あのこは貴族 の商品レビュー
2021/10/3 お金持ちでザ・箱入り娘な女性が婚活に奔走し、結婚などさまざまな経験をしていく。 登場人物の思考がしっかりと表現されているので、読みながら同調していた。 家族に守られ、敷かれたレールの上で育ったため、外を全く知らないが、逆に自分もこの階級の人のことは全く想像もつ...
2021/10/3 お金持ちでザ・箱入り娘な女性が婚活に奔走し、結婚などさまざまな経験をしていく。 登場人物の思考がしっかりと表現されているので、読みながら同調していた。 家族に守られ、敷かれたレールの上で育ったため、外を全く知らないが、逆に自分もこの階級の人のことは全く想像もつかない。 世の中には知らないことだらけで、そこは分厚い壁で分断されているように思うが、紙一重で隔てられているだけの世界なのかもしれない。 自分にも投影できてしまうところもあり、感情の起伏が激しいが、主人公が成長していくように自分も知らない世界へ飛び込むことで成長できるのではないかと思わされた。
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主人公の華子さんは生粋のお嬢様で親の敷いたレールの上をただただ歩いてきただけ。苦労した経験がないためか、問題解決能力が著しく低く、アラサーになっても自分自身の長所すら理解できずにいる。 そんな何一つ不自由なく過ごしてきた華子さんが人生最大の危機に陥った時、自分とは全く違う世界で生...
主人公の華子さんは生粋のお嬢様で親の敷いたレールの上をただただ歩いてきただけ。苦労した経験がないためか、問題解決能力が著しく低く、アラサーになっても自分自身の長所すら理解できずにいる。 そんな何一つ不自由なく過ごしてきた華子さんが人生最大の危機に陥った時、自分とは全く違う世界で生きてきた時岡さんに出会い、逞しさを感じる。 生きることとは、幸せになることとはどういうことなのか、考えさせられた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
美紀は華子の裕福さや育ちの良さを羨み、華子は美紀の逞しさに憧れていることから、誰しも隣の芝生は青く見えるしそれぞれ違った悩みを抱えていると思った。 出会ったあとの2人はお互いを僻みあったりせず、華子も美紀もコンプレックスと向き合って自分らしく生きている姿にグッときた。
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1日で読み終わった。 1人でも強く生きられる女性になりたいと思った。 映画を観る前に原作をと思って読んでみた。よかった。
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華子と美紀、真逆な境遇で育ったからこそ分かり合える「女同士の義理」が素敵だなと思った。 幸一郎を巡って戦うのかなって思って読み始めたからこそ、この結末は予想外だけど良かった。 東京ってそんなに地方と違うのかな。
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どんなに頑張っても埋められない、外部と内部の差がとてもリアルに感じました。でももちろんどちらにも抱える悩みや不安はそれぞれあって。普段見えない世界からの視点を感じることができた気がします。 世の中には女同士を分断する価値観みたいなものが普通にまかり通っていて、実は誰よりも女の子...
どんなに頑張っても埋められない、外部と内部の差がとてもリアルに感じました。でももちろんどちらにも抱える悩みや不安はそれぞれあって。普段見えない世界からの視点を感じることができた気がします。 世の中には女同士を分断する価値観みたいなものが普通にまかり通っていて、実は誰よりも女の子自身がそういう考え方に染まっている。 頭では今は結婚だけが女の幸せではないと分かっていながら、やはり結婚しなくてはと思ってしまう自分もいて、自分の中に無意識に染み付いている価値観にはっとさせられました。
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「あの子は貴族」と言うタイトル。 そして、登場人物は。東京生まれの箱入り娘・華子。地方生まれの上京組、猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退。現在はIT企業に勤める・美紀。 二人の出会いは、華子がお見合いで出会ったハンサムで慶応大学の内部生だった・幸一郎が、美紀と腐れ縁だったこと...
「あの子は貴族」と言うタイトル。 そして、登場人物は。東京生まれの箱入り娘・華子。地方生まれの上京組、猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退。現在はIT企業に勤める・美紀。 二人の出会いは、華子がお見合いで出会ったハンサムで慶応大学の内部生だった・幸一郎が、美紀と腐れ縁だったこと。 こんな情報にひっぱられて、興味はあるものの、上流階級の華子と知的で自立はしているものの庶民出身の美紀の、埋めることの出来ない生活レベルや価値観の対立構造なんだろうな、と思うと、庶民の私は、読むのをためらったりもしていた。 ところが。読んでみると、そうではない。 華子は恵まれた環境に育ち、それが普通だと思って生きてきたものの、普通だと思っているだけで、別にそれ以外の人を見下している高慢ちきな女性ではないし、自分は何も出来ないから、同じような階級にいる男性に依存して生きていくしかないと思って結婚したものの、何もしなくても優雅に暮らしていけることを幸せだとは感じなかった。むしろ、何も出来ない、求められていない自分を空しく感じているし孤独感を持っている。 美紀も、自分と幸一郎や華子の住む世界が全く違うことを実感しながらも、妬んでいるわけではないし、素直な華子に、少し呆れながらも、ついつい本音で話し相談にも乗ってしまう。 そして、2人が選ぶ道。そこには、どちらも心から応援したい選択をした2人がいた。 途中、美紀が「女の人って、女同士で仲良くできないようにされてるんだよ」と語りだす場面がある。2ページ半以上にわたって語られている場面なので、ここに全部抜粋は出来ないが、私自身も、社会に出て働き始めてから、徐々に分かりだした、女性が働きづらいのはなぜなのか、女性同士がうまくやるのは何と難しいのか、と言うことについて、ずばずばと語られていて、華子の結婚生活そのものよりも、よっぽど身につまされて、深く頷いてしまった(華子、ごめんね)。 「女性が働きやすい職場」「正社員と非正規社員」「女性社員はまとめて”女の子”」「女同士で椅子取りゲーム」「女を使ったんだろ」「先輩女性社員の”あたしたちのころはもっと大変だったのよ”って説教」「育休は充実させてるけど、既婚か未婚か、子供がいるかいないかで分断」「肩叩きはないけど、女性社員は”若い女の子”と”それ以外のおばさん”」「専業主婦と働く女性」「ママ友は怖い」「嫁と姑」 でもだからこそ、家柄と言うどうにもできない違い、女同士の分断ばかりの関係性、それを超えて、実は誰よりも本音を言い合えている、華子と美紀を好ましく思ったし、羨ましくもあった。きっと美紀に肩入れしてしまうと思って読み始めたのに、どちらにも幸せになって欲しい、と思っている自分がいる。おかしいな、華子の世界に共感なんてしないはずだったのにな。
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東京生まれの箱入り娘・華子と地方生まれで上京組のOL・美紀。 東京に住んでいた頃、近所には親子代々同じ小学校という人が少なからずいて、なるほど、世田谷のいいとこに土地持って住んでいるような人はそういう人たちかと妙に納得した記憶があるが、何不自由ない暮らしをしてきた華子の家はそう...
東京生まれの箱入り娘・華子と地方生まれで上京組のOL・美紀。 東京に住んでいた頃、近所には親子代々同じ小学校という人が少なからずいて、なるほど、世田谷のいいとこに土地持って住んでいるような人はそういう人たちかと妙に納得した記憶があるが、何不自由ない暮らしをしてきた華子の家はそういう中でも更に上等のほうだな。 私のように田舎から出て来て転勤を繰り返した者からしたら、猛勉強の末に慶應に入るも学校には馴染めず金欠で中退という、美紀の抱く感覚のほうが良く分かる。東京という街は結構フレンドリーなところがある割にはある一定以上の関係を築こうとすると難しいところがあるものな。 前半は、そういう価値観の違う世界を面白く描いていて、まあ気楽に読んでいたが、二人の女が交錯する後半は長々としたセリフで日本に昔からある男中心の階級社会への批判へと転じ、それを読んで振り返れば、前半も華子の婚活の阿呆らしさに紛れていたが、収入や出自、学歴や容姿で線引きされた社会がしっかり描かれていたことが知れる。 物語は女性の自立に向け何やら良さげにまとまったが、実力ではなく人脈や出自が全てという閉じたコミュニティの人たちが日本の中枢に君臨する限り、この先、華子がそう簡単に自由で自立した生活を手に入れていくとも思えず、なのでした。
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【隣の芝は青い】 この言葉がピッタリなストーリー どんな環境で生まれても誰かや世間と比べてしまうと辛くなる、他人と戦うのではなく自分と向き合うことで幸せになれるということを学んだ
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おもしろかった。途中から走り過ぎで性急な感じがしたし、語り過ぎなところはじれったかった。 結末は意外だったけど、大学時代を思い出した。 それぞれ自分の住むクラスになじんでいると、それ以外の世界があることに気づかなかったりするし、自分より明らかに上の世界に気づいた時に、自分も入れるんじゃないかなって思ってしまったりするのは、誰でもそう。 自分の大学時代も、付属から上がって来た人の醸す「都会で受験の苦労をしてこなかった私たち」グループの空気に違和感や疎外感があったけれど、どちらかといえば外部生のほうが幅を利かせている雰囲気だったから、ここまでではなかった。きっと違う大学へ行っていたら、痛くて、苦しい読後感だっただろう。 日本にもクラスはある。知らないだけで。
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