あのこは貴族 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この話、映画が公開されており 門脇麦さん主演でした 私はそちらを先に観ました 小説版映画版それぞれ良いところがあり 一部内容が違うところはありますが、大部分がよく補完しあう形でした 両方見て良かったです この物語は上流階級で生まれ育った華子と 地方都市の低所得家庭で生まれ東京に進学してきた美紀 二人の視点から描かれています この二人の接点は華子の夫、青木幸一郎 彼は華子よりもまた一段上流に棲む、国会議員も輩出するような家柄 美紀とは大学で出会い、その後美紀がバイトをしていたクラブで再会し、親しくなります 華子とは結婚を前提としたお見合いで出会いその後結婚 こう聞くと 妻vs愛人 のドロドロした話を思い描く方もいるかもしれませんが まったくそんな話ではありませんでした。 箱入りで守られて育ち、自ら出ようなどとは思っていなかった華子は 更に上流階級である幸一郎の世界に違和感を感じ、 いわゆる下流階級である美紀の自由さに憧れ 自分の世界を出る決断をする 東京にはいろんな階層の人間がいるけれど 意外とその交わりは少なくて それぞれ棲み分けて暮らしている 住み慣れた階層は安心かもしれないけれど もしそこが快適だと思えなくなったならば 思い切ってそこから出てみたら 新しい価値観の元で 自分らしく生きられるのかもしれない
Posted by
話題の(?)タワマン文学に印象は結構似ているけれど、俯瞰で描かれている分あそこまでの毒や卑屈さは感じない。 女同士に、根底に通じる部分を描いてくれているからかも。 生い立ちも境遇も全く異なる二人が、一人の男性を介して交わると言ったら、ありそうな話ではあるのだけど 日本橋のマンダ...
話題の(?)タワマン文学に印象は結構似ているけれど、俯瞰で描かれている分あそこまでの毒や卑屈さは感じない。 女同士に、根底に通じる部分を描いてくれているからかも。 生い立ちも境遇も全く異なる二人が、一人の男性を介して交わると言ったら、ありそうな話ではあるのだけど 日本橋のマンダリンオリエンタルや有楽町のイタリアンレストランで交わされる、女の生き辛さに関わる話題や、それを裏付けるような、全く別々の生い立ちの根底に感じる共通した要素。 「若い女」の時期を抜けて、否応でも第二の思春期にさらされ、そして四苦八苦しながら自我を獲得していく。 引き込まれる葛藤と成長のストーリー。
Posted by
田舎と都会、お金持ちと庶民、男と女、未婚と既婚…など人間を分断しがちなステータスのある中で生きていくアラサー女子が主人公。特にミキさんには、共感できる部分がたくさんあり、わかる!わかる!って思いながらスラスラ楽しく読めました。 狭い世界で生きていくよりも、新しい世界へ踏み出した...
田舎と都会、お金持ちと庶民、男と女、未婚と既婚…など人間を分断しがちなステータスのある中で生きていくアラサー女子が主人公。特にミキさんには、共感できる部分がたくさんあり、わかる!わかる!って思いながらスラスラ楽しく読めました。 狭い世界で生きていくよりも、新しい世界へ踏み出したり、未経験なことをして生き生きと過ごしていたいと感じました。お金持ちの世界も少し体験してみたいな
Posted by
自分という概念はあまりにも脆くて、内向的なものではなくとてつもなく外面的なものだなと思う。 環境が確実にそれを形づくるわけで、それを否定あるいは意思を持って受け入れないと、何が自分を自分たらしめているのかも分からなくなる。 確かに東京の風景であって、それぞれに美しさがあった。 帝...
自分という概念はあまりにも脆くて、内向的なものではなくとてつもなく外面的なものだなと思う。 環境が確実にそれを形づくるわけで、それを否定あるいは意思を持って受け入れないと、何が自分を自分たらしめているのかも分からなくなる。 確かに東京の風景であって、それぞれに美しさがあった。 帝国ホテルやオークラ、マンダリンオリエンタルのラウンジに憧れるとともに、フェイクの東京に魅力を感じてしまう本性も自分の中にあることが分かる。 でも今は名ホテルのラウンジや喫茶室にとにかく行きたい!
Posted by
移動の合間にさくっと読了。 地方女子、内部生、セレブ… 舞台や境遇は違っても、外の世界を知ることで感じる内側への違和感。 それは誰もが一緒なんだなあ。 田舎から出てきた人間が「東京」に感じる雰囲気や空気感、それを感じられない箱入り娘。 時に無意識に、何もかもを分断して考えてしま...
移動の合間にさくっと読了。 地方女子、内部生、セレブ… 舞台や境遇は違っても、外の世界を知ることで感じる内側への違和感。 それは誰もが一緒なんだなあ。 田舎から出てきた人間が「東京」に感じる雰囲気や空気感、それを感じられない箱入り娘。 時に無意識に、何もかもを分断して考えてしまう「女子」という世界。 所々胸が痛むような、共感と懐かしさでじわりと沁みるような。 バイアス掛かってる気もするけれど、「女同士の義理」ってなんか良いね。どこか清々しくて、ほんのりかっこいい。 爽やかに終わってしまったのだけ少し寂しい。 自分が捻くれているだけかもしれないが。 あと、『心中天網島』ってそんな話なんだ、という知識が貰えるおまけつきの一冊笑
Posted by
とても好きな本。 対極な2人の女性、どちらも魅力的に人間味を持って描かれているのが良い。 前に読んだ時は、20代で華子側の年齢だったから、結婚して人生を進めなきゃという焦りに共感し、美紀を大人だなぁと感じていた。 離婚って、いっかんの終わりというかとても大ごとで取り返しがつかな...
とても好きな本。 対極な2人の女性、どちらも魅力的に人間味を持って描かれているのが良い。 前に読んだ時は、20代で華子側の年齢だったから、結婚して人生を進めなきゃという焦りに共感し、美紀を大人だなぁと感じていた。 離婚って、いっかんの終わりというかとても大ごとで取り返しがつかないことだと。 でも30代になって読むと、ガラリと印象が変わる。 華子の離婚は、魅力的な勲章でもあり彼女はようやく自我を持って人生をスタートしたのだ。 光一郎と再会して、中身のある女としてはじめて本音である種対等に話すシーンはとても爽快で、良かったなぁ。あれはひどい結婚だったと、彼も客観的に見られるようになっていたところで少し救われた。 進学、就職、結婚…20代のあれこれで人生が決まると、若い時は勘違いしていたけど今は違うとわかる。人生は続く。それは過酷なことでもあり、自由なことで救いでもある。
Posted by
グロいってーーまた投影しちゃう系だった泣 でもギリギリ最後はかっこよくて救いがあって、ああ私もこんなストーリー描けたらいいんだけど不安だなって身構えてる
Posted by
映画の評判が良かったので、まさかの逆入り読んでみたらハマりました。 彼女のはなしだけでなく、日本の政治に対して感じていた、なんで?のとこまですんと腑に落ちた。 お嬢様の友人の人生など色々理解できてとても興味深く読み進められた。また読む
Posted by
昔映画館で映画を観て、結構好きだったからこちらも読んだ。救いのある物語にしてくれてありがとうという気持ち。 原作に忠実に、かなり上手く映画化されてたと思う。 ただ、あとがきはうーーん?なんか違うのでは??と思ってしまった。笑
Posted by
入口で戸惑い4度目のトライで熟読出来ました。日本は今も昔も【特権階級社会】であり脈々と続いているのですよね。それもまた日本の文化だと思います。それぞれの立場、立ち位置でいかに人生を楽しむか?楽しめるか?そこなのかなぁ?ラストの華子の変化にあっぱれでしたら。思いの外読んで良かった作...
入口で戸惑い4度目のトライで熟読出来ました。日本は今も昔も【特権階級社会】であり脈々と続いているのですよね。それもまた日本の文化だと思います。それぞれの立場、立ち位置でいかに人生を楽しむか?楽しめるか?そこなのかなぁ?ラストの華子の変化にあっぱれでしたら。思いの外読んで良かった作品でした。
Posted by