少女葬 の商品レビュー
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好きな人と17の誕生日の日に初体験を迎える幸せいっぱいの綾ちゃんと、有象無象の男たちに囲まれて見せ物にされるマミちゃん。裸で寝そべっているってのは同じなのに、状況は痛いほど違くて涙が出た。2人の決定的な違いは賢さだよね。やっぱり教養って大事。本読もう。 文だけで伝わってくるヴィラハウスのカビ臭さに息が詰まったし、日本の貧困のリアルをこれでもかと見せつけられた。 あとがきを読むまでは完全に他人事として読んでいたからハッとさせられました。 他者の気持ちを自分ごととして受け止められる優しさを持った人間になりたい。
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同じような境遇の2人の女の子がそれぞれの人生を歩む話。 重苦しかった...どこで間違えたんだろうってマミは思ってるんだろうなぁ、心に余裕を持つことは人生において1番大事だな。
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Aの道に進もうか?それともBの道?道があるだけまだましなのか。 報われない、苦しい日々が続く、何もかも奪われたかのように思っても、それでも守るものひとつさえあれば…と。読み進めていくと苦しくなる。いろいろ考えさせられる話だ。 装画(装丁)の果物ってザクロなのかな。 花言葉は死と再生。他にも意味はあるみたいだけど。
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家出少女、伊沢綾希はグリーンヴィラというシェアハウスに入居した。 そこで出会った少女、関井眞実は少し馬鹿で、そしてとても素直な少女だった。 同じ境遇にいたはずの二人は、いつしか別々の道へと進んで行く。綾希は喫茶店を営んでいる季枝と、その息子である陸と出会い、眞実はヴィラのオー...
家出少女、伊沢綾希はグリーンヴィラというシェアハウスに入居した。 そこで出会った少女、関井眞実は少し馬鹿で、そしてとても素直な少女だった。 同じ境遇にいたはずの二人は、いつしか別々の道へと進んで行く。綾希は喫茶店を営んでいる季枝と、その息子である陸と出会い、眞実はヴィラのオーナーの知り合いである海里と出会い、その友人の亮と出会う。 幸せな道へ進んでいく少女と、死を迎えてしまう少女。 二人に違いは何もなかった。 ただ、出会った人が、ついてく人が悪かった。 居場所が欲しくて、その居場所を守るのに必死で、ただ幸せでいたかっただけなのにね。 解説で書いていた「他者の気持ちを自分のことのように受け止める力」が、少しは主犯の少女にあれば…。
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少女葬。 櫛木理宇さん。 家出少女。 シェアハウス。 家庭環境。 貧困。 肝心なのは金じゃない。 「やりがい。」と「居場所なんだ。」 おれは必要とされている。おれはここにいていい。 心の叫び。助けて。 同じような境遇でも、 明暗が分かれる。 自分とは違う世界のお話。 ...
少女葬。 櫛木理宇さん。 家出少女。 シェアハウス。 家庭環境。 貧困。 肝心なのは金じゃない。 「やりがい。」と「居場所なんだ。」 おれは必要とされている。おれはここにいていい。 心の叫び。助けて。 同じような境遇でも、 明暗が分かれる。 自分とは違う世界のお話。 とは、限らない。 考えさせられた本でした。 大矢博子さんの解説も、良かった。
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低所得者や訳ありの方が入居される格安シェアハウスのグリーンヴィラに住む2人の少女の運命を描いた悲劇。他にもヤンキー女、闇落ち女、お母さんと呼ばれる不気味な女など多彩な女性が登場してくるが特にヤバイのが失踪した少女を探しにきた母親。一見娘の為と思わせつつ自己中心的で犯罪者でないが心...
低所得者や訳ありの方が入居される格安シェアハウスのグリーンヴィラに住む2人の少女の運命を描いた悲劇。他にもヤンキー女、闇落ち女、お母さんと呼ばれる不気味な女など多彩な女性が登場してくるが特にヤバイのが失踪した少女を探しにきた母親。一見娘の為と思わせつつ自己中心的で犯罪者でないが心の闇が深い人物として描写されている。 自分もかつて全寮制の酷い施設で暮らしていた経験があるためか内情は理解しやすかった。 後半につれて対比的になる描写が一層痛々しくなる。
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櫛木理宇さんは2冊目。以前「世界が赫に染まる日に」を読んだことがあったが同著とは気付かなかった。 この本は友人からの勧めで読んだわけだが、なかなか私のことを分かってらっしゃる。 まず面白かった。貧困層が集まる怪しげなシェアハウス、しかもドミトリーに住む家出少女の綾希。そこで出...
櫛木理宇さんは2冊目。以前「世界が赫に染まる日に」を読んだことがあったが同著とは気付かなかった。 この本は友人からの勧めで読んだわけだが、なかなか私のことを分かってらっしゃる。 まず面白かった。貧困層が集まる怪しげなシェアハウス、しかもドミトリーに住む家出少女の綾希。そこで出会った同世代の眞実。2人には友情が芽生えるのだが、人との出会いや性格の違いもありそのゴールはどんどん離れていく。1つ違えばこんなにも…とその対比が面白い。そしてこの物語のピーク、リンチの描写が素晴らしく残酷で巧い。救いは眞実の指のリング。
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シェアハウス・グリーンヴィラに住む16歳の家出少女、綾希と眞美。 住民はみな世の中の弱者やはみ出し者ばかり。 綾希がささやかな幸せと出会い少しづつ安心感を持てるようになるとともに、眞美は派手な世界に憧れ無理をし居場所を失っていく。同時に書かれているので2人の違いに胸が痛んだ。 家庭問題、弱者食いなど重いテーマが続くが、やっぱりリンチのシーンが一番辛かった。
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2020年、17冊目は、コレも今年、固め打ちの櫛木理宇。 家出少女の綾希と眞実。二人は、年齢制限なし、保証人なし、敷金礼金なしの劣悪なシェアハウスで出会う。二人の間には、ほのかな友情が芽生えるが、次第にすれ違うようになっていく。 櫛木理宇のダークサイド、若年層が主人公のクライ...
2020年、17冊目は、コレも今年、固め打ちの櫛木理宇。 家出少女の綾希と眞実。二人は、年齢制限なし、保証人なし、敷金礼金なしの劣悪なシェアハウスで出会う。二人の間には、ほのかな友情が芽生えるが、次第にすれ違うようになっていく。 櫛木理宇のダークサイド、若年層が主人公のクライム系。平山夢明が描くソレとは異なる、最下層の人々の物語。 勧善懲悪を好む方々、ハッピーエンドを望む方々、暴力描写が苦手な方々、健全な若人、現実とフィクションの線引きが出来ない方々、にはススめません。 「解説」ド頭の一文「小説を読むという行為は、想像力の娯楽だ。」と考える方々に読んで欲しい。もちろん、その鋭いトゲは内側に向いているコトを了承の上で……。 他にも書きたいコトあるが、今作に関しては、受け取り方を規定するのも良くない気がする。なので、あまり多く語らない方がイイと思える。そんな、こんなで、★★★★☆は少し甘めだが、前述の解説の一文含めての、個人的評価。
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裏表紙からバイオレンスな印象を受けるが中身は貧困層の話。同じ境遇でもちょっとしたきっかけで運命が変わっていく二人。平行して進む二本の線が、どうか交わりませんようにと祈りながらページをめくる。切ない。
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