鹿の王 水底の橋 の商品レビュー
鹿の王 続編。 ヴァンのその後かと思いきやホッサルのその後のお話。 医療と心の在りどころと政争。 「鹿の王」そのものの意味からは少し道がそれるが本編とはまた違った面白さがあった。
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『鹿の王』を読んだのが約4年前。その時の自分のレビューに“その後のヴァンやホッサル達の話もぜひ読んでみたいです。”と書いていたのですが・・・出ました! ヴァンは出てこないのですが、オタワルの天才医術師・ホッサルのその後の物語です。 オタワル医術と相対する、清心教医術のルーツに秘め...
『鹿の王』を読んだのが約4年前。その時の自分のレビューに“その後のヴァンやホッサル達の話もぜひ読んでみたいです。”と書いていたのですが・・・出ました! ヴァンは出てこないのですが、オタワルの天才医術師・ホッサルのその後の物語です。 オタワル医術と相対する、清心教医術のルーツに秘められた意外な真相が明らかになり、人の命と向き合う“医療“の在り方と背後にからむ政の思惑も含めて、興味深く展開していき、考えさせられるテーマとなっております。 ホッサルの恋人・ミラルとの関係も、身分の問題がクリアになりそうな、希望の見えるラストで良かったです。
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面白い! 上橋菜穂子、最高!! 次の作品を早く読みたいな。 上橋先生に新しい物語の種が来ますように。
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医術と政治と恋のお話(゜゜;)後半に土毒(食中毒)が出てきてからは手に力が入って疲れたけれど、終わりは良かった(*´∇`*)ヴァンとユナのその後も読みたいけれど、ホッサルとミラルのその後も読みたくなった(^^;)
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鹿の王の続編と思い読んだが、ヴァンとユナが出てこない、誰が鹿の王?ホッサルとミラルの物語であった。 題名の「水底の橋」ってちょっとしか書かれていない。 次期皇帝の争いと2つの医術の対立が折り重なって医療とは何かを考えさせられた。 次はヴァンとユナが出てくる続編を期待したい。 印象...
鹿の王の続編と思い読んだが、ヴァンとユナが出てこない、誰が鹿の王?ホッサルとミラルの物語であった。 題名の「水底の橋」ってちょっとしか書かれていない。 次期皇帝の争いと2つの医術の対立が折り重なって医療とは何かを考えさせられた。 次はヴァンとユナが出てくる続編を期待したい。 印象に残った文章 ⒈ 大切なのは、命を長らえさせることではなく、命を全うさせること ⒉ 山の向こう・・・近くて遠いところに、あなたがいるし ⒊ 私が病を得たときには、この者の治療を受けたい
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タイトルが暗示する思いが秀逸。 脈々とつらなる歴史。 筆者独特のシリーズものが描き続けるヒトの営みの流れと通ずる。
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続編と言うより、どちらかというと外伝といった感じの本作。 ファンがアクション要素がなく前作に比べれば淡々としているし、 ヴァンやユナが出てこないのは寂しいという人の気持ちもわかる。 だが、作家は謂わば潮来のようなもので、 たまたま見知ることができた物語しか書けないのだから仕方がない。 ファンそれぞれがヴァンやユナの未来を夢想すれば良いのだし いつか続編が先生の中に湧いてくるかも知れないし、 その時にはそこに二人が出てくるかもしれないのだし、 と自分は受け止めている。 政治小説であり、医療小説であり、宗教の話でもあり 命や生き方について考えさせられた。 本作も大変読み応えのある物語だった。 前作を読んでいなくても、これだけでも楽しめると思う。 勿論前作を読んでいればより楽しめるだろう。 命を助ければそれで良いわけでもない。 この判断というのは本当に難しいところだ。 このあたりの元ネタが聖路加病院の方からのメールというのも 実際に最先端の医療に携わっておられる方が そうしたことを考えてくださっていると思えてほっとする。 作中の医療について、日本の幕末の西洋と東洋の医療に関する あれこれを思い出した。 どちらにも良いところがあり、補いあっていくことが 患者にとって良い選択を示せる可能性が高くなるはず。 そうしたことを考えながら読んだ。 どちらかと言えばホッサルの言う、可能性を諦めるのは 医師としてどうなのかという考えの方が共感するのだが、 本人が望むのなら安楽死という選択をし 痛みも苦しみもない状態で家族ときちんと別れをして 天国に行けると信じて旅立つという幸せもあると思うのだ。 幸せとはなんなのか。 答えのでない命題を、医師が自分に出来る医療という観点から 寄り添おうとしている。 「できることとできないことの線引きに嘘と諦めが紛れ込む危険」 があるというホッサルの主張は厳しくも正しいと感じた。 ミラルが患者に対して ”嘘” をつくこと、 それを申し開きするシーンに涙が出た。 こうして寄り添ってくれるオタワルの医術師がいる ということが、清心教医術との共栄の未来を感じさせてくれる。 ホッサルが政治問題に巻き込まれていくきな臭さや 背筋が凍る雰囲気は流石上橋先生といった感じ。 大舞台でこそ起こってほしくないことが起こるので 鳴き合わせ、詩合わせが始まった時にはもう嫌な予感しかしなかった。 飽く迄も今回はホッサルが主役なので、 他の登場人物たちは脇役に回っておりあまり多くは描かれていない。 ただその中でもミラルに救いが用意されていたのは良かった。 優しく強かな女性だと思う。 彼女ならホッサルとの未来も、医療の未来も紡いでいってくれるのではないだろうか。
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よかった。 何が良いかというと、表紙の絵がいい。 鹿の王は出てこない。 医術と政治の話。人の命に関わる医術はどうあるべきか。 病を治すのが全てではない。 あと 地図つけてくれてありがとう。
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なんともかんとも、かつて『鹿の王』を読んでタイトルは覚えちゃいるが、ストーリーを思い出せない。この続編を読めば記憶が甦るかと思いきや、からきしである。情けない。今回もいかにも記憶にとどまりそうにない。古流の薬、馬の血であれ貝毒であれ人命を救うに役立つのであれば使用するのが清心教医術なれど、宮廷祭司医はその薬を穢れと拒む向きにある。と、現代でも取り沙汰される医療の倫理観が問われる内容は興味深いが、何でだろう?人間関係がもう一つうまく整理できなくて、ときめかないのよね。
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鹿の王のタイトルを継ぐ本書だが、独角のヴァンもユナも飛鹿も登場しない。 オタワル医術師のホッサルとその助手で恋人のミラルがかかわる清心教医術との関わり、東乎留帝国の次期皇帝、次期宮廷祭司医長選びにまつわる陰謀。 清心教医術の源流と現在に通底するものと違うもの、そしてオタワル医術と...
鹿の王のタイトルを継ぐ本書だが、独角のヴァンもユナも飛鹿も登場しない。 オタワル医術師のホッサルとその助手で恋人のミラルがかかわる清心教医術との関わり、東乎留帝国の次期皇帝、次期宮廷祭司医長選びにまつわる陰謀。 清心教医術の源流と現在に通底するものと違うもの、そしてオタワル医術との共通点と相違点。治療と寛解、分けることと全体を視ること、分かっていないこともできることの限界もある中で、生命を救う医療の本質を教えてもらった。 19-100
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