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明るい夜に出かけて の商品レビュー

3.8

161件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/08/25

これがANNの話だと知らずに手に取ったけど、わたしはANNリスナーなので、楽しんで読みました。 アルピーのANNをいまはリアルタイムで聞くことができない、ってことだけがいまの心残り。 ラジオを通して描かれる、ある青年の成長物語。 ある壁にぶちあたっていた青年が、ハガキ職人との出会...

これがANNの話だと知らずに手に取ったけど、わたしはANNリスナーなので、楽しんで読みました。 アルピーのANNをいまはリアルタイムで聞くことができない、ってことだけがいまの心残り。 ラジオを通して描かれる、ある青年の成長物語。 ある壁にぶちあたっていた青年が、ハガキ職人との出会いや、コンビニでのアルバイトを通して、ちょっとずつ、前向きになっていく。 舞台化もしていて、ニッポン放送でCM流れてるなあと思ったら、ラジオの話だったのね。知らなかった〜。 これを読んで、ラジオを聞く人が増えたら嬉しい。

Posted byブクログ

2024/08/18

主人公の俺、という一人称で進められる小説。久々な感じで新鮮だった。そのせいかテンポもよく、他の登場人物たちもキャラが良い。はがき職人を題材にしていて、芸人のオールナイトニッポンの話などが細かく描写されている。私自身は聞いたことがないけれど、聞いているかのように感じるリアル感が、な...

主人公の俺、という一人称で進められる小説。久々な感じで新鮮だった。そのせいかテンポもよく、他の登場人物たちもキャラが良い。はがき職人を題材にしていて、芸人のオールナイトニッポンの話などが細かく描写されている。私自身は聞いたことがないけれど、聞いているかのように感じるリアル感が、なせる技だと思った。同じ著者で、落語をテーマにした「しゃべれどもしゃべれども」という小説もあるが、同じように、題材がリアルだった。一つの題材に対して、すごく愛を持って取材されて、本にされてるのが伝わる感じがした。それは恩田陸さんもそういう感じがするけれど、佐藤多佳子さんはまた違ったテイストだと感じる。 また登場人物たちに会いたい、と思う小説だった。 個人的には佐古田が大好きになった。

Posted byブクログ

2024/08/14

深夜ラジオを聴く人なら入り込みやすい作品。周囲との関係やネットに振り回されながら生きていく若者の、悶々とした気持ちがしっかり描写されている青春小説。 一昔前のネット知識を持っていないといまいちピンとこない描写が多く、人を選ぶかもしれない。

Posted byブクログ

2024/07/15

最初は主人公による青すぎる地の文が鼻についてなかなか読み進められなかったが、佐古田が出てきてから面白くなっていった。強がりつつも受け入れてくれる誰かを喜ばしく思う主人公にはどこか応援したくなるところがある。よく考えると最後の盛り上がりはラジオ番組の存続であって、特に(第三者にとっ...

最初は主人公による青すぎる地の文が鼻についてなかなか読み進められなかったが、佐古田が出てきてから面白くなっていった。強がりつつも受け入れてくれる誰かを喜ばしく思う主人公にはどこか応援したくなるところがある。よく考えると最後の盛り上がりはラジオ番組の存続であって、特に(第三者にとって)大きな出来事ではない。それなのに、何か変わっていく雰囲気が出ているところがまた面白い。

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2024/07/06

大人になってからラジオをほとんど聞かないせいか、序盤のラジオの説明はあまり頭に入らず、読み進めるのに時間がかかりそうだなと思いましたが、佐古田ちゃんが出てきてから主人公がぐんぐん前に進んでいくようになって、一気に読み進められました。学校や家以外の大切な仲間やコミュニティ(本作では...

大人になってからラジオをほとんど聞かないせいか、序盤のラジオの説明はあまり頭に入らず、読み進めるのに時間がかかりそうだなと思いましたが、佐古田ちゃんが出てきてから主人公がぐんぐん前に進んでいくようになって、一気に読み進められました。学校や家以外の大切な仲間やコミュニティ(本作ではバイトや、ラジオリスナーのつながり)があるって大切なことだなあと思いました。主人公の人生で最も大切な一年だろうなと、それを読むことができて温かい気持ちになりました。4人がこのあとも時々会って、ずっと仲間でいられるといいなあ。あと佐古田ちゃんの先輩がとても素敵な人でした。

Posted byブクログ

2024/06/19

息子文庫より拝借。この著者の作品初めてだけど、もっと読みたいと思った!ラジオとは無縁だけど、なのにそれを愛する人達を大切な隣人の様に温かい気持ちで寄り添いたくさせる本作は秀逸!

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2024/05/13

主人公の人と関わるの嫌い、というか奥底では嫌いでは無いし、他の人みたいに人間関係を構築したいと思いながらも素直になれないひねくれたところが自分と重なった。そしてちょっと仲良くなったら(他の人からしたらただの友達程度だけど私からしたら君しかいないよという気持ちになってしまう)その人...

主人公の人と関わるの嫌い、というか奥底では嫌いでは無いし、他の人みたいに人間関係を構築したいと思いながらも素直になれないひねくれたところが自分と重なった。そしてちょっと仲良くなったら(他の人からしたらただの友達程度だけど私からしたら君しかいないよという気持ちになってしまう)その人がほかのコミュニティで楽しんでいることに嫉妬して、でそれも表面に出せないし、認めたくないみたいなのも分かる。今いる環境、コミュニティに自分の居場所がない、友達がいないと思っててもふとした場所で気の合う友達が出来ることもある。昔から知ってる人でも改めて考えると良い人だ、と思うこともある。タイミングってものがあるから人間関係で焦らなくてもいいんだよなあ、、、、誰かを理由に行動するのではなくて自分軸で選択しなければいけない。表紙の大学生がバイト帰りに1人で散歩してるみたいな絵に惹かれて読むことにしたけど、読み終わったらさらに夜の散歩に出たくなった。今日が雨じゃなければ外に出ていたかもしれない。コンビニからコンビニへと、田舎道で暗い中で明かりを放つコンビニを探しながら歩いてしまうかもしれない。

Posted byブクログ

2024/05/13

佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』 2019年 新潮文庫 第30回山本周五郎賞受賞作。 深夜ラジオ、深夜のコンビニがベースにある10代、20代の青春群像。 この2つのテーマだけでもう青春を感じ、胸がキュンとなります。 リアルにアルコ&ピースのオールナイトニッポンやリスナ...

佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』 2019年 新潮文庫 第30回山本周五郎賞受賞作。 深夜ラジオ、深夜のコンビニがベースにある10代、20代の青春群像。 この2つのテーマだけでもう青春を感じ、胸がキュンとなります。 リアルにアルコ&ピースのオールナイトニッポンやリスナー職人、実況ツイートなどリアルな描写とともに、若者たちが心の悩みに立ち向かい、解きほぐしていく。 夜のコンビニや夜独特の湿度や匂いも立ち上る物語でした。 年代はかなり違うけど、僕も特に85年くらいから95年くらいの間は深夜ラジオにはまっていました。途中で寝落ちしても大丈夫なようにラジカセで録音しながらオールナイトニッポンも聞いていました。 年代や形は違えど、若者たちの今をもがく姿や未来がリアルに映像とともに描かれています。 そして朝井リョウさんの解説も秀逸。 自分の青春時代にタイムトリップできた素敵な作品でした。 今夜は久しぶりに深夜ラジオを聞いてみたくなりました。 #佐藤多佳子 #明るい夜に出かけて #新潮文庫 #読了

Posted byブクログ

2024/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

めっちゃアルピーANN。聴いたことないし面白いって言うから聴いてみようかな。たぶん本棚にあったのもANN好きな友達の勧め。 主人公の自分でどうにもならないやるせない感じや自意識過剰な感じ、ちょっと痛々しい感じは、ぶっきらぼうな口調が文章そのままに少し分かる気もする。

Posted byブクログ

2024/04/11

大学を休学しコンビニでバイトする深夜ラジオのヘビーリスナーである富山、同じコンビニでバイトリーダーとして働きネットの歌い手という顔もある鹿沢、コンビニで偶然出会った同じラジオ番組のヘビーリスナーである女子高生の佐古田、富山の旧知の仲の永川の4人が主要人物の青春小説。終始主人公であ...

大学を休学しコンビニでバイトする深夜ラジオのヘビーリスナーである富山、同じコンビニでバイトリーダーとして働きネットの歌い手という顔もある鹿沢、コンビニで偶然出会った同じラジオ番組のヘビーリスナーである女子高生の佐古田、富山の旧知の仲の永川の4人が主要人物の青春小説。終始主人公である富山の独白調の一人称視点で語られる。 読後感のよいまさに青春小説。登場人物たち(ひいては著者)のラジオ愛がすごく伝わってきて、自分は深夜ラジオは全く聞かないが、なかなか奥深い世界があるものだと感心した。 「自意識過剰でひねくれてるし、臆病でほっといてほしいくせに、評価はされたいんだよな。目立ちたくない、目立ちたいって、まったく相反する二つの気持ちがあるよ。弱っちいくせにプライド高かったりね。」という主人公の独白は、自分の奥深い気持ちにかなり近いものがあり、シンパシーを感じた。

Posted byブクログ