彼女たちの場合は の商品レビュー
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江國さんの本を2冊同時に読んでいた。 旅に出れないコロナ禍の今、本の中で旅をするのは気持ちが良かった。 アメリカがいかに広く、そして色んな物や人、文化が混ざっているのかの一端が見える。 姉妹ではなく従姉妹という関係性。 お互いの性格もあると思うけど、ほとんど喧嘩、口論がなく、お互いを思い遣っているのがすごいなぁと。 昔カナダに住んでた自分が日本からやって来た姉とNYへ行ったほんの1週間に満たない旅でも大喧嘩をしたのに。 いつかアメリカ大陸を横断してみたいなぁ。 そしてクリスといつかちゃんのその後はどうなったんだろう。 友達?恋人?何もなく?
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ニューヨークで従姉妹の礼那の家に留学で同居中の逸佳。ある日二人は親には内緒で旅に出る。「西部が見たい」以外はかっちり決まってないアメリカ横断の旅。17歳逸佳と14歳礼那の女の子2人旅は少し怖い目にも遭うしトラブルもたくさんあるけど、様々な人達との交流や訪れた町が鮮やかに描かれてい...
ニューヨークで従姉妹の礼那の家に留学で同居中の逸佳。ある日二人は親には内緒で旅に出る。「西部が見たい」以外はかっちり決まってないアメリカ横断の旅。17歳逸佳と14歳礼那の女の子2人旅は少し怖い目にも遭うしトラブルもたくさんあるけど、様々な人達との交流や訪れた町が鮮やかに描かれていて一緒に旅をしている気分が存分に味わえるしとても楽しい。天真爛漫な行動派の礼那と責任感が強く慎重派の逸佳と性格正反対なのに仲良しな二人の関係が素敵。旅を通して二人が成長しているのもいい。二人の両親の対応の違いも興味深い。礼那両親の夫と妻の温度差が次第に問題を浮かび上がらせ、関係が崩壊していく様はリアルだ。逸佳両親が理想の対応だけど難しいよなぁ。
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*「これは家出ではないので心配しないでね」 14歳と17歳。ニューヨークの郊外に住むいとこ同士の礼那と逸佳は、ある秋の日、二人きりで“アメリカを見る”旅に出た。日本の高校を自主退学した逸佳は“ノー(いやだ)”ばかりの人生で、“見る”ことだけが唯一“イエス”だったから。 ボストン、メインビーチズ、マンチェスター、クリーヴランド……長距離バスやアムトラックを乗り継ぎ、二人の旅は続いてゆく――。美しい風景と愛すべき人々、そして「あの日の自分」に出逢える、江國香織二年ぶりの長編小説* とても素敵な体験をさせて貰いました。 途中までは親目線でハラハラしっ放しでしたが、いつしか、生き生きと前だけを見て旅をするレイナとイツカと一緒にアメリカの地を踏んでいました。 若いって尊いなあ・・・ 温かさと優しさと微笑ましさに満ち溢れた世界観。クリスの哀しささえも、この世界観に光を差しているよう。 いつかまた丁寧に読み返したい。
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14歳と17歳という年齢で アメリカを旅するというスケールの大きさに 心を惹かれた。 実際に読んでみると、二人の旅模様はもちろん ニューヨークにいる礼那の家族、 日本にいる逸佳の両親の視点もとても面白かった。 ただ、旅の内容が濃かっただけに 終わりがあっさりしていて 個人的にあまりスッキリしなかったな。
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少女2人のロードムービー(小説だけど)。 静かな家出的ニュアンスで、旅が始まります。 途中、途中の旅特有の困難が 思春期そのものな逸佳を成長させて行く。 無邪気な礼那も、たくさん吸収しましたね。 登場人物の、誰にも共感できたし、 街や食べ物の描写に江國香織さんのぬくもりを感...
少女2人のロードムービー(小説だけど)。 静かな家出的ニュアンスで、旅が始まります。 途中、途中の旅特有の困難が 思春期そのものな逸佳を成長させて行く。 無邪気な礼那も、たくさん吸収しましたね。 登場人物の、誰にも共感できたし、 街や食べ物の描写に江國香織さんのぬくもりを感じて 安心しながら読めました。 いつの間にか、こどもたちが出てくるストーリーは、親目線で読む自分に驚きながら。
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家出ではない ニューヨークに住む 親たちに無断で2人旅行に出た従姉妹たちのロードノベル。 何が起こる訳ではないが、なんか良かった。 個人的には、キチンとその後が書かれてるほうが好きだが、この終わり方もいい。
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ロードムービーを見ているような、少女たちの旅立ちの物語。 江國さんの長編を読むのは初めてだったが、ぐいぐい読まされた。 改めて、アメリカは広いんだな~…と。 自分の知るアメリカは、映画に出てくる西と東と南部のごくごく一部でしかないんだ…とつくづく感じた。 大統領選挙では国の分...
ロードムービーを見ているような、少女たちの旅立ちの物語。 江國さんの長編を読むのは初めてだったが、ぐいぐい読まされた。 改めて、アメリカは広いんだな~…と。 自分の知るアメリカは、映画に出てくる西と東と南部のごくごく一部でしかないんだ…とつくづく感じた。 大統領選挙では国の分断が大きな問題となり、世界でも憂慮の声と報道がなされたが、実際そこに住むほとんどの人は善良な市民で、日々を懸命に生きている…ただそれだけのことなのだと気づかされる。 2人の少女たちの物語も読みごたえがあるが、なんかやっぱり江國さんの描く世界は、上位階層なんだよな~と思ってしまう…だからどうというわけではないが、生徒たちはあまり食いつかないだろうな。 2020.11.21
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この一頁を読むためにこの本を読んでたと思う頁があった。知っている、かつて感じていた気持ちがぶわっと広がって、幸せな感覚が再来した。それだけで読んで良かった。 信頼する誰かと旅をしたことがある人は思い出す感情があると思う。
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初めての江國作品。 アメリカに住む従姉妹同士でありながら、性格は正反対の逸佳と玲那の旅。 思春期ならではの悩みを持て余す逸佳と屈託のない玲奈は旅を通して魅力的な人たちとの出会いや別れを繰り返していく。その描写がなんとも瑞々しい!まるでロードムービーを観ているかのよう。 ページを...
初めての江國作品。 アメリカに住む従姉妹同士でありながら、性格は正反対の逸佳と玲那の旅。 思春期ならではの悩みを持て余す逸佳と屈託のない玲奈は旅を通して魅力的な人たちとの出会いや別れを繰り返していく。その描写がなんとも瑞々しい!まるでロードムービーを観ているかのよう。 ページをめくりながら、もう自分はこんな旅に出ることもできないんだ、というノスタルジックに襲われながれも 心配することしかできない無力な2人の両親に感情移入できる。同じ親として。 旅と並行に進む、2人の両親のストーリー。 娘の不在で、夫婦お互いの本質と向き合うようになる。 未来しかない若者と、過去を振り返る大人。 ここにも正反対があって、それぞれの生き方や考え方の違いを浮き彫りにする。 旅の終わりに、数年後のことをしれっとうまいことぶち込んでくる著者の巧さにやられました。 それにしても逸佳はクリスに出会えてよかった。 クリスから醸しだす闇が気になって仕方なかったし、彼はきっと自死するんじゃいかと思ってた。 あぁ、若いって、旅って、素晴らしい! 私は子供たちが旅に出ても、寛容に待てるだろうか…
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知らない場所へ旅をする時の空気感や、様々なアクシデントが絶妙。 大好きなリースチョコが出てきて、食べたくなった。 逸佳のクリスに対する感情が、切なく、温かかった。 旅のあとの展開が終わりの方のそれぞれのパパがまだ知らない、という形で書かれていて、そこに行き着くまでの様子を想像でき...
知らない場所へ旅をする時の空気感や、様々なアクシデントが絶妙。 大好きなリースチョコが出てきて、食べたくなった。 逸佳のクリスに対する感情が、切なく、温かかった。 旅のあとの展開が終わりの方のそれぞれのパパがまだ知らない、という形で書かれていて、そこに行き着くまでの様子を想像できた。 子供を信じ、自由に旅をさせたい気持ちと、心配で早く帰宅して欲しい気持ち、どちらもわかる気がした。 2人のように旅をしたくなった。
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