とめどなく囁く の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前夫が海難事故で行方不明になり30歳年上の金持ちと再婚した女性のミステリー小説。 前夫の失踪宣告まで待っての再婚早々、前夫の影がちらつきだし、事故か自殺か狂言かを調べるうちに前夫の知らざる過去が次々と明らかになっていくところはテンポの良いミステリー調で引き込まれました。 それと並行して、前夫への思い、現夫への不満、現夫の同い年の末娘との確執などは、恋愛小説や家族小説風で、主人公の心情の揺れが繊細に描かれていると思いました。 ラストで前夫失踪の真相があっけなく明らかになるのですが、その真相は拍子抜けしてしまうものでした。 が、主人公が現夫と生きていこうと決心する姿が気持ちがよかったです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夫が釣り船で沖に出たきり行方不明になり、7年経ってやっと失踪宣告を受けた早樹は、夫の不在に自分の中でやっと折り合いをつけ、やはり妻を亡くした35歳年上の資産家・塩崎と再婚し、海の見える超高級分譲地の瀟洒な邸宅で暮らしている。その年の差から周りの目は好奇に満ち、早樹と同じ年の塩崎の末娘は悪意ある毒を吐き続ける。 そんなある日、元夫の姿が目撃される。そして、無言電話・・・夫は生きているのか、いや、そんなはずはないと心を乱される早樹は、夫の昔の釣り仲間に連絡を取り当時のことを調べ始める。 徐々に明らかになるのは、一番近くにいたのに誰よりも遠い夫の姿だった。 長いよながい~。2段組で440頁にわたる長丁場を、早樹の内面の揺れを中心にじっくりと描いていく過程はさすがベテラン女流作家。この感じ、桐野さんというよりは小池真理子さんの印象。あ、でもヒンヤリじゃなくてどんよりだから、やはり桐野さんか・・・ だけど、早樹が自分勝手で頑固な印象で最後まで好きになれなかったし、周りの人物も誰一人としていい感じの人がいなくて、とことん利己的で、まあ、それが人間らしいってことなんだけど、この400頁超えは修行のようだった。 結局、一番わからないのは自分の心なのかもしれないな~。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
M予約 とても気持ちの悪い話でした。 早樹の安定しない感情も、庸介のとんでもない行動も、彼の母親も。 単に羨ましいのは、早樹の嫁ぎ先での恵まれたくらし。 これが新聞小説だったのは驚き。
Posted by