あのこは貴族 の商品レビュー
パークハイアットのアフタヌーンティーに行きたいなぁ… これは、面白い! ・昭和の芳しい香りが漂う。 僕は10代半ばまで昭和に育ったわけだけど、この小説には当時憧れていた上流社会の残り香があり、懐かしくもあり胸がキュンとする。 ・そして、女性の生きづらさの件。 華子、美紀、相...
パークハイアットのアフタヌーンティーに行きたいなぁ… これは、面白い! ・昭和の芳しい香りが漂う。 僕は10代半ばまで昭和に育ったわけだけど、この小説には当時憧れていた上流社会の残り香があり、懐かしくもあり胸がキュンとする。 ・そして、女性の生きづらさの件。 華子、美紀、相楽さんの3人の女性があいまみえるマンダリオンオリエンタル東京のラウンジ。ここがこの小説の一番の山場だと思うが、非常に痛快で好きだ。 男は結局しょうもない。男は女性の生きづらさの最大でもしかしたら唯一の要因となっている。 最近読んだ「82年生まれ、キム・ジヨン」よりも、そのことが、すーっと、そしてチクチクと心に染み入ってくる。 そして、近松門左衛門の浄瑠璃「心中天網島」の女同士の義理! これが人として上級過ぎて敵わない。 昨夏のしおりをもらえるキャンペーンの時は、なんとなく敬遠してしまった文庫本。 映画館の予告編でもうすぐ映画化されることを知り、買って読んでみたのだけど、大当たりだった。 映画も見たいな。
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これだけ通信技術が発達して、遠い外国のニュースだっていつでも見れるようになっても、結局人ひとりが手を伸ばせる範囲というのはあまり変わらない、ということのように思いました。 けれど狭い世界で過ごすことは別に悪いことではないし、そこから出るのにそんなに遠くまでいかなくても、ちょっと一...
これだけ通信技術が発達して、遠い外国のニュースだっていつでも見れるようになっても、結局人ひとりが手を伸ばせる範囲というのはあまり変わらない、ということのように思いました。 けれど狭い世界で過ごすことは別に悪いことではないし、そこから出るのにそんなに遠くまでいかなくても、ちょっと一歩だけ踏み出してみることで自分に合った世界に出会えるかもしれない。 スタート地点は変えられないし、そこから動くも動かぬもそれぞれの選択だし、その中で自分が心地よく感じる世界を見つけていくしかないのだろうな、と思いました。
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いわゆる結婚適齢期の女性の どうしようもない焦燥感や必死さが ありありと書かれていて、 まさに20代後半の自分には 主人公の気持ちが痛いくらい理解できた。 また、生まれながらに植え付けられる人間の階級に 生涯ずっと縛り付けられ、 お金持ちとそうではない人の差は どうしても越えら...
いわゆる結婚適齢期の女性の どうしようもない焦燥感や必死さが ありありと書かれていて、 まさに20代後半の自分には 主人公の気持ちが痛いくらい理解できた。 また、生まれながらに植え付けられる人間の階級に 生涯ずっと縛り付けられ、 お金持ちとそうではない人の差は どうしても越えられないという事実が 赤裸々に描かれていた。 階級の違う女性が出会い、 何もかも違うはずなのに心が通じ合っていく様は そんな世の中でも自由に生きたいという女の 音のない叫びが聞こえてくるかのようだった。
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東京と地方、階層も異なる女性二人のシスターフッド物語。生まれ育ちや肩書きと全く無関係に生きることは難しいけど、コミュニティの狭い価値観を超えて同じ人生の目的で繋がる関係は「自由」をもたらしてくれる。映画も楽しみ。
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読んでよかった、と同時にもっと早く読むべきだったとも思った。女vs女の話ではない、というのもどこかでみて、まったくそのとおりでした。気持ちいい。 わたしは上京組なので、美紀のパートが胸をえぐられるように刺さりまくり(学費出してもらえず水商売するほどではないが)、地元に対してなんとかしなきゃ、と思う厄介な愛の感じ、わたしは家族に対してだけれど、すごくよくわかった。あと、なに一つ変わらない人間関係に安住する感じは、田舎も都会も一緒なんだ、のところははっとした。それにとらわれていない美紀が、なんて自由なんだろうと気づくところがうつくしい。そしてわたしも、自由なんだ。 意外とするっと進むところは進んでそれもよかった。あ、幸一郎と身体の関係もあるんだ、とするっと。ここ、細かく書くこともできたはずなのに、なんというか大事なところとそうでないところのメリハリがよかった。誰目線だろう、すみません。 華子が自分の意志で動いていく後半、よいです。ありきたりな展開だとしても、そういうストーリーを読みたい。総じて気持ちいい話だった、だいすきです。
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美紀の、女同士を分断する価値観の話にはハッとした。たしかに、世の中にはそういう価値観が当たり前のように横たわっていて、意識的にしろ無意識にしろ、その価値観のなかで生きている。そして自分の足で立って生きることって、難しくて、尊い。それでも、ある意味ショック療法のような感じではあったけど、華子は自分を理解して、自由を手に入れて終わったところに希望がある。
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なんとも想像のつかない世界の話。 とりあえずお嬢様の話だなーと思ったけど 途中からちょっと予想外だったのがよかった。
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友人に勧められてて、ついに読む機会に巡り会えた1冊。 東京で生まれ育った生粋のお嬢様の華子と地方の小さな漁村出身の上京組の美紀。生まれも育ちも全く違う2人の視点から語られる東京は、まるで違う場所に見えて不思議だった。 一般的な都民や東京のベッドタウンに住んでる層に馴染みのある...
友人に勧められてて、ついに読む機会に巡り会えた1冊。 東京で生まれ育った生粋のお嬢様の華子と地方の小さな漁村出身の上京組の美紀。生まれも育ちも全く違う2人の視点から語られる東京は、まるで違う場所に見えて不思議だった。 一般的な都民や東京のベッドタウンに住んでる層に馴染みのある私としては、どちらの意見にもそこまでピンとこなかったけれど、あらたな価値観を垣間見ることが出来て新鮮で面白かった。美しく煌めく丸の内を、純なキラキラした眼でみれるのは郊外在住の特権なのかな、などと考えたりした。これからも慣れたくも擦れたくもない。 田舎も、東京の古めかしい上流階級も、彼らの排他的で保守的な点においては全く同じだし、それに上手く迎合できない人達にとっては同じような苦痛を味わう場所であるのだ。っていう発想は考えたこともなかったのでびっくり。 「どうしようもない閉塞感と、まったりした居心地のよさ」 ひと所に留まる全ての人々が感じてることだろう。どっちをどのくらいの比率で感じるかで、その場所を飛び出すか飛び出さないかが決まるんだろうな。 実写映画化するようで、予告編を見たところ、門脇麦さん演じる華子が私の想像する華子とピッタリすぎて驚いた。女の友情が主軸になりそうだけど観てみたい。 全体的にフェミニズム感が強いように感じた。私はフェミニズムに対してどういう意見を持つかまだ模索中である。きちんと学ぼうと思った。
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貴族なんてタイトルに出てくるから昔のお話かと思ったら、割と現代的なお話 東京には、ほんと貴族のような人たちがいるんだと知らされた。 ドラマで出てくるようなお店には、東京出身の人は行かないとか あーなるほどって思った。 一人の男性を巡る三角関係の話しだけど 全然、泥沼じゃないし読んでて不快感は無し お嬢様が自立していくお話
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こんな世界があったとは…と愕然としつつ、でも結局どの世界に生まれても人は永遠に「隣の芝生は青い」なんだなーと思った。 女性同士が仲良くできないように仕組まれてる、って言われてみればそうかも…
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