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彼女たちの場合は の商品レビュー

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89件のお客様レビュー

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2022/07/27

14歳と17歳の二人の少女が行き当たりばったりに近い旅行記。少しの危険はあるものの大きな事件があるわけでもなく、淡々と進む。江國さんらしい登場人物で、決して主人公の女性に共感や好感を全面には持てない。親のクレジットカードを使いたい放題での旅行のくせに自分の行先や居場所は一切知らせ...

14歳と17歳の二人の少女が行き当たりばったりに近い旅行記。少しの危険はあるものの大きな事件があるわけでもなく、淡々と進む。江國さんらしい登場人物で、決して主人公の女性に共感や好感を全面には持てない。親のクレジットカードを使いたい放題での旅行のくせに自分の行先や居場所は一切知らせない逸佳。14歳の割に子供すぎて無防備でわがままな礼那。でも、江國さんの他の本に出てくる女性たちと同じで、「もうしょうがないわね」って感じでなぜか許せる雰囲気を持ってる。 少女二人のこんな旅は、現実には絶対危険で旅行を通しての成長以上にリスクが大きすぎてお薦めは出来ないけど、この年頃にこんな冒険旅行が出来たらその後の人生観変わるかもなと羨ましかった。 現実には無理だけど、本を読めば少女二人と一緒にアメリカ旅行を存分に満喫出来る1冊です。

Posted byブクログ

2022/07/04

小説は夢であり現実であり、冒険だ! ただただ、うらやましくなった。 若い時にこんな旅をしたかった。いや。するべきだった。アメリカじゃなくても。 礼那と逸佳の勇気と行動力に元気付けられる。元気になれる小説。アメリカの地図を見ながら読むとさらに楽しい小説。 ああやっぱりうらや...

小説は夢であり現実であり、冒険だ! ただただ、うらやましくなった。 若い時にこんな旅をしたかった。いや。するべきだった。アメリカじゃなくても。 礼那と逸佳の勇気と行動力に元気付けられる。元気になれる小説。アメリカの地図を見ながら読むとさらに楽しい小説。 ああやっぱりうらやましい。

Posted byブクログ

2022/06/28

最初は世代的につい親の気持ちになってしまって、「なんて無謀な…」と心配してしまい、勝手な彼女たちに怒りも沸いてきたけれど、読み進めるうちに、とても良い経験をしている彼女たちを応援したり尊敬したりする気持ちが強くなり、たいへん楽しく読めたし、ものすごく旅に出たくなった。 私も若いこ...

最初は世代的につい親の気持ちになってしまって、「なんて無謀な…」と心配してしまい、勝手な彼女たちに怒りも沸いてきたけれど、読み進めるうちに、とても良い経験をしている彼女たちを応援したり尊敬したりする気持ちが強くなり、たいへん楽しく読めたし、ものすごく旅に出たくなった。 私も若いころから海外(欧州)へ行くことが比較的多かったけれど、慎重派でなかなか人を信用しないタイプなので、彼女たちほどの経験はできていない気がする。天真爛漫で無邪気でオープンなレーナちゃんにはハラハラするところが多かったけれど、私と少し似たタイプに思えるイツカちゃんとは良いバディだなと思った。 旅にでた若い二人のことだけではなく、彼女たちの帰りを待つ親たちのこともちゃんと描かれているのもよかった。 今までの人生であまりアメリカに興味を持ったことがなかったけれど、広くて、地域によって全く雰囲気も違いそうなので、行ってみたいなと思うようになった。

Posted byブクログ

2022/06/20

女性ファンが多いのがよく分かった 珍しく女の子2人での冒険譚だ 未成年で親の実家は岡山という女の子がかなりリアルにアメリカを旅する 男の子の冒険話しはたくさんあるが 女の子のはあまり聞かない これなら女性読者もワクワクするんじゃないかと思いながら読んだ 今のアメリカのそのまんま...

女性ファンが多いのがよく分かった 珍しく女の子2人での冒険譚だ 未成年で親の実家は岡山という女の子がかなりリアルにアメリカを旅する 男の子の冒険話しはたくさんあるが 女の子のはあまり聞かない これなら女性読者もワクワクするんじゃないかと思いながら読んだ 今のアメリカのそのまんまを旅する 家出ではなく旅だ 親からのクレジットカードと銀行振込分のお金があてにできるのでスタートは余裕だった でもヒッチハイクもすれば安宿にも泊まる 旅先で世話になる人々もいれば、逃げ出す相手ももちろんいる 17才と14才の従姉妹の日本人女の子2人が ニューヨークから旅に出る ニューハンプシャーが最初の目的地で西海岸まで行ってこようという計画だ 携帯は電源を落としておく 親宛の手紙は町を出る時に投函する 秋にスタート 14才のレイナはうれしいと17才のイツカの頬に頬をぶつける "チーク!" 可愛らしい まずはニューヨークから北上してボストン、ポートランドへ メインビーチの町を3ヶ所 マンチェスターでは電車で会った編物男クリスに山へ連れて行ってもらう 以降電話のやりとりは続く クリーブランドでは目の前で老女が自転車にぶつけられて倒れ込んだのを助けてあげることに シカゴ行きのチケットを買おうとしたところで親にクレジットカードを止められてしまう それでもATMで残高確認してると ナッシュビルに誘われる 稼いだらと ナッシュビルはミュージックシティ ライブハウスがたくさんある 17才を21才と偽ってライブハウスで着いた夜からバイトだ 更に昼も別の店のバイトを入れる 未成年が問題視されて逃げるようにセントルイスへ オクラホマを経由してカンザスシティで新年を迎える カンザスシティはミズーリ州にある 14才の女の子らしくうさぎのぬいぐるみを$67で買う でも通学してないから留年は決定した 親に届く手紙は反省とは無縁の葉書ばかり カンザス州のウィチタへ アイオワ州のデモインからアーカンソー州のリトルロックへ ここではB&Bに泊まる ブリティッシュスタイルというより民宿みたいだ リトルロックの街の人はおせっかいなほど親切だった そして2月4日 15才の誕生日お祝いも計画 ニューヨークの親は娘探しのサイトまで起ちあげる がせねたにも動く親たち 娘の携帯に留守電も入れる 15才おめでとう ナッシュビルのヘイリーからもパソコンの画面の向こうからスティービーワンダーのハッピーバースデーの歌のプレゼント バンドメンバーもエアキスだ うさぎのぬいぐるみを片手に抱きながら キャンピングカーのオレンジ男ケニーの車でオクラホマ州ヘンリエッタ経由 RVパーク利用 ニューメキシコへ向かう アルバカーキ 野生のサボテンだ 電車でサンタフェへ 洒落た店が色々ある そしてバスでセントルイスへ 途中で発熱する 2日間でも 熱も下がったが 今度は 意識が飛んでるキレてる女に殴りかかられる 自分史上最大の悲鳴をあげる シカゴ やっと都会だ 街に戻ってきた悦びがある バスでニューヨークへ戻る うれしそうに 汚れてるねえ と 温存した醤油の小袋も使わなかった おもしろかったね うん おもしろかった 長い旅日記も微笑ましい締めくくりで終わっている つくづく可愛らしいものだ

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2022/06/06

THE江國香織ワールドな作品でした。 とても良い意味で物語としての起伏は少なく、少女たちのアメリカ冒険(家出ではない)物語でした。 物語には直結しないであろう、カラフルな雑貨、アメリカっぽい食べ物、街ごとに移り変わる風景、の細かさとキラキラ感が江國香織さん感がありました。 ...

THE江國香織ワールドな作品でした。 とても良い意味で物語としての起伏は少なく、少女たちのアメリカ冒険(家出ではない)物語でした。 物語には直結しないであろう、カラフルな雑貨、アメリカっぽい食べ物、街ごとに移り変わる風景、の細かさとキラキラ感が江國香織さん感がありました。 特に今作は食べ物の描写、食べることの描写が多くこだわりポイントなのかな?と勝手に解釈しました。

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2022/05/27

長い旅の記録 まさに、アメリカを見る旅、一緒に見た いつ危険が起きるのかドキドキするほど無邪気でまっすぐで ただ、ひたすらな旅でよかった

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2022/05/22

ニューヨークに住む従姉妹どうしの礼那と逸佳が旅(家出ではない)に出る。先々で出会う人々との交流を通して成長していく。 大きな展開もなく淡々と進む旅。最初はちょっと退屈に感じたが、3分の1を過ぎたあたりから続きが気になってやめられなくなり一気に読んだ。 14歳の礼那は人懐っこく...

ニューヨークに住む従姉妹どうしの礼那と逸佳が旅(家出ではない)に出る。先々で出会う人々との交流を通して成長していく。 大きな展開もなく淡々と進む旅。最初はちょっと退屈に感じたが、3分の1を過ぎたあたりから続きが気になってやめられなくなり一気に読んだ。 14歳の礼那は人懐っこく、17歳の逸佳は慎重で内省的。全然違うキャラクターの二人だけど、ずっと仲がよくて、それが清々しい。それぞれの両親が心配するように危ない目にも遭うし、そのくだりはハラハラするが、賢く切り抜けていく。 特に年上の逸佳の心情には、深く共感するところがあった。編物男クリスとの恋愛感情ではない交流、クレジットカードを止められても、旅を続けるために英語も覚束ないのに働く選択。 労働を終えて、礼那の待つカフェに一人帰る途中、「元の自分、よく知っている自分とはどういう自分か」と自問自答し、それは「一人ぼっちの自分なのだ」と思い当たるところ。 そして、旅が終わったとき、「帰ってきたというよりやり果せたというような気持ちの方が強かった」彼女は旅に出る前より明らかに成長したのだと思う。 また、礼那のおおらかさと天真爛漫さは、逸佳だけでなく、旅先でも周囲の人々からも愛され救いになっているのを感じた。 読む前は、二人が仲違いしたり、良くない人にだまされたり、ひどい目にあったりみたいな展開を想像していた。が、無理なドラマではなく最後まで常識的で聡明な二人で、そこがとても良かった。

Posted byブクログ

2022/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

未成年少女2人のアメリカの旅の話。 起伏がない、というレビューを見ていたが、起承転結というわかりやすいものはないけれどそれなりに事件等はあってひやひやする場面も多かった。終始ひやひやしていたように思う。 いろんな小さなことや出会いが繋がって旅を完遂したのはよかった。実際はこんなに良いことばかりではないのかもしれないけど、主人公達の純粋さや真面目さ、真っ直ぐさ、幼さがあったから上手くいったのかもしれない。そういう意味ではこの主人公達だったから上手くいったことも納得できる。 ただ、父親の描写がかなりキツかった。それらしい言葉を並べて妻を見下し、自分の理想の娘を追い求めている姿があまりにリアルで、そういうのが苦手な方は読まない方がいいかもしれない。読み流すのが精一杯だった。 また、著者の特徴として細かい描写、特に()付きの付け足しが多く、情報が雑然としており把握しづらかったように感じる。ここはおそらく慣れか好みの問題かもしれない。 大筋のストーリーは面白かった。

Posted byブクログ

2022/03/07

日本人少女2人のアメリカ旅。海外と青春を感じられた。 特に心に残るフレーズはなかった。 曖昧ですっきりしない終わり方だった。 外の装丁は素敵だったけど内側の文字は古めかしい感じ。2019年発行だけど。

Posted byブクログ

2022/01/29

本当にロードムービーを観ているようでした。旅を通じて色んな人と出会い、色んな経験をして、2人の少女が少しずつ成長していく物語。いつかとレイナの性格は全く違うけれど、互いに思いやる姿がとても素敵でした。2人の少女の親目線からの描写も描かれていて、夫婦のすれ違いや心境の変化も見れて面...

本当にロードムービーを観ているようでした。旅を通じて色んな人と出会い、色んな経験をして、2人の少女が少しずつ成長していく物語。いつかとレイナの性格は全く違うけれど、互いに思いやる姿がとても素敵でした。2人の少女の親目線からの描写も描かれていて、夫婦のすれ違いや心境の変化も見れて面白かったです。海外旅行ができない今だからこそ、一緒にアメリカを旅行しているような気分になり嬉しくなったし、若いうちに旅に出て色んなものに触れて様々な経験をすることはとても大事だなと思いました。落ち着いたら私も絶対に世界を見る旅をしたいし、会いたい人に会いに行きたいし、大切な人をこれからも大切にしようと思え、とても心があたたかくなった作品です。

Posted byブクログ