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女たちのテロル の商品レビュー

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47件のお客様レビュー

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2020/01/07

ブレない軸を持った女性のストレートな行動言動の数々に、何ともあっぱれだなと思う作品でした。金子文子さんの存在を教えてくれた本になりました。 構成が面白い反面、頭がこんがらがってしまう恐れがあります。

Posted byブクログ

2019/11/26

これをどう感想にまとめるか、、考えながら読み終えた。 最近話題になっている「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の作家でもあるブレイディみかこさんの作品。 二人の女性を軸に描かれているノンフィクション。 くだけた言葉も多用し、エキセントリックな女性たちの気分を表現してい...

これをどう感想にまとめるか、、考えながら読み終えた。 最近話題になっている「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の作家でもあるブレイディみかこさんの作品。 二人の女性を軸に描かれているノンフィクション。 くだけた言葉も多用し、エキセントリックな女性たちの気分を表現している。 アイルランド独立運動と女性参政権運動のエミリー・デイヴィソン。その頃のアイルランド、ダブリンは世界中で一番貧困の底辺に喘いでいた。常にイングランドに搾取される民族だった。 本当の両親から戸籍も作ってもらえず、いないものとして育つ金子文子。 育児放棄、暴力、大人の都合で日本を離れ朝鮮に渡り、そこでも女中として学校へもいけず、奴隷のように働かされる。8歳で自死しようとするが、急に耳に聞こえてきたセミの声で自分にかえる。 金子文子は知識としてではなく、そんな過酷な経験から、体で確立した平等感覚を持っていた。何ものにも、隷属しないという気概を培っていくのだった。 壮絶な1冊ですが、読むのと読まないのでは、確かに何か違うと思わせてくれるような1冊です。 頭の隅にチラチラとあった歴史の事実。 遠い傍観者であった自分から、違った目を持てるかなと、感じる読後感。

Posted byブクログ

2019/10/01

金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー それぞれに壮絶な三人の人生。さらりと紹介されるエピソードがハードで途中何度も本を閉じる。 三人を象徴する花の挿絵、「ガールズ・コーリング あとがきに代えて」…印象的な表紙とともに忘れられない一冊になる予感。

Posted byブクログ

2023/03/21

金子文子のことは映画「金子文子と朴烈」の予告編を見るまで知らなかった。「誰なんだろ、この人」と思いつつ、調べもしなかったところへ、初めてのブレイディみかこさんの本に登場して、こんな凄い人がいたんだと知った。映画も見たい。 エミリー・デイヴィソンに関して、気にはなっていたが見てい...

金子文子のことは映画「金子文子と朴烈」の予告編を見るまで知らなかった。「誰なんだろ、この人」と思いつつ、調べもしなかったところへ、初めてのブレイディみかこさんの本に登場して、こんな凄い人がいたんだと知った。映画も見たい。 エミリー・デイヴィソンに関して、気にはなっていたが見ていない映画「未来を花束にして」を見ようと思った。 扉に「100年前の彼女たちから、100年後を生きるあなたへ」とある。しかと受け取った。 "実際、その生涯を通じて、こうした文子の楽天性は、どん詰まりで返すきびすのような、砂が下に落ちきった砂時計がひっくり返る時のような、起死回生の裏返りを見せる。" 6ページ "のべつ幕なし愚痴るほど家父長制の犠牲になっていながら、それが女の生きる道なのだと自らそこにはまり込んでいく。そんなに嫌ならどうしてその呪いのテンプレートからさっさと抜け出そうとしないのか。母と喋っているとなんかこう、無駄にちんたらしてる感じでムカついてくるのだった。" 34ページ "道徳とは、強者が弱者を支配するためのツールであり、支配される階級とされる階級を固定させ、維持していくための「階級道徳」なのだということを文子は見抜いていた(略)。文子にとって階級とは富者と貧者のことだけではなかった。男と女、親と子、支配関係が存在するところには、すべて階級が存在するのだった。" 35ページ "家という鋳型は人間を資産だの負債だのといったカネに変える仕組みなのに、みんな疑いもせずそこに喜んではまり込むから、靴の値段が高いだの安いだのと言っていつまでもカネの話で揉めることになる。" 39ページ "私が私自身を生きることは、誰かにとっての「いい子」になることではない。" 40ページ "主人がいないと生きていけずに何度も隷属先を変え、再婚を繰り返しながら年を取った母親。美しくさばけた女だった叔母もいつしか不倫相手だった義兄の奴隷となり、父親に殴られながら勉強していた弟も彼の奴隷であることになんの疑問も感じていなかった。こうした家族の姿にうんざりしていた文子は、人間が一緒に暮らすのはヤバイことだと知っていた。だからこそ自分は誰にも仕えないし、気に入られるための忖度もしないよと宣言しているのだ。" 113ページ "どれだけ多くの女性たちが、経済的・社会的に男性に庇護されて生きるために自分自身であることを捨て、また庇護されていることが幸福だと思い込み、自分自身を生きないでいることだろう。それは生きていることにはならない。それは生きているように見えるが、死んでいることだ。そんな死人の生は彼女には生きられなかった。" 138ページ

Posted byブクログ

2019/08/10

女性3人命をかけて戦っていた。 残念ながら私は誰も知らなかった。 その中でも金子文子に心引かれる。 死に至るまでの心情が悲しい。 もし生きていたなら どんな影響を私たちに与えたであろうか。 今もきっと世界の何処かで戦っている女性がいると思う 世界にもっと目を向けなければと思う ...

女性3人命をかけて戦っていた。 残念ながら私は誰も知らなかった。 その中でも金子文子に心引かれる。 死に至るまでの心情が悲しい。 もし生きていたなら どんな影響を私たちに与えたであろうか。 今もきっと世界の何処かで戦っている女性がいると思う 世界にもっと目を向けなければと思う 作者の文体がちょっと飛んでて面白い❗ 他の作品も読んでみたい。

Posted byブクログ

2019/07/26

映画『金子文子と朴烈』で気になり(結局観られていないけれど)、こちらを読んで更に気になり。自伝や寂聴さんの小説も読もう。

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2019/07/24

金子文子については最近2冊ほど読んでいて、そしてブレイディみかこ好きとしては、文子のことを姐さんのパンクな語りでまとめて読めて嬉しい。しかし、強制摂食のことは知らなくてショックだった。なぜレイプが暴力なのか、強制摂食のことと並べれば男性には想像しやすいのではないか。それは支配の問...

金子文子については最近2冊ほど読んでいて、そしてブレイディみかこ好きとしては、文子のことを姐さんのパンクな語りでまとめて読めて嬉しい。しかし、強制摂食のことは知らなくてショックだった。なぜレイプが暴力なのか、強制摂食のことと並べれば男性には想像しやすいのではないか。それは支配の問題だが、なにより文字通り、暴力なのだ。その暴力が、国家の名の下に行われるとき、私たちはどう向き合うのか。立ち向かうとなれば、それは命がけである。女の端くれとして、彼女たちがそこまでしなければ声を聞いてもらえなかった事実を思う。

Posted byブクログ