少女葬 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結局は《運》なのだ。 彼女が生き延びたのも 彼女があんな目に遭ったのも 「彼女だから」というわけではなく 誰と出会ったか どんな言葉を吐いたか 神様はいたのか そう、全ては運なのだ。 どちらがどちらの道に行ってもおかしくなかった。 私が今、こうして暖かい部屋の中で 本を読んでいられるのも《運》が良かったから。 それを噛み締めて、生きていかなければならない
Posted by
社会派小説?なのかな…あまり読んだことないタイプだったので初めは読み進めるのに苦労しましたが、後半からはノンストップ。苦境から自力で抜け出して普通の幸せを手に入れた主人公と、目先の贅沢や楽しみに飛びついた結果残酷な最期を迎える友達の対比が上手い。ところどころご都合主義というか、そ...
社会派小説?なのかな…あまり読んだことないタイプだったので初めは読み進めるのに苦労しましたが、後半からはノンストップ。苦境から自力で抜け出して普通の幸せを手に入れた主人公と、目先の贅沢や楽しみに飛びついた結果残酷な最期を迎える友達の対比が上手い。ところどころご都合主義というか、そんな上手くいく?という点が特に主人公側にあったけど、それもこの落差を目立たせるためと捉えることもできるかな… 何より怖いのはこの話に出てくるようなビジネスが実際に行われているということだと思った。弱者につけ入る大人はいなくなって欲しい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とあるシェアハウスの劣悪な環境のなかで寝食を共にした2人の少女。別れからしばらくして、うち1人は壮絶なリンチの果てに殺されてしまうが、もう一方の少女は幸せとも形容できる生活を手に入れる。もといた場所は同じだったはずなのに、何が2人の道を分けてしまったのか。 冒頭で2人の名前は書かれておらず、どちらがどちらかの少女なのかはわからなくなっている。あとがき(解説?)にこれは2人はいつ立場が入れかわってもおかしくなかったということを暗に表現しているとあり、そういうことかぁとどこか納得できた。作中に『弱さは罪、馬鹿は罪』という言葉があるが、原因は全て彼女にあってしまうのだろうか。 ラストシーンでは物語が2人の目線で交互に描かれ、その間の落差、溝みたいなものが浮き彫りになっていく。もう辛い。しかし、次の展開が気になって目が離せず、最後まで一気読みしてしまった。文章は読みやすいが決して軽いわけではなく、読みごたえがある。とても面白い一冊だと思う。
Posted by
えぐい。おもしろくはない。 けど、すごい続き気になってしまった。めっちゃ一気読み。 上下のない人間になりたい。
Posted by
誰もこんな目に遭わないでほしい。誰も食い物にされないでほしい。本を読んでほしい。自分で考える力を、外の世界を見る力を持ってほしい。でもその力って、私はどうやって獲得した?親から与えられたんじゃないか? 本を買ってもらった。図書館を教えてもらった。言葉と思考を与えてもらった。じゃあ...
誰もこんな目に遭わないでほしい。誰も食い物にされないでほしい。本を読んでほしい。自分で考える力を、外の世界を見る力を持ってほしい。でもその力って、私はどうやって獲得した?親から与えられたんじゃないか? 本を買ってもらった。図書館を教えてもらった。言葉と思考を与えてもらった。じゃあ親に何も与えてもらえなかった子は、どうしたらいいんだろう。道を踏み外したのではなく、初めから道の上にいなかった子は、どうすればいいんだろう。 結局、ラッキーな自分の運命に安堵して、アンラッキーには触れないように、臭いものには蓋をしてこれからも生きていくんだと思う。そして願わくは、自分の大切な人にもそう生きてほしい。
Posted by
冒頭で凄惨な少女の死に様が出てくるので、単なるグロテスクな物語かと積ん読にしていたが、とんでもなかった。 「あかんもんは、あかんのよ。それだけ」 二人の少女の先行きを変えたそれぞれの出会い。 出会いをきっかけとしてそれを自分の人生としていくことを、この物語の少女に自己責任と切り捨...
冒頭で凄惨な少女の死に様が出てくるので、単なるグロテスクな物語かと積ん読にしていたが、とんでもなかった。 「あかんもんは、あかんのよ。それだけ」 二人の少女の先行きを変えたそれぞれの出会い。 出会いをきっかけとしてそれを自分の人生としていくことを、この物語の少女に自己責任と切り捨てるのはあまりにも酷いが、だからといって自分に何かできるかと言われると何も思いつかない。 読み終わっても物語が消化できない。物語の少女たちの穏やかな幸せを願いたい。
Posted by
物語冒頭で、すでに少女が一人集団リンチにかけられて死んでいる。その死体の写真を後生大事に保存して見返すにも少女。本編はこれより過去の話になるが、訳ありの住人が集うアパートの描写も、そこに住まう人たちの事情も何もかも辛い。主人公と仲良くなった少女の転落っぷりが何より辛かったけれど、...
物語冒頭で、すでに少女が一人集団リンチにかけられて死んでいる。その死体の写真を後生大事に保存して見返すにも少女。本編はこれより過去の話になるが、訳ありの住人が集うアパートの描写も、そこに住まう人たちの事情も何もかも辛い。主人公と仲良くなった少女の転落っぷりが何より辛かったけれど、最後まであの写真の少女はどっちなんだ?ってハラハラしてしまった。 人にはあまり薦められないけれど、読んでみて心にとてつもない棘をブッ刺してくる、そんなお話でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
貧困ビジネスに食い物にされる若者を描いている。行き場のなくなった人たちが集まるシェアハウスで出会った綾希、リカ、眞実の3人のそれぞれの顛末が読んでいて辛い。冒頭でリンチ殺人の描写があり、そこに至るまでの経緯が物語として進められるが読んでいて辛い部分が多い。最後は綾希の初めて知る幸せの描写と眞実のリンチされている描写が交互に出てきて、その対比で余計に凄惨さがよりひどく感じられる。
Posted by
綾希と眞美、同い年の家出少女。シェアハウスで出会い、二人を取り巻く劣悪な環境は同じだったハズなのに、それぞれの選択の一つ一つが、二人を明と暗に分けていく。プロローグで凄惨なリンチが待ち受けているのが分かっているので、終盤に向かうにつれ描かれる二人の対比に胸が締め付けられた。眞美ち...
綾希と眞美、同い年の家出少女。シェアハウスで出会い、二人を取り巻く劣悪な環境は同じだったハズなのに、それぞれの選択の一つ一つが、二人を明と暗に分けていく。プロローグで凄惨なリンチが待ち受けているのが分かっているので、終盤に向かうにつれ描かれる二人の対比に胸が締め付けられた。眞美ちゃん、素直でいい子だったのに。こんな最期になってしまった事が悲しい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2023 4/24 地獄みたいな小説を読んでしまった。 こんな結末ならいっそのことふたりとも不幸になって終わってほしいとも思った。片方が幸せに、もう片方は体はボロ雑巾のようにリンチされて殺される始末。酷すぎる ただ自分はそういった胸糞悪すぎる地獄のような小説が好きです
Posted by