚きを感じた。沙希などは、その図々しさにイライラしてしまうのだが、それでも自分が沙希だったら同じようにしていたかもしれないと思ったり、それほどに、登場人物、特に主要な3人の心情の描写が素晴らしいのだと思う。 作品の中のどの人物も、決して特殊な存在ではなく、自分の周りの人間にあてはまったり、自分がその立場であったら、同じような言動をしそうだなと思ったり、読書というのがまさに、他の人の人生の追体験なのだと、改めて実感した。 物語の中で、大きな出来事は起きないし、語られることなく終わっていく部分も多々あるけれど、それこそがありふれた日常をリアルに切り取っていると言えると思う。 そこには、自分が辿ったかもしれない人生が無限にあるように感じた。SNSなどでは知り得ることのできない、他人の本当の日常を覗き見ているようで、周りの誰もが、様々な葛藤と、諦めと、希望を持って生きているのだなと、優しい気持ちにもなった。
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結局最後まで何が「待ち遠しい」のかわからず。 ゆかりさんの家族とか、少し曖昧に終わった感があり。 多様性が叫ばれる現代だから出てきた作品だと思う。 近所付き合いは「家族」「仕事」「友人」「恋人」どれにも当てはまらないからこそ、距離感が非常に曖昧。沙希の事件の時も、春子はどこまで踏み込んでいいのか迷っていたように。 他にも実両親、職場、子供のいる友人と接しているときに誰もが心の底に無意識に浮いてくる感情をよく表現しているなと思った。 「娘さん」ではなく実名で呼ぶと何が違うかも、この本で気付いた。
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年齢や性格がバラバラなご近所に住む女性3人の日常。一見、穏やかに和やかにご近所付き合いしていると思っていても考え方や性格の違い、抱えている悩みはさまざま。どこまで踏み込んで良いのか悪いのか。家族でもない、姉妹でもない人たちが相手に対し、親身になって相談に乗ったりする時、どれだけか...
年齢や性格がバラバラなご近所に住む女性3人の日常。一見、穏やかに和やかにご近所付き合いしていると思っていても考え方や性格の違い、抱えている悩みはさまざま。どこまで踏み込んで良いのか悪いのか。家族でもない、姉妹でもない人たちが相手に対し、親身になって相談に乗ったりする時、どれだけかかわって良いのだろうか、、、。相手に対しての距離感が大事なのかなぁ、と。そんな事を考えてしまった一冊。
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世代や価値観の違う3人の女性のご近所づきあいを通して浮かび上がってくるのは、多様性、寛容な社会が声高に叫ばれる一方(特に選挙時)、生産性とかいう言葉がもぐらたたきのように顔を出す世間。いろいろ身につまされる。ほんわかご近所物語みたいな最初の雰囲気は見事に裏切られた。まあ著者がそん...
世代や価値観の違う3人の女性のご近所づきあいを通して浮かび上がってくるのは、多様性、寛容な社会が声高に叫ばれる一方(特に選挙時)、生産性とかいう言葉がもぐらたたきのように顔を出す世間。いろいろ身につまされる。ほんわかご近所物語みたいな最初の雰囲気は見事に裏切られた。まあ著者がそんな物語を書く訳ないか。
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ある一人の人生の途中を切り取った様な物語。 読むのに苦戦して、何が伝えたかったのかよく分からなかった。 読んでる途中にも?と思う事が多々あった。 起承転結の結びがないような話。 『これから先が待ち遠しくなるようなこと』とは一体何なのか…
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ご近所付き合いとはほぼ無縁なので、ここまで濃密な関係だと上手くやって行ける自信がない。 人との距離のとり方、自分の気持ちをどこまで伝えるか 、、とても難しい。
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+++ 住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。 母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。 裏手の家に暮らす現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。 年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか嚙み合わない“ご近所付き合...
+++ 住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。 母屋に越してきた、夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。 裏手の家に暮らす現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。 年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか嚙み合わない“ご近所付き合い"、その行方は――。 女も男も、人からは見えない、そしてジャッジすることのできない問題を抱えている。年齢や、生きる環境、価値観など、さまざまな違いを乗り越えて、人と人はほんとうに分かり合えるのか? 現代を生きる大人たちに贈る必読の一冊。芥川賞作家が描く新たな代表作! +++ 日常生活を目に映るままに描き出すいつもの著者らしい書き方ではあるものの、登場人物各人がそれぞれに抱え、わざわざ言葉にして誰かに訴えかけるほどでもなく胸にもやもやと抱え続けている事々を、主人公の春子がそれぞれの立場に立って考えてみることで、浮き彫りにしていき、ひいては自らのもやもやにも形を与えることになっている。旧来の常識に当てはまらない生き方をしている人たちも、その常識を息をするように当たり前に思っている人たちも、それぞれが相手を思いやっているのだが、自分の価値観によるものなので、そこにうっすらとした違和感が生まれてしまうというのが、切なくもあるが、そのことを汲んでお互いを認め合えればいちばんいいのだろうな、ということが少しだけわかったような気がする。なんということのない日常のなかにもさまざまな感情の動きがあるのだと改めて思わせてくれる一冊だった。
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ヒトとヒトの関係って難しい。 距離とか温度とか深さとか、いちいち考えていると疲れてしまってもうどうでもいいや、なんて思ってしまう。 それぞれに歩いてきた人生の長さ、育った環境、仕事や趣味や現在の状況によっても、付き合い方は変わるし、極端な話、今日の気分によっても変わってくる。 一人が好きな人も、一人が嫌いな人もいる。濃密な関係を求める人も淡泊な関係が心地いい人もいる。 その関係も職場なのか、学校なのか、近所付き合いなのか、によっても変わってくる。 たまたまご近所として付き合いが始まったアラフォーと、アラ還と、二十代半ばの女性三人。普通で考えたら共通項のない三人の、つかず離れずの付き合いの、心地よさと難しさ。 小さないさかいや行き違いはあるものの、全体的にのどかでゆったりとした時間が流れているように見えて、実はこの三人の周りには様々な問題が横たわっている。 その一つ一つを際立たせるわけじゃなく、そっと目の端に置くことで、物語に奥行きと深みとリアリティが生まれる。 25歳の時の私と、39歳の時の私と、63歳になった時の私がきっとこの中にいる。
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一人生活をそれなりに楽しんで暮らしている春子。 住んでいるアパート周りの年代や考え方、生き方の違う人達に振り回されることも多々。 それに関わりあうのもよし、また距離を置くのもよし、と夫々の生き方を考えさせられる。 自分を見失わないようにしたいものだと思う。
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