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リーチ先生 の商品レビュー

4.1

108件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    28

  3. 3つ

    26

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

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2019/12/08

内視鏡検査をやることになって洗浄液を飲んでる時と、下手したら入院しなければならないので、この分厚い本、その間に読むのに丁度良いかと思って持って出る。 幸いポリープもなく、その日の内に帰れたので、次の日には混雑した眼科と薬局で読み進む。 リーチと言えば、最近ではマイケルだけど、こち...

内視鏡検査をやることになって洗浄液を飲んでる時と、下手したら入院しなければならないので、この分厚い本、その間に読むのに丁度良いかと思って持って出る。 幸いポリープもなく、その日の内に帰れたので、次の日には混雑した眼科と薬局で読み進む。 リーチと言えば、最近ではマイケルだけど、こちらは名前は聞いたことあってもどんな人だか知らなかったバーナード・リーチのお話。 日本の美を学ぼうと単身来日した青年リーチと、芸術に憧れて彼の助手となった亀之介の半生、まあ“好い”お話だと思う。 一方、あまり山谷がなく、勿論色んな事は起こるのだけど、あまり切羽詰まった苦労はなく、リーチとその周りの人々が良い人ばかりで、お金にも縁にも恵まれてサクサクと話が進むのが多少物足りず。 日本に帰ってからの亀之介の流浪の旅路や、戦火で日英が袂を分かつ中、彼らの友情がどのように揉みくちゃにされていったのかも描かれないでは、何となく亀之介が浮かばれず。 リーチと亀之介の息子の邂逅はなかなか泣けせるところがあったし、志を持った人同士の繋がりの美しさにはほだされたので、★★★★付けたが、気持ちは3.5といったあたり。

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2019/11/19

原田マハさんの作品にしては珍しく、エネルギッシュな勢いは控えめ。 心がほんのりあたたかかくなるような、リーチやカメちゃんと長い旅をしているような、そんな印象の小説。 陶芸が芸術として魅力的に描かれているところはさすが! 自分の手から形ある作品が生み出されるというのは、なんと素晴...

原田マハさんの作品にしては珍しく、エネルギッシュな勢いは控えめ。 心がほんのりあたたかかくなるような、リーチやカメちゃんと長い旅をしているような、そんな印象の小説。 陶芸が芸術として魅力的に描かれているところはさすが! 自分の手から形ある作品が生み出されるというのは、なんと素晴らしいことだろう。 ただ、それを仕事として人生としてずっと積み重ねていくことは 時に苦しくも寂しくもあるのだと思った。 自分を見失いそうになったときでも、好いものは好いと言える心を持ち続けたい。

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2019/09/28

日本と西洋芸術が交差する時代、史実に飛び込んで創作活動をともにしている感覚になった。 「名もない職人の手技」「民衆の中の芸術」を見出すことこそ、日本全国に残され伝えられてきた美しい手仕事を守っていく私たちの努めではないかと。時代を越えて伝わるメッセージ。原田マハワールド。

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2019/09/25

素晴しかった…史実とフィクションが見事に融合し、なんとも自然な語り口でリーチ先生を取り巻く物語が展開されている。 原田マハさんの芸術モノは大好きだが、これもまさに原田マハの真骨頂と言っていい作品だと思う。

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2019/09/21

戦争前のお話から入り、最初は読みにくい本だなという印象でした。なまりが強く、スラスラと読めず苦しく、挫折しかけました。しかし物語が進むに連れて面白い面白い!ほんのりと心温まる優しい物語でした。

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2019/09/11

バーナードリーチは何かを求めて日本に来る。そのきっかけが高村光太郎だとは知らなかった。 リーチは芸術家とはどう生きるかを教えてくれた。芸術家とは誇り高い存在。お金も家もなくとも誇りだけはある。 日本人の美徳を相手を思いやり相手を立てようとするは、自分のことを卑下し何でも遠慮して好...

バーナードリーチは何かを求めて日本に来る。そのきっかけが高村光太郎だとは知らなかった。 リーチは芸術家とはどう生きるかを教えてくれた。芸術家とは誇り高い存在。お金も家もなくとも誇りだけはある。 日本人の美徳を相手を思いやり相手を立てようとするは、自分のことを卑下し何でも遠慮して好意を受け取らないと解釈する。やってみたいと申し出るなんて、とんでもないと戒める。でも、それは自分に自信がないことの裏返しだと。考え方の違い。日本人とリーチ、イギリス人との。

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2019/09/06

カメちゃんは架空の人物だなんて、想像もしなかった。来日したリーチ先生のそばにずっと寄り添い続けた名もない陶工職人。まだインターネットも電話もない、あるのは手紙だけという時代に、日本に渡ってきたリーチ先生と、リーチ先生とともにイギリスに渡ったカメちゃん。架空だとしても、きっとこうや...

カメちゃんは架空の人物だなんて、想像もしなかった。来日したリーチ先生のそばにずっと寄り添い続けた名もない陶工職人。まだインターネットも電話もない、あるのは手紙だけという時代に、日本に渡ってきたリーチ先生と、リーチ先生とともにイギリスに渡ったカメちゃん。架空だとしても、きっとこうやって、日本とイギリスの架け橋になりたいという熱い想いを持って、芸術の道を邁進した人たちがたしかにいたのだと思う。

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2019/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんだか満たされないなあ。 美術史にその名を残す偉人たちを描くのに 実在しない人物を狂言回しにする描き方は 「ロマンシエ」も同じだったけど あっちは主人公がどーんと突き抜けた感じで それなりにフィクションとして楽しめたけど。 この作品では…ただただリーチ先生に心酔する 人物として描かれたカメちゃん…キャラクターの 輪郭すらおぼろげなまま、不遇の工人として 人生を終えてしまった。。 その息子とリーチ先生との邂逅は少しだけ ドラマチックだけど、そのエピソードすら 瞬間で終わってしまう。 とうとうカメちゃんには一度もスポットライトは 当たらないまま。いや、リーチ先生の付属物のまま 終わってしまったような気がする。 長い物語の中、ひたすらリーチ先生につき従うだけで その創作の目指すところも明らかにはならないし 人間としても芸術家としても、その存在は 曖昧模糊として…魅力を感じるところまでも たどりつけなかった。 原田マハ氏の作品は大好きなのだけど、最近は 少しトーンダウンしているような気がする。 もっと氏の美意識が突き抜けて感じられる作品が 読みたい。たとえば「#9」のような。

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2019/08/18

こんなにも純粋で尊く、心のきれいな人たちがいたのかという想い。 エネルギーは外へ向かい、自分の大成や自分そのものへの執着などなく、ただ純粋に学び、作陶し、そして楽しむ。 本当のアーティストってこういう人たちなんだなぁと思った。 きっと原田マハさんもおんなじような気持ちで小説に向...

こんなにも純粋で尊く、心のきれいな人たちがいたのかという想い。 エネルギーは外へ向かい、自分の大成や自分そのものへの執着などなく、ただ純粋に学び、作陶し、そして楽しむ。 本当のアーティストってこういう人たちなんだなぁと思った。 きっと原田マハさんもおんなじような気持ちで小説に向き合ってるんだなぁという気がして、読んでいる間中、ずっと透き通った爽やかさみたいなものを感じた。 この人を知ってほしい、 この物語を楽しんでほしい、 それがあなたの人生を豊かにしますように。 そんな想いが込められた小説。

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2019/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今回も史実とフィクションを織り交ぜた一作。どこまで史実なのかわからず、途中でネタバレになるかもしれないけれど、検索をかけたほど。この感じがとても原田マハ先生っぽい。 なんだかもう、プロローグだけで素敵な小説になる予感がした。そんな好きな始まり方だった。

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