彼女たちの場合は の商品レビュー
アメリカに住む日本人の14歳と17歳の女の子の二人旅。従姉妹同士だけれど、社交的と人見知り、他人に対する接し方の違う二人。そんな二人が家出同然で旅に出る。二人の視点と親の視点、交互に描かれながら旅が続いていく。ほぼ同世代の娘達を持つ身としては、二人の行動にハラハラしつつ、それでも...
アメリカに住む日本人の14歳と17歳の女の子の二人旅。従姉妹同士だけれど、社交的と人見知り、他人に対する接し方の違う二人。そんな二人が家出同然で旅に出る。二人の視点と親の視点、交互に描かれながら旅が続いていく。ほぼ同世代の娘達を持つ身としては、二人の行動にハラハラしつつ、それでも、この旅で出会う、見知らぬ他人が二人を大きく成長させてくれるので、どうか二人が無事で旅を終えられますようにと祈るような思いで読みました。いつかは巣立っていく娘たち、親としての寂蓼感を覚えずにはいられません。タイトルである、「彼女達の場合は」、その後にどんな言葉が続くのか。『「彼女達の場合は」お互いに信頼し合い、思いやる優しさを持っていた』最後まで二人で旅を続けられた秘訣はこれに尽きると思います。
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久しぶりに物語にすごく入り込めて、とてもよかった! 読み終わった後も、登場人物が同じ世界に存在しているみたいな気がする
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10代の女の子二人が、何不自由ない日常を抜けてアメリカを旅する話。若いながらもたくましいふたりのロードムービー的小説である。 合間にそれぞれの親の話が出てくるのだがそちらの方が読んでいて楽しかった。道中の話は、まだ子供なのになんかたくましすぎるというか、危うげで不安定なところがな...
10代の女の子二人が、何不自由ない日常を抜けてアメリカを旅する話。若いながらもたくましいふたりのロードムービー的小説である。 合間にそれぞれの親の話が出てくるのだがそちらの方が読んでいて楽しかった。道中の話は、まだ子供なのになんかたくましすぎるというか、危うげで不安定なところがないように感じてしまった。 江國香織の本は、大人が子供の感性を失わないところが好きなのだなと気付いた。
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ロードムービーを観ているようだった。 読後感が清々しい。若さが瑞々しい。 私自身はアメリカはほぼニューヨークしか知らない。それでも、各現地の雰囲気がありありと伝わってくるし、旅行者目線の世界を見る感じが、これまで私がしてきた旅で感じたドキドキ感だったりワクワクした気持ちを思い出...
ロードムービーを観ているようだった。 読後感が清々しい。若さが瑞々しい。 私自身はアメリカはほぼニューヨークしか知らない。それでも、各現地の雰囲気がありありと伝わってくるし、旅行者目線の世界を見る感じが、これまで私がしてきた旅で感じたドキドキ感だったりワクワクした気持ちを思い出させて、それらを重ねて読んだ。そうして思い出したのは、専ら一人で、知らない街で、ちゃんと目的地に着くのかとドキドキと不安で乗ったバス。ソウルで、バンクーバーで、台北で、ローマで、リヨンで。私の場合は二人旅やグループでは感じることのない、あのドキドキが旅を振り返ると、かけがえのない瞬間だったなぁ。写真にさえ残ってないのに、忘れられないあの瞬間は、礼那がいう、「あとから話しても絶対にわかってもらえない秘密の瞬間」は、あれだったんだ!と思う。他人と共有出来ることは素晴らしいけれど、でも私が一人で感じたその“瞬間”は確実に私の奥底に根付いてる。と思いたい。 あーこんな時だから余計に気ままに旅に出かけたい!! アメリカの州や地名にも詳しくないので、時々地図を見ながら旅を楽しんでいたのだけれど、裏表紙に嬉しい発見! そして、いつか人の親になることがあったら、新太郎のように子の成長を喜べる人になりたいと思った 2020.7.20
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ニューヨークに住む従姉妹の女の子達二人がヒッチハイクしたりいろいろな人たちと出会って旅する話。実際はこんなにうまくはいかないだろうけど一緒に旅した気分。
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たんたんと旅が続く 事件や事故の類(やばい感じ)はなく、かと言って大きなドラマティックな展開もない。 でも、ぜんぜん飽きないし退屈しない。一緒に旅をしてるような、知らない土地で知らない人に会い 時には働いてみたりしながら、その土地を感じる。 待たされている二つの家族の様子が、あいだあいだでいい感じに切り替えてくれる構成。 いつかのれーなに対するもしかすると親以上かもしれない包容力と愛情。れーなの人好きのする無邪気で純粋な魅力。 極め付けは453ページ。 自動的に二人だけの秘密。 最終ページの ねえいつかちゃん おもしろかったね うん おもしろかった この会話でなぜ涙腺が緩むのか自分でもわからない 江國さんがわかってるんだよな、旅が人にもたらすかけがえのないものを。 それにしても、いつかはゲイと暮らして七年間帰ってこない(てことは七年後に帰ってくる)し、やはりりおなは潤と別れるのね、子供たちを連れて日本へってことはれーなはいつかと離れて暮らすというその後。 江國さん、続編て書いたことないよな、読みたいよねーこの二人のその後
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17歳の逸佳と14歳の礼那の旅を通してそれぞれの考え、家族の繋がりの変化が描かれてたと思う。 色々な街を旅してる中で周りの人々に屈託無く接する礼那、何事も用心深くの逸佳。 2人で良く笑い、思った事ははっきり言葉で伝えて合う事で周りの人を愉快にさせる。 目的の無い旅、知らない人...
17歳の逸佳と14歳の礼那の旅を通してそれぞれの考え、家族の繋がりの変化が描かれてたと思う。 色々な街を旅してる中で周りの人々に屈託無く接する礼那、何事も用心深くの逸佳。 2人で良く笑い、思った事ははっきり言葉で伝えて合う事で周りの人を愉快にさせる。 目的の無い旅、知らない人達との出会いで、 本質的に持ってる心の有り様を考えさせられた本だった気がします。 自分も一緒にこんな旅が出来たら良いけど、未だ自分がどうすれば良いか迷い続けてるから昔の江國香織の方が好きって感じた。
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自粛のこの時期、主人公たちと同じような目線で色々な場所に行き、新鮮な驚きを感じられるこの小説を読めて良かった。 実際女の子たち2人が、ヒッチハイクなどするのは無謀だと思うけど、「彼女たちの場合は」上手くいったのだろう。 久しぶりの江國さんだったけど、今まで読んだものより明るかった...
自粛のこの時期、主人公たちと同じような目線で色々な場所に行き、新鮮な驚きを感じられるこの小説を読めて良かった。 実際女の子たち2人が、ヒッチハイクなどするのは無謀だと思うけど、「彼女たちの場合は」上手くいったのだろう。 久しぶりの江國さんだったけど、今まで読んだものより明るかった。が、潤の存在とそれを妻がどう思っているかが江國さんっぽいなぁと思った。
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従兄弟同士の17歳の逸佳と14歳の礼那、二人でニューヨークから西部を見に旅に出る。 いろんな人に出会い、助けられながら、自分を見つめて旅するその姿は、とてもみずみずしくて愛おしい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
★3.5。このぐいぐい引き込まれる感は何なんだろうと思う。駅で降りて,あぁここはナッシュヴィルじゃないんだっけと気付かされたり。帰宅後の顛末の書き方とか,ほんとうまいなぁと思わされる。 アメリカってこんな安全に旅ができる国なんだろうかと思いつつ読み進めてしまう自分を省みた。登場人物中,潤さんがちょっとお気の毒だったかな。
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