検事の信義 の商品レビュー

柚月裕子(著者)

2024/10/24

佐方貞人は事件に使用されたトリックなどよりもそこにある人の声にできない声に耳を傾ける。
これまでのシリーズ作からすると若干勢いが削がれたような印象を受ける。それでも綺麗にまとめられているし、何よりも事件の渦中にいる「ひと」の声や、人間という生き物の姿を描こうとしているように見える。そう考えるのは大袈裟だろうか。

2024/07/18

佐方貞人シリーズ第四弾

1〜3話目はなんとなくスッキリしない終わり方でモヤモヤしたが、4話目はとても良かった。　
単なる介護苦からの身勝手な殺人にせず、
わずかな違和感から犯人の親を想う気持ちに辿りつく。
さすが佐方検事！

そろそろ検事を辞めたキッカケとなった事件を書いてほしいな〜。
弁護士になってからの話でも良いし。

2024/06/23

弁護士と検事。
強引に立件しようとする検事と真実を突き止めようとする弁護士が一般的なモチーフだが、これは例え自身が不利になったり立場が危うくなったとしても真実を突き止めようとする検事のお話。
風変わりなキャラで真相を突き止めていく主人公が弁護士ではなく検事と合っていて一気読み。
小説は若い時は未知ゆえの新鮮さから歳を重ねると経験ゆえの共感に変わる。

2024/05/08

佐方貞人シリーズ第四段♪
四つの短編集からなる
今までの三作に比べると、イマイチ入り込めなかった
ちょっとあっさりしているような感
前作『検事の死命』が良過ぎた
しかし今作四話目『信義を守る』はいつも通り面白かった
介護の問題は他人事ではない
あ〜、お金って大事
そして上司も大事

毎回思うけれど、「ふくろう」や「ハイライト」等の設定が女性が描いたと思えない⸜(*^^*)⸝⸃⸃
そこだけではないけれど

そして弁護士佐方の姿をもう一度見たい☆.*.｡:*・゜

2024/09/15

本棚にあるのにきがついていたが、内容は全く覚えていなかったので再読。
やはり記憶なし。短編集であることにもきづかず。途中までなんとなく合わない感じがしていたので、初回はざっとしか読んでないかもしれない。今回　一気読み。
この人は短編は同じシリーズだとしても、なにか違う気がする。じっくり長編の中で作品をしあげていく。次はそんな作品をよもう。

2024/04/22

検察官の話

少しづつ短編になっていて読みやすい

窃盗事件を起こし自分を父が進んで認知したがっていたと証明したかった愛人の息子

覚醒剤取締法で捕まった事件でいろんな思いが交差していた

ヤクザの抗争検察の内部告発で内部の闇

介護の末の母親を殺し矛盾点がある被告人

見えているだけではなく気になったところをきちんと見て真実に辿り着く

正義のもとに仕事をする人はこういう人であってほしい

2024/04/05

今一推しの柚月裕子さん。
そして佐方貞人シリーズ。

今回も面白く読ませていただきました。
虎狼の血シリーズのコラボもあり、
色々と楽しませてもらいました。

佐方の様な生き方、憧れますね。
ただ私には無理なので
小説の中で夢を見させてもらっています。

次もあると期待します。

2024/02/04

秋霜烈日。

ってな事で、柚月裕子の『検事の信義』

検事の佐方貞人と、事務官の増田陽二コンビの検事シリーズみたいね。

「罪はまっとうに裁かれなければならない」

佐方の正義を貫く為に妥協無き捜査を繰り広げ、闇に隠れる真実を暴き出す。

裁きを望む
恨みを刻む
正義を質す
信義を守る

の短編集。

短編集ながらどの編もスピード感があってドキドキしちゃう

法律の勉強にも少しなるかな

柚月裕子さんの本は熱くて面白いやつが多いね

佐方貞人シリーズは他のも読んでみよ

2021年39冊目

2023/12/26

今回の『 検事の信義 』は、4編からなる短編集となり、そのうちの一編の粗筋。
相変わらずの活躍を示す佐方検事だが、またしても公判部に回ってきた一件の事案に疑問を抱く。
母親の介護に疲弊した息子の道塚昌平が、重度の認知症を患った母親を殺害した事件だ。
母親の須恵は、自宅近くの山林で絞殺死体で発見された。
警察は同居していた息子の昌平を重要参考人として捜査していたところ、５キロ離れた隣町でフラフラしているところを職務質問をされ、その後自供をもとに犯人として逮捕された。
佐方検事は、昌平が母親を殺害した後の逃走状況に疑問を抱く。
必死の逃走を企てていたならば、何故に５キロ先の町でフラフラなどせず、遠方に向かって逃走しなかったのか⋯。
疑問を抱いた佐方検事は、昌平の近辺の人たちに人物像を聴き及ぶ。
結果、昌平を語る殆どの人たちは昌平の人柄を良く言うばかりで、母親殺しは信じ難いとの声が寄せられた。
しかし昌平は警察の調書でも自己中心的な考えで母親を殺害したと自白している。
しかも、母親の介護という苦しい状況から情状酌量の判決すら求めず、自分に不利な発言を繰り返している。
この疑問に、佐方検事は果敢に真実を求め、なぜ昌平が犯罪に至ったのかの調査を始めるのだ。

2023/11/08

佐方さんが検事時代の短編集。「無罪は正しく無罪に」「罪は真っ当に裁かれるべき」を信念に持つ佐方さんこそ検事でいて欲しかったと思わずにはいられない。短編集の中で突然出てきた日岡秀一など嬉しくなりました。今度は長編を期待します。