みかんとひよどり の商品レビュー

近藤史恵(著者)

2022/03/10

ジビエとは、フランス語で狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理のこと。
農村地域で深刻な被害をもたらす野生鳥獣の被害防止対策により、野生鳥獣の捕獲数が年々増加する中で、これを地域資源としてとらえ野生鳥獣肉（ジビエ）として有効活用する取組が広がっている、という。
私も以前猪鍋を食べたことがある。豚肉に似た味だとは思ったけれど、全体的に油ぽいし筋っぽくて硬いしであまり良い印象は持てなかった。

ジビエ料理もメニューに載っているフレンチレストランのシェフ・潮田の物語。
料理人としての腕は確かだけれど、イマイチ売上に結びつかないのが悩みの種。
そんな中で出逢った猟師・大高は無愛想な自由人。けれど獲物を仕留める腕はピカ一。
大高のペースに巻き込まれながらも、潮田の料理人としての成長が著しい。

牛や豚など人間が育てた家畜と対極にいるのが、人間の手が全く入っていない過酷な自然の中で生まれ育った野生鳥獣・ジビエ。そんな野生の生き物の命に手を加え、ひと皿の上で表現する。神聖な命を”食す”という行為で自然と向き合い、ありがたくいただいて自分の一部にしていく。なんて壮大。

みかんをたっぷり食べたヒヨドリをみかんソースと合わせたヒヨドリのローストが食べてみたい。

2022/02/12

狩猟と人間模様のお話。
ジビエ料理が流行っていますが、私は少し苦手!
料理人と山で暮らす狩人の交流、様々な人間関係が描かれていました。

2021/12/07

潮田と大高が出会いお互い理解し合う関係性になっていくのが良かった。
人にさばいてもらってスーパーで肉を買っている私が言うのも何だが、やっぱりジビエには抵抗があって近い距離にジビエ料理のお店があるんだけど行ったことはなかった。
でも潮田の料理が美味しそうと思ってしまうんだから、ほんと人間ってバカですね。
猟師や料理人の覚悟みたいなもの、少しは分かったような気がする。
ピリカとマタベーが可愛かった。

2021/09/03

潮田は愛犬と山に来て遭難しそうになり地元の猟師大高に助けられてジビエ料理を中心に猟師とシェフが友情を深めていく。潮田は店を二件潰し今は少しずつ軌道に乗ってる。ジビエ料理を食べで見たい。

2021/07/07

最後まで読むとタイトルがしみじみする。現代の都会の暮らしへの疑問、現代食に対する問題提起、いろんな価値観における過激派となってしまって耳が塞がれてしまうこと、インターネットでの女性の盗撮共有、害獣問題のことなど、作者の問題意識が見える作品だった。ミステリ要素も美食要素もあり、好み。

2021/06/08

フランス料理店の雇われシェフ・潮田は、休日に愛犬と猟にきて山で方向を見失い遭難しそうになり、地元の猟師・大高に助けられる。潮田は、ジビエ料理をやりたいと思っているが、店の経営はうまくいっていない。料理学校での成績は優秀だったし料理の腕には自信があるものの、すでに自分の店をつぶしたこともある。ジビエ料理が大好きで潮田の腕を見込んで店を任せている現在のオーナーのおかげで、どうにか今の店をやっていられる。無骨な猟師・大高との出会いが潮田の崩れかけていた夢の実現へと向かわせる。

著者のシェフもの「ヴァン・ショーをあなたに」が良かったので、そんな感じかと思って読んでみたら違っていた。大高の存在感も良かったが、オーナーやスタッフの女性陣の心意気がカッコいい。そして大高・潮田のそれぞれの愛犬も良いアクセントになっている。人間の「食」についても考えさせる。

2021/05/07

ジビエを中心に猟師とシェフが友情を深めていくお話。
読みやすくて料理が美味しそうで一筋縄で行かない狩猟ですが流れる様に読み進められた。
大きな展開はないけど少しづつお互いに信頼できる様になって行く過程が好き。

2021/04/30

猟師とシェフと、犬を巡るお話。
この作者が綴る食べ物はいつも色と温度があるな、とおもう。ジビエが食べたくなる。どこかでは疎まれるものが、誰かの血肉となるのだ。食物連鎖。

2021/02/18

ジビエ食べたくなった〜

猪って冬に脂乗るんだね

シカモヒヨドリもクマもいろいろ食べてみたくなった

2021/02/06

みかんがなかなか出てこなかったけどこういうことかぁ。読み終えて納得。
ジビエ料理食べてみたい。
冬のひよどり、みかんのソースで。