アフターデジタル の商品レビュー
海外赴任前に購入して、1年ほど積読になっていましたが、ようやく読了。 全てのサービスがオンライン化することで、オフライン、オンラインの区別がなくなり、ユーザーは常にサービスに触れることができる。従来のマーケティングでいわれていたチャネル戦略は根本から変わります。提供者からすると、...
海外赴任前に購入して、1年ほど積読になっていましたが、ようやく読了。 全てのサービスがオンライン化することで、オフライン、オンラインの区別がなくなり、ユーザーは常にサービスに触れることができる。従来のマーケティングでいわれていたチャネル戦略は根本から変わります。提供者からすると、ユーザーの利用データを大量に取得し、それを高速でまたサービスの磨きこみに使う。特に、決済プラットフォームを持つ企業が強く、大量のデータを取得することができます。 ユーザーからすると、データを提供することさえ了承すれば、自分に適した便利なサービスを使い続けることができる。ただ、このデータの扱いに社会的なコンセンサスが得られるかどうかが、未来に向けて進む社会と、従来型で留まる社内を分けるカギになるでしょう。 本書ではそういう考え方は否定されていますが、現時点ではこのような取り組みを進めやすいのは、エストニアのような小国、そして中国のような中央集権的な大国であることは、やはり認めざるを得ないと思います。これらの国に続くのか、従来型の社会に留まるのか、それにより得られるもの、失うものを冷静に検討し、各々が早急に判断をしなければならない時期にあると思います。
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アフターデジタルの社会は、リアル世界がデジタル世界に包含される、オフラインとオンラインの主従関係が逆転した世界という視点転換が起点。 エクスペリエンスと行動データのループを繰り返しつつ、オンライン行動の全てがデジタルデータ化され,ユーザーのあらゆる行動データが一つひとつ取得できる...
アフターデジタルの社会は、リアル世界がデジタル世界に包含される、オフラインとオンラインの主従関係が逆転した世界という視点転換が起点。 エクスペリエンスと行動データのループを繰り返しつつ、オンライン行動の全てがデジタルデータ化され,ユーザーのあらゆる行動データが一つひとつ取得できる時代になっている。 その中で顧客はその瞬間において最も便利な方法で買いたいだけなので、企業としては、データをフル活用し、プロダクトとUXをいかに高速で改善出来るかが競争原理になる。 最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供しながら、単一接点型から、常時寄り添い型が必要。 求められるのは、バリュージャーニー型ビジネスモデルの構造となり、以下2つの活動と1つのチームを作るべき。 顧客接点から行動データを取得、活用、体験を改善することでビジネス成果を上げ(UXグロースハック)、デジタルを活用した新しい接点を作ってジャーニーを伸ばしていく(UXイノベーション)。 ユーザー視点でとにかく高速に成果を出していくチームを作り、提供している体験や機能自体を変更・改善するUX企画をグループで行う。(グロースチーム) AIの活用で個別単位でデータが自動最適化されるが、サービスの価値、体験価値は改善されない。 結果、顧客UX起点のビジネスモデル設計を踏まえ、何を企業存在価値として置くのか、個人としてもその視点、コア体験を創造できる能力が求められていくと感じる。
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中国の事例は参考になった。DXとバリュージャーニーについてボトムアップでどう目線を合わせていくか考えたいと思う。
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今求められているDXがどういうものなのかわかってきた。 アナログをそのままデジタル化するだけも違うし、顧客データを使って売り方を変えたりするのも違う。 あと、本論からは逸れるが、デザイン思考の必要性もわかってきた。
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・タクシーの満足度を最も高めるのが「安心して素早く目的地に行けること」ということから、それを評価スコアに盛り込む。ドライバーもそれを理解しているので、そのスコアを高めるためにコツコツ善行を積む仕組みとなる ・ユーザが歩くだけでポイントがたまるアプリ:1日に一回登録しないとリセット...
・タクシーの満足度を最も高めるのが「安心して素早く目的地に行けること」ということから、それを評価スコアに盛り込む。ドライバーもそれを理解しているので、そのスコアを高めるためにコツコツ善行を積む仕組みとなる ・ユーザが歩くだけでポイントがたまるアプリ:1日に一回登録しないとリセットされるため、1日に1回はアプリを開ける仕組みになっている ・モバイルもPCもコンビニも、ただのユーザインターフェースでしかない。顧客がスマホで水を一本購入することも、無人コンビニで一本購入することも、だれがいつどこでどの銘柄を購入したのかがすべてデータとしてわかるのであれば同じことですよね。顧客はその時最も便利な方法で買いたいだけなので、我々は様々な選択肢を提供することが大事 ・オフラインとオンラインをユーザが選別しなくなり、企業側も販売や物流をこのような論理で分けなくなる ・ラッキンコーヒー:コーヒーチケットを2枚買うと1枚タダ、5枚買うと5枚タダになる。利用機会が増えれば増えるほどより使われる仕組み ・無人コンビニは人件費を減らすことが目的ではなく、行動導線、悩むときのタイミングなどのリアル行動データをもとにリアル店舗もオンライン同様に高速改善し、個々の顧客に最適な対応ができるようにすることを目的にしている ・顧客の属性データは、そこに普段の行動データがつながって初めて意味あるデータ・価値あるデータとなる。行動の持つ意味合いを読み取り、最適なタイミングで最適な情報提供ができて初めて意味がある ・データ活用においては、自社(自部署)だけで顧客を囲い込んでもどうにもならない。どこでマネタイズするか、どの程度損失を出しても最終的に意味があるのか、明確に各プレイヤーの役割や力学構造の定義を行う必要がある ・機能はコピーされるが体験はコピーされない。サービス体験への没入を中断させない「フリクションレス」にしていくことが大事 ・ホスピタリティを徹底することで経済合理性が成り立つ(ジンドンの配達員は顧客に訪問するごとに何かいいことをひとつする。そのため、配達員はレジデンスエリアに入り、ハイタッチがコミュニケーションを実施することができる) ・データをフル活用したおもてなし。データを使うことで、おもんぱかる力、先回りする力を最大限発揮する ・中国の制度は「やってはいけないこと」を決めるので、ルールに記載していないことはいったんOKになる。日本のルールは「やっていいこと」が決められる ・行動データをとることで把握可能になるタイミング、コンテンツ、コミュニケーションを制することで、顧客に最高の体験を提供できるようになる。行動データとエクスペリエンスのループを回す。 ・属性ターゲティング→状況ターゲティング:アフターデジタルへの変革で最も重要なことは「人・属性」ターゲティングから、「状況」に基づいたターゲティングに変えていくこと ・顧客の置かれた状況の発見と、それをより幸せにするようなコア体験をいかに作るか。体験の連続性/行動観察/デザインシンキングが必要
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アフターデジタル時代のサービスの在り方について。本書ではAmazonや平安保険、アリババなどの事例を取り上げて次のようなコンセプトを議論していく。 —— 顧客に寄り添うサービスを提供し、そこで得た行動データをもとにサービスを改善する。そしてサービス改善により顧客体験が向上しユーザ...
アフターデジタル時代のサービスの在り方について。本書ではAmazonや平安保険、アリババなどの事例を取り上げて次のようなコンセプトを議論していく。 —— 顧客に寄り添うサービスを提供し、そこで得た行動データをもとにサービスを改善する。そしてサービス改善により顧客体験が向上しユーザーが増える。ユーザーが増えると得られる行動データが増え、それをサービス改善に活用する。 ——
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とにかく中国は日本より購買行動の全てがデジタル化しており、個人データが集積されて、それがマーケティングに生かされていることがわかった。無人コンビニなどが日本でも徐々に展開され、話題を呼んでいるが、日本における価値は「人を雇わなくて良い」という点に過ぎない印象。しかし中国ではもはや...
とにかく中国は日本より購買行動の全てがデジタル化しており、個人データが集積されて、それがマーケティングに生かされていることがわかった。無人コンビニなどが日本でも徐々に展開され、話題を呼んでいるが、日本における価値は「人を雇わなくて良い」という点に過ぎない印象。しかし中国ではもはや無人であろうが有人であろうが「顧客がそのとき最短で商品を得られる方を選ぶ」という考えに進んでいる。日本はデジタル化に後塵を拝しているので見習う点はあるが、国民性として個人データを集積されることに嫌悪感があったり、生身の人間から受けるサービスだからこそ価値があるという考えがあったりするので、なかなか早急にデジタル化することは難しいと思った。
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OMOいう概念は自分にとっては久々にパラダイムシフトを感じるものだった。中国の事例が豊富で、すごいスピードで変化していく中国を実際に見に行ってみたいと思わされた。自分も社会のデジタル化に不安を覚える一人だったが、それが特に根拠のない不安だったのだと認識した。 何度も読み返すタイプ...
OMOいう概念は自分にとっては久々にパラダイムシフトを感じるものだった。中国の事例が豊富で、すごいスピードで変化していく中国を実際に見に行ってみたいと思わされた。自分も社会のデジタル化に不安を覚える一人だったが、それが特に根拠のない不安だったのだと認識した。 何度も読み返すタイプの本ではないが、導入にはよい本だった。
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続編も発売されたタイミングで遅ればせながらの読了。主に中国のサービスを元にして「アフターデジタル」の概念を説明する本。 「アフターデジタル」という言葉自体が中国やその他先進地域で使われている訳ではなく、時代が変わっているのだから発想も変えなくてはいけないことを伝えるために著者た...
続編も発売されたタイミングで遅ればせながらの読了。主に中国のサービスを元にして「アフターデジタル」の概念を説明する本。 「アフターデジタル」という言葉自体が中国やその他先進地域で使われている訳ではなく、時代が変わっているのだから発想も変えなくてはいけないことを伝えるために著者たちが名付けたもの。 最も重要な、そして中国のビジネスではすでに当たり前の発想となっている概念が「OMO(online merges with offline)」。オンラインとオフラインの統合。オフラインが主でオンラインは付加価値を高める付属的なもの、という捉え方を脱する必要がある。 この本を読むと日本のDXやUX改善の取り組みがいかに視野の狭いものかが分かる。OMOの発想は、ゲーミフィケーション的な施策や視点がデータの取れる量や機会、分析ツールが発展したことでリアルにも拡大していることへの理解が必要。インセンティブ設計を強力に行う中国サービスの発想はソーシャルゲームなどのレベルデザインに通じるものと考えれば理解できる人もいるのでは。ただ、そうしたサービスデザインはともすると外発的動機づけだけに寄ったものになりがちなので、だからこそオフラインの場の活用や意味をどのように考えるかが大切になっていくのではないかと思う。 個人的にはSFなどを読む上で、現時点で何がどこまでできるようになっているか、日本に住んでいる自分の環境が今の世界の最先端でも常識でもないかもしれないことを知ると、SFの進化やゲーム世界へのダイブ的物語の楽しみ方も深まるように感じた点も面白かった。 また、今後日本でもこの動きは徐々に進んでいくのだろうとは思うが、あくまで手動は大企業、都市部であって、中小企業や地方での展開はどうなっていくのだろう、取り残された世界はどのような形になっていくだろうか、という点も考えたいところ。
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去年、読もうかと手に取ったけど、なんとなく薄っぺらい感じがして読まずじまいだったのですが、読みました! ちょうど、アフターデジタル2が出るらしいので、いいタイミングで読んだかも?
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