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待ち遠しい の商品レビュー

3.2

61件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    3

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2022/02/25

のんびりひとり暮らしをしていた主人公が、ひょんなことからご近所付き合いが始まって…というお話。 マイペースなひとり暮らしの日々を描いているのは嫌いではないのだけど、300ページ強を読み進めるのにはちょっと単調だったかも。

Posted byブクログ

2022/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

還暦過ぎと氷河期世代とゆとり世代、三人の女性たちがひょんなことから関わり合っていく。 この小説のフィクションで割り切れない感じ、「正しい人生」の定義や見本がない現実と鏡合わせだからかな。 立場が個人を透明にしたり、人それぞれ大事にしていることが違ったり、善悪に絶対がなかったり、誰でも過ちを犯したり…。 自分の歩みを信じたいから他人にも押しつけたくなるし、異なる価値観を否定したくなるんだよなあ、と思った。もちろん自戒とともに。 語りが大阪弁ですいすいとリズムよく読まされるけれど、ふと気がついたら思考が深いところまで潜っているような、不思議な物語だった。 立ち止まって考えたいときに、また手に取るかもしれない。

Posted byブクログ

2021/06/08

いつもみたいに、真面目なのかふざけているのかよくわからないような軽妙なやりとりでクスリと笑わせてくれる柴崎さん独特の面白さがなく、あれ?と思ったのだけれど、読み進めていくうちに登場人物たちの世界がどんどん深まっていって、気付いたら私も一緒に母屋でお茶を飲んでいるような気分になって...

いつもみたいに、真面目なのかふざけているのかよくわからないような軽妙なやりとりでクスリと笑わせてくれる柴崎さん独特の面白さがなく、あれ?と思ったのだけれど、読み進めていくうちに登場人物たちの世界がどんどん深まっていって、気付いたら私も一緒に母屋でお茶を飲んでいるような気分になっていた。 どこにでもいそうな、誰にでもどこかには共通点があるような人たちを、ここまで緻密に描ける筆力に圧倒される。まるで画家。鮮やかでにぎやかな一枚の絵を端から端までじっくり解説してもらいながら観ていた気分。堪能しました。

Posted byブクログ

2021/05/19

性別、年齢を超えた人同士の「違い」を描く物語だった。 主人公は人に対してあまり主張しないタイプの人。もどかしく感じる部分もあったが、自分と似てるので親近感を覚えた。 主人公がゆかりさん、沙希といった多くの人と付き合う中で、自分を客観視していくように見えた。物語の展開的にそんなふう...

性別、年齢を超えた人同士の「違い」を描く物語だった。 主人公は人に対してあまり主張しないタイプの人。もどかしく感じる部分もあったが、自分と似てるので親近感を覚えた。 主人公がゆかりさん、沙希といった多くの人と付き合う中で、自分を客観視していくように見えた。物語の展開的にそんなふうに感じた。初めは感情の波が少ないようだった。(物語の展開もそんな感じ)だんだん主人公が感情をあらわにするにつれ物語が動いていく。終盤になるにつれ主人公のその人らしさが浮き彫りになっていく感覚がした。 会社の同僚、沙希、ゆかりさんなど周りの人からの言葉が主人公との違いを浮かび上がらせ、展開していった。 また、家族とのつながりを意識させる場面もあった。子供のためと思って対面を保っていたのに、かえって逆効果だったり軽蔑されてしまったり。親の理想を押し付けるあまり子供が窮屈に感じている描写がよくあった。 子と親の距離感はどういう形が心地いいんだろう。自分も将来子どもを育てたいと思ってるのもあって、深く考えさせられる内容だった。

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2021/05/04

まとめた世間の声をくっきりとした発言に変えて話す、オブラートという概念のない人たちが多いという感じ。 そのために読んでてもやもやイライラすることも多かったが確かに言葉選びが上手。まんまとイライラさせられた。春子が紅茶の店で頭の中で反論してるところとかその上手さがスッキリと出ている...

まとめた世間の声をくっきりとした発言に変えて話す、オブラートという概念のない人たちが多いという感じ。 そのために読んでてもやもやイライラすることも多かったが確かに言葉選びが上手。まんまとイライラさせられた。春子が紅茶の店で頭の中で反論してるところとかその上手さがスッキリと出ている気がしてよかった。自分がうまく言葉にできないことをわかりやすく的確に言葉にする人が好きだと思う。

Posted byブクログ

2021/02/21

いつも比較的冷静に、でも何かが違う、自分とは違う価値観を押し付けられた、というときに感情が動く。 『机の上の書類を上司に投げつける映像が、春子の脳裏に鮮やかすぎるほどに浮かんだ。それから、いや、違う、と思った。書類も椅子も机もひっくり返して、わあああーっと思いっきり叫びたい。うん...

いつも比較的冷静に、でも何かが違う、自分とは違う価値観を押し付けられた、というときに感情が動く。 『机の上の書類を上司に投げつける映像が、春子の脳裏に鮮やかすぎるほどに浮かんだ。それから、いや、違う、と思った。書類も椅子も机もひっくり返して、わあああーっと思いっきり叫びたい。うん、それや。』ここはドラマなようにシーンが浮かんだ。 大きなことは特に何もないけど人生の中にある出来事がでも確実にひとりひとりの人生に波風を立てている。何もなし得てないかもしれないけど、きっとそんなことなくて、もっと自信を持ってもいいと考えるようになれた主人公が良かった。

Posted byブクログ

2021/01/11

"「その子がね、なにがいちばん腹立つって、自分のために彼女は犠牲になった、って書いてたことや、って。わたしはなにひとつ減ってない、どこもおまえのためになんか使てないわ!って叫んでました」"(p.291)

Posted byブクログ

2021/01/04

全くバラバラの年代の女性3人のご近所さんのお話。 誰もが自分の価値観を正しいと思って生きているから、それにそぐわない人を見ると攻撃したり、あるいは善かれと思ってお節介を焼いたりしてしまうことがある。 でも、わたしが何をして何を選ぶかは「わたし以外のほかの誰かが決めることじゃない」...

全くバラバラの年代の女性3人のご近所さんのお話。 誰もが自分の価値観を正しいと思って生きているから、それにそぐわない人を見ると攻撃したり、あるいは善かれと思ってお節介を焼いたりしてしまうことがある。 でも、わたしが何をして何を選ぶかは「わたし以外のほかの誰かが決めることじゃない」 「人といっしょにいるにはエネルギーがいるから、一人の時間にそれを貯めてる」人もいれば「一人で過ごさなければいけない時間のために、賑やかにしてたくさん力をもらう」人もいる。 人は一人一人違うってことを分からずに自分がいいと思うことを押しつけてしまったり、相手に分かってもらえてるはずと思い込んでいたり‥‥そんなことに気付いて、このご近所さんの3人、これからも仲良くやっていけるんだと思う。

Posted byブクログ

2020/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

*住み心地のいい離れの一軒家で一人暮らしを続ける北川春子39歳。母屋に越してきた夫を亡くしたばかりの63歳、青木ゆかり。裏手の家に暮らす新婚の現実的な今どきの新婚25歳、遠藤沙希。年代も性格もまったく異なる3人の出会いから始まった、温かく、どこか噛み合わない“ご近所付き合い”、その行方は―。芥川賞作家の新たな代表作! * 普通、ってなんだろう。 子供がどうしてもほしいと思ったことがない春子に対して、「自分は親に育ててもらったのにそんなこと言うん、人として普通じゃないでしょ」「しかもそれを隠さんと人に言うってどうなん?」と責める若い沙希。 え、そうなん??そんなに責められること?? もし、自分がこれを言われたら相当ショックだと思うけど・・・春子のふわりとした返答に救われた。 普通とかあたりまえとか、押し付けずに、お互いゆるゆると受け止められたらいいのにな・・・

Posted byブクログ

2020/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の春子さんとかその同期の友達が、いろいろなことを代弁しているように感じ、なんだか友達と会っていろいろ話したような気持になる本だった。 読む前は、お話の中だけでも、なんか待ち遠しいことがあるといいなーと思っていたんだけど、最後の方になって、ああ、この主人公もそう思って過ごしてる感じやなーと気付いた。結婚とか、子どもとか、大人になること当たり前にできると思ってたことがぜんぜん自動的には進まなくて、でも歳だけはとっていく。 歳を重ねることが怖くなる。 引け目を感じる現状に対して、自分の育ってきた環境とか、子どものときに親から受けた影響とか、分かってるけどいろいろと過去に原因を求めてしまう。 いや、でももっと厳しい状況の人もいるんやし、まだ幸せなほうや、思い描いてたのとは違うけど、悪くはない、って開き直るか今ここの幸せを大事にすることに集中しようとする。 答えはなさそうやけど、なんか話の続きをまた誰かとしたくなった。

Posted byブクログ