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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2019/04/05 |
JAN | 9784022516046 |
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商品レビュー
3.4
155件のお客様レビュー
70代の優しいおばあちゃん役で人気を博した主人公。夫が亡くなった際の葬儀で、ついつい記者に本音を出してしまったことで炎上して日陰者に。 それでも、表舞台に立ちたいし、自分のやりたいと思ったら躊躇しないアクティブな精神は削れることなく、ついぞホラーハウスをやることになった。 年...
70代の優しいおばあちゃん役で人気を博した主人公。夫が亡くなった際の葬儀で、ついつい記者に本音を出してしまったことで炎上して日陰者に。 それでも、表舞台に立ちたいし、自分のやりたいと思ったら躊躇しないアクティブな精神は削れることなく、ついぞホラーハウスをやることになった。 年齢というステレオタイプに縛られない生き方が印象的。 最初こそあまりテンポが上がらず、どこまでいくのか…と思っていたものの、ホラーハウスの話からどんどん面白くなった。 主人公の周りを振り回す姿に多少Oh…となったけど、でもこれこそリアルな人間の姿かもしれない。
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面白かった。 自分勝手でわがままな主人公。 でも、情に厚いところもあって憎めない。 あんなおばあちゃんになりたいなぁと思うけど、私には無理だな。 マジカルグランマとは、おばあちゃんはこうあるべき。世間的に理想的なおばあちゃん像。 世間の思い込みに合わせる必要はない。自分は自分らし...
面白かった。 自分勝手でわがままな主人公。 でも、情に厚いところもあって憎めない。 あんなおばあちゃんになりたいなぁと思うけど、私には無理だな。 マジカルグランマとは、おばあちゃんはこうあるべき。世間的に理想的なおばあちゃん像。 世間の思い込みに合わせる必要はない。自分は自分らしく!を貫く主人公が素晴らしい。 ラストまで自分を貫いてる逞しさに感動しました。
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「マジカルグランマ」 おばあちゃんとは思えないほど、若々しくオシャレして、どんどん活躍するおばあちゃんのことだと思っていたが全然違う意味だった。 元女優、75歳の浜田正子は、映画監督との結婚と同時に主婦生活を送っていたが、姑たちの介護も終わって再び女優として返り咲いた。憧れの大物...
「マジカルグランマ」 おばあちゃんとは思えないほど、若々しくオシャレして、どんどん活躍するおばあちゃんのことだと思っていたが全然違う意味だった。 元女優、75歳の浜田正子は、映画監督との結婚と同時に主婦生活を送っていたが、姑たちの介護も終わって再び女優として返り咲いた。憧れの大物女優、「紀子ねえちゃん」のアドバイスで、髪をラベンダー色混じりの綺麗な銀髪に染め、実際よりもおばあちゃんらしい外見にし、有名携帯電話のコマーシャルに若手人気俳優の「優しくて穏やかな理想のおばあちゃん」役として出演してブレイクした。 ところが家庭内別居していた夫が亡くなり、マイクを向けたマスコミの前で、「せいせいした」ような態度が思わず出てしまったせいで、世間からバッシングされ、仕事が無くなってしまった。 再び、小さな仕事でもつかもうと面接に挑んだ小さな芸能事務所での会話で思わぬことを知った。それは、自分がずっと大好きだった映画「風とともに去りぬ」のマミーという黒人メイドは、白人を救済するためだけに存在する魔法使いのように(マジカル)なんでも出来る献身的な黒人キャラクター「マジカルニグロ」として問題視されているらしいということだった。同じように「マジカルゲイ」という言葉もあり、ドラマなどで物語を進めるためだけに存在する、楽しくてオシャレでおせっかいで、主人公の仕事や恋愛を手助けしてくれる女言葉をつかう男性キャラクターとして批判されているということも知る。では、正子がブレイクしたコマーシャルで演じてのいた「優しくて穏やかなおばあちゃん」は若い人にとって都合の良い「マジカルグランマ」ではなかったか?実際の正子と同様、普段の生活の切り盛りに大変で、子供や孫に穏やかな笑顔ばかり向けられないシニア達だって沢山いるのに「マジカルグランマ」はそんな実際のシニアの多くを傷つけてきたのではないか? 正子は一念発起して、夫の親が建てた自宅である古風なお屋敷をお化け屋敷にして、自分の「嫌われキャラ」となってしまった個性を逆手にとり、恐ろしい幽霊を演じて、一世風靡した。 75歳というシニアになっても目立ちたい、我儘な性格だが、それが行動力になり、居候していた映画監督志望の杏奈に脚本を書かせたり、隣人のゴミ屋敷のお爺さんの家から「お化け屋敷」に必要なものをどんどん調達した上、キャストとして参加してもらったり、隣の自律神経失調症で休職中の男性一家にも企画や物販で参加してもらったり、息子とその彼氏にもスタッフとして参加してもらったりと、周りの居場所のなかった人たちをどんどん巻き込んで、独自の仕事を生み出していった。そして、全国で「お年寄りがお化けを演じる」ブームを巻き起こし、杏奈は「映画監督」として歩き始めることが出来るようになった。正子が期待したほど、正子自身の名前は広まらなかったが、杏奈を始め、周りの人に「自分はこんなことが出来る」という自覚を目覚めさせ、活躍の場を作ることになった。そして、正子も杏奈も「自分が活躍できるのは自分の才能ではなく、周りの人の協力があるから」と改めて認識することになった。 昭和の頃に求められていたような典型的な「良妻賢母」は「マジカルワイフ」とでもいうのだろうか?若い人の生き方に今はそういうのは求められていない。ファッション誌などを見てると、仕事を家事と子育てをかっこよくこなす「マジカル・ワーキングウーマン」みたいなのも取り上げられているけれど、そういう理想像に今の女性は苦しめられていない? 世間の求める理想像にはみんななれないから、仮面を脱ぎ捨てて、隣人と先ずは出来ることから始めるとそこから思わぬ本当の意味での「マジカル・ワールド」が開けるのかもしれない。元気の出る小説。そして思っていたより勉強になった小説だった。
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