手のひらの京 の商品レビュー
自分が学生時代に住んでいた部屋の近くに奥沢家はあるのだろうか、凛が通っている大学は自分が通っていた大学がモデルそうだ、と、かつて京都に住んでおり、当時を思い返したい人にオススメ。 ジュンク堂書店三宮駅前店にて購入。
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京都の描写がうまい 自分が大学時代に見たことのある景色を何度も思い出した 三姉妹がそれぞれ性格が違うところもでも家族としてわかりあってるところもよかった
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京都を舞台に三姉妹を描く。 個性が違う三姉妹がそれぞれの人生を、それぞれの歩幅でしっかりと歩いて行く。 京都出身の作者が書く「京都あるある」は京都人の僕にとってはニヤリとできるものだった。 ただ残念なのは、大文字の送り火のことを「大文字焼」と書いていたこと。 それを何度も何度も。...
京都を舞台に三姉妹を描く。 個性が違う三姉妹がそれぞれの人生を、それぞれの歩幅でしっかりと歩いて行く。 京都出身の作者が書く「京都あるある」は京都人の僕にとってはニヤリとできるものだった。 ただ残念なのは、大文字の送り火のことを「大文字焼」と書いていたこと。 それを何度も何度も。 京都人は送り火のことを決して「大文字焼」とは言わない。 京都出身の作者がなぜこんな言葉を使うのだろう。 全く正気を疑う。 その点で評価を下げた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とっても美しい語りですごく気に入った。 京都の雰囲気と、わたしと同世代の三姉妹。 わたしは3人のどのタイプかなあって 京都から上京してきてる友達と重なった。 あの子によんでほしい。 にしても表現がひとつひとつ秀逸すぎて、 どうやったらこんな喩えが浮かぶんだろう?? どこまでも広がる空は柔らかさを残したまま夕方を迎え、玉ねぎを炒めたキツネ色に変化している。デミグラスソース色へと変わってゆくさまは自転車に乗りながら眺めよう、 ひさしぶりの琵琶湖とブラウンシュガー色の浜辺 空からは山から降りてくる澄んだ空気に乗って、涙の気配も運ばれてくる。 このね、結婚焦りうさちゃん
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四季折々の京都と、爽やかな三姉妹物語。 いいんじゃないか、なかなか。 解説にあるように川端とか谷崎に通じるわー。 綿矢りささんもスランプの時期があったと何かで読んだけど、こうして女性を描くことに良さを見いだしてきたように思う。
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面白かった。 今まで小説は学生が登場するものばかり読んできたけど、就職活動をして社会人としてこれから生きていく自分について考えるようになって、ふと「ほかの女性はどう生きてるんだろう?」と気になって読み始めた。 三姉妹の悩みはそれぞれで「わたしもこんなふうに感じるんだろうか」と...
面白かった。 今まで小説は学生が登場するものばかり読んできたけど、就職活動をして社会人としてこれから生きていく自分について考えるようになって、ふと「ほかの女性はどう生きてるんだろう?」と気になって読み始めた。 三姉妹の悩みはそれぞれで「わたしもこんなふうに感じるんだろうか」と思いながら読んだ。でも登場人物みんな悩みながらも、自分の気持ちや家族を思う気持ち、そういったささやかな、快い気持ちがじんわりと伝わってきたところが良かった。 あと個人的に京都という街がすごく好きなので、落ち着いたらカメラを持って旅しに行きたいなあ。
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優しい綿谷りさ作品。 三姉妹がそれぞれ力強くて、でも弱さもあって魅力的で可愛い! 三姉妹以外のキャラクターも味があって嫌いになれない。 京都に行きたかったから読んでみたけれどますます行きたくなった。
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大好きな作品です 綿矢りさが初めて地元の京都を題材にした作品 やっぱり京都って素敵だし、特殊な場所だな
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長い歴史の京都の描き方。 嫌味っぽく描かれることの多い 京都 を まっすぐに綺麗に描かれていると思いました。 最後の終わり方も、私は 凛の切ない心情がよく分かって好きです。 三姉妹の心の変化や成長を 本を通して読むことができて楽しかったです。
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どんな土地にもそれぞれの「お国柄」があるだろうけど、京都のそれは印象が強いなぁ、なんて思う。 生粋の京都人・奥沢一家は各々に「らしい」部分を持っている。三女・凜の、好きだけど一度出なければいけないとか、囲まれている気がするとかもそのひとつなのかな。そしてみんな地元を愛し誇らしく思...
どんな土地にもそれぞれの「お国柄」があるだろうけど、京都のそれは印象が強いなぁ、なんて思う。 生粋の京都人・奥沢一家は各々に「らしい」部分を持っている。三女・凜の、好きだけど一度出なければいけないとか、囲まれている気がするとかもそのひとつなのかな。そしてみんな地元を愛し誇らしく思っている。観光地化した街を住民ならではの目線、動線を利用して楽しんでいる。近年は観光公害が問題になっているが、したたかにやっていく力もまた、京都人にはあるんだろうな。 娘たち三者三様の人生をかいま見ながらも、私が感じていたのは物語を通して表現されている「京都」だった。住んでいない者にはなかなか見ることのかなわない側面でも、こうして人生模様とからめて読めるのは面白い。 綿矢さんの作品を読んだのは「蹴りたい背中」以来かも。やわらかく読みやすく、抑え気味の情感もいい雰囲気だった。 「心にある形の何かに似ている。痛み、憧憬、羨望。――凝縮した赤がきゅっと小さくて、目に染みる。」
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