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マジカルグランマ の商品レビュー

3.4

155件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    64

  4. 2つ

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2019/08/18

元女優の正子さん,生きること目立つ事に貪欲に,マジカルグランマを超えるグランマへと成長,お化け屋敷のくだりは周りの人たちもピッタリ役にはまってワクワクした.失敗や批判もなんのその,逆手にとっての快進撃,言いたいことを言って大団円?ですよね.

Posted byブクログ

2019/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公は70代の元女優、正子。映画監督と結婚し、家庭に入って50年。子育てに義母の介護、自分の両親も見送ってきた。女の噂が絶えない夫とは同じ敷地内で別居状態。 離婚と、経済的な自立を目標にもう一度女優に挑戦することに…。 理想のおばあちゃんとして売れっ子になった後の騒動。これからどう立ち上がっていくんだろうと読み進めてたら、「マジカルニグロ」という言葉に出会う。 ハリウッド映画に多用される、白人を救済するためだけに存在する、魔法使いのようになんでもできる献身的なキャラクター。 マジカルゲイというのもある。 楽しくておしゃれでおせっかい。主人公の恋愛や仕事を手助けしてくれる存在だ。 そして、正子はマジカルグランマ。世間の求めるステレオタイプを演じていた。 でも、それは声を持たない人を傷つけることにならないか?押し付けを強化し、そこからこぼれた人々を辛い立場に追いやってきたのではないか? マジカルニグロは白人しか助けない。マジカルゲイはヘテロセクシャルしか助けない。マジカルグランマは健康な若者しか助けない。なぜなら差別する側にとって都合よく作られた人物だから。 読んでいて、気づかずに自分だってどれだけ差別してきたか、抑圧してきたか…って考えてしまってうわぁぁとなってしまう。 何にでもマジカル〇〇はあると思う。それに気づいてすらいないというのが本当に怖い。 正子さんが「よく食べれて、よく眠れて、ここに空気清浄機があるならそれでいい」と息子に対して思えたのは、自分がたくさん苦しめられたというのもあるだろう。 ラストは痛快。

Posted byブクログ

2019/08/01

75歳の正子さん 仮面夫婦がばれたり 借金を背負っても どこか楽しんでいるような 痛快な暮らしぶりが清々しい。 どこまでも奇想天外な主人公に少し憧れました

Posted byブクログ

2019/07/21

元女優の正子。結婚後は引退し主婦となるが、75歳にして俳優業に復帰した。理想のおばあちゃんとなるも、ここ5年ほど口もきかぬ人となっていた映画監督の夫が亡くなる。仮面夫婦がばれて人気が落ち、さらに相続によりお金が必要になることが判明。夫に憧れてやって来た監督志望の杏奈、そして近所の...

元女優の正子。結婚後は引退し主婦となるが、75歳にして俳優業に復帰した。理想のおばあちゃんとなるも、ここ5年ほど口もきかぬ人となっていた映画監督の夫が亡くなる。仮面夫婦がばれて人気が落ち、さらに相続によりお金が必要になることが判明。夫に憧れてやって来た監督志望の杏奈、そして近所の人々とともに降りかかる危機を正子はどう切り抜けるのか。 普通で一般的な高齢者が主人公の小説ではない、元女優ね。『風と共に去りぬ』を絡め、自分の生きる道を探る正子のお話。元女優の彼女がどんなことをしてゆくのか興味深く読み進めた。しかし、物語の世界に上手く入っていけないのか、無理に作っている感があり馴染めなかった。後半のお化け屋敷を作るところからエンジンがかかった風であるが。"マジカル"より自分の道を突き進んだ正子の姿は良かったけれどね。

Posted byブクログ

2019/07/15

書館で借りたもの。 いつも優しくて穏やかな「理想のおばあちゃん」(マジカルグランマ)は、もううんざり。夫の死をきっかけに、心も体も身軽になっていく、75歳・正子の波乱万丈。 はじめは正子の自分勝手な所についていけなかった。 杏奈の撮影する映画に無理矢理写ろうとするところとか...

書館で借りたもの。 いつも優しくて穏やかな「理想のおばあちゃん」(マジカルグランマ)は、もううんざり。夫の死をきっかけに、心も体も身軽になっていく、75歳・正子の波乱万丈。 はじめは正子の自分勝手な所についていけなかった。 杏奈の撮影する映画に無理矢理写ろうとするところとか。 人が嫌がってるならやめろよ!と思った。 後先考え無さすぎな行動も、嫌だなぁって思いながら読んでたけど。 「後先がいつまで続くか分からないから必死なんだ」って気づいて。 それでも周りに居たらやっぱり嫌だ(笑)

Posted byブクログ

2019/07/14

主人公は若くして女優デビューしたものの、結婚を機に引退して専業主婦になった正子。御年74歳。あるきっかけから携帯電話会社のCMで再デビューを果たし、「日本のおばあちゃんの顔」としてブレイクしますが、急死した夫の「お別れの会」での不用意な発言により日本中からバッシングを受けることに...

主人公は若くして女優デビューしたものの、結婚を機に引退して専業主婦になった正子。御年74歳。あるきっかけから携帯電話会社のCMで再デビューを果たし、「日本のおばあちゃんの顔」としてブレイクしますが、急死した夫の「お別れの会」での不用意な発言により日本中からバッシングを受けることになります。起死回生の策として、自宅をお化け屋敷のテーマパークにすることを思いつくのですが・・・ というお話です。 正直、『BUTTER』と比べてチープな感じは否めませんでした。 まああちらは登場人物にモンスターがいましたし、比べるのはナンセンスかもしれないですけど。 全体的に描き込みが薄い印象です。週刊誌連載なので場面展開を急ぎすぎたのではないでしょうか。 所々で笑えるポイントもあって、それはそれで楽しめたのですが、やっぱりちょっと物足りないですね。というか、もっと主人公をはじけさせてもよかったのでは? ぽっくり逝かせろとまでは言いませんが、もっともっと悪意を込めて欲しかったです。奥田英朗さんはこういうの凄く上手いんですけどね。 肝心のお化け屋敷も、うーん、こんなにうまいこといくかなあと。ネットに溢れる情報の中からユーザーに選ばれて話題になること自体がかなり難易度の高いことのように思えるのですが、そこがあっさりクリアされている点も不満です。最初は閑古鳥が鳴いていたけど、あるきっかけで人が押し寄せる、としたほうがリアリティがあったと思います。 それでも、物語の中でハラスメントやLGBTなどの社会問題を描いたり、差別意識が「社会がこうあるべきだ」という窮屈な思考回路から来ていることを示した点なんかは、柚木さんらしくてすごくいいと思いました。 柚木さんの言いたいことにはまったくもって同感ですし、挑戦意欲も買っているので、これに懲りずに、またいい作品を期待してます。

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2019/07/03

柚木さん、好きだったんだけどなぁ。。。 どうしちゃったんだろ、っていうくらいひどい出来と思ったんですが、もしかしたら私自身が年を取って彼女の描くものに感化されなくなっただけなのかも。 デビュー作の終点のあの子とかほんとうによかったのに。 出てくる登場人物全員が好きじゃなかった。...

柚木さん、好きだったんだけどなぁ。。。 どうしちゃったんだろ、っていうくらいひどい出来と思ったんですが、もしかしたら私自身が年を取って彼女の描くものに感化されなくなっただけなのかも。 デビュー作の終点のあの子とかほんとうによかったのに。 出てくる登場人物全員が好きじゃなかった。魅力的じゃなかったし、相変わらずのドタバタっぷり。 いろんな映画作品の比喩と最近話題になったものなどつめこみまくっていて、読んでいて疲れた。 直木賞ノミネートされているのか。。。うーん

Posted byブクログ

2019/07/13

なんとまぁ、元気なおばあちゃん。 何だかんだ疲れてるわりに意欲的なのは、 生きてくために必死だからかもしれない。 安泰とか安心とは真逆のところにいるのに ほんとよくも悪くもポジティブだ。 まだまだいろんなことあるよ、 楽しんで生きなさい、 と態度で示されてるみたいだった。 ...

なんとまぁ、元気なおばあちゃん。 何だかんだ疲れてるわりに意欲的なのは、 生きてくために必死だからかもしれない。 安泰とか安心とは真逆のところにいるのに ほんとよくも悪くもポジティブだ。 まだまだいろんなことあるよ、 楽しんで生きなさい、 と態度で示されてるみたいだった。 年齢、性別、職業、その他諸々だけで 人を決めつけちゃいけないなぁ。 メルカリでガンガン家財道具を売り飛ばしていくのと 最後のオチは笑えたなぁ。

Posted byブクログ

2021/03/20

元女優で長らく専業主婦だった正子は、長らく敷地内別居中ながら離婚に応じてくれない夫と別居するための費用を稼ぐため、シニア俳優派遣事務所に登録。オーディションに何度も失敗しながらも、髪型と髪色を変えることによってついに携帯電話のCMに起用され一躍有名人になるのだが…。 柚木さんの...

元女優で長らく専業主婦だった正子は、長らく敷地内別居中ながら離婚に応じてくれない夫と別居するための費用を稼ぐため、シニア俳優派遣事務所に登録。オーディションに何度も失敗しながらも、髪型と髪色を変えることによってついに携帯電話のCMに起用され一躍有名人になるのだが…。 柚木さんの作品を読むたびに『~べき』というものを削ぎ落とされ自由になっていく気がする。 例えばアッコさんシリーズでは派遣社員だの正社員だの、そもも社員だのの『~べき』から抜け出し、「伊藤くんAtoE」ではイケメンの輝かしくあるべき恋愛遍歴を見事木っ端微塵にしてくれた。 この作品でも最初の正子は世間が求める「おばあさん」像を見事に体現したことによって人気を掴むものの、それは正子の本当の姿ではない。だから夫の葬儀の場で正子の本音を晒した途端に大バッシングに遭ってしまう。 物語のためだけに作られた都合のよいステレオタイプなキャラクターのことを『マジカル~』と言うとは初めて知ったが、正子が初めに演じたCMのキャラクターはまさに『マジカルグランマ』だった。 『マジカルニグロは白人しか助けない。マジカルゲイはヘテロセクシャルしか助けない。そしてマジカルグランマは健康な若者しか助けない。なぜなら、差別する側によって都合よく作られた人格だからだ』 もちろん仕事として引受け契約した以上は、『マジカルグランマ』を演じ続けるのは当然だろう。だがそれを葬儀というプライベートな場面でありながら公然の場で崩してしまった正子は、一見迷走しているように見えつつもグイグイと前に進む。 『マジカルグランマ』ではなくなった正子ではあるが、正子はその積極的な行動で周囲を巻き込み(勝手にやってきた人もいるが)、そのことで周囲の人々を再生させていく。 同居する若い杏奈も驚くように、まるで生き急ぐかのように様々なことに挑戦する。 それでいながら色んなことを柔軟に受け入れる鷹揚さもある。それが何故夫だけは受け入れ難かったのか。 この流れであれば最後は大団円で正子は再びシニア女優として見事に返り咲き…となるのだろうが、そこは柚木さんのこと、ひと味もふた味も違う結末が待っている。

Posted byブクログ

2019/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

75歳の元脇役女優の正子さんのお話、しかし世間が思っているような若者思いのステレオタイプのおばあちゃんではない、自分のことしか考えないワガママなおばあちゃんだ、しかしそのバイタリティがすごい、周りの人々も巻き込んで幸せをもたらせる、その挙句その歳でハリウッドでブレイクしようとしたが、自分の親友今や認知症になってしまった陽子ちゃんに役を取られてしまうというオチ、だがそれでもまだ諦めない、正子さんの人生はまだこれからのようだ。人生はまだまだ終わらせないという老人へのエールのような小説であった。

Posted byブクログ