姑の遺品整理は、迷惑です の商品レビュー
タイプが正反対の実母と姑。生活の仕方も人への接し方も終活もまるで違う2人、膨大な量の遺品整理の作業をしながら、母と姑の人生は幸せだったのか?と考える主人公。その間、周りの人々から自分の知らなかった母や姑の顔を知らされ、様々な気づきが生まれる。
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義母の遺品整理のために、片道一時間半 エレベーターなしの団地の4階まで通う主人公。 膨大な「物」との格闘を通して 団地の住人との関わり また、その人たちを通して知る生前の義母の様子 更に、自身の母と比べることで 多くの気づきを得ることになる。 会話やモノローグが多く軽妙な文体だ...
義母の遺品整理のために、片道一時間半 エレベーターなしの団地の4階まで通う主人公。 膨大な「物」との格闘を通して 団地の住人との関わり また、その人たちを通して知る生前の義母の様子 更に、自身の母と比べることで 多くの気づきを得ることになる。 会話やモノローグが多く軽妙な文体だが 夕飯の手順など細部を詳細に描写していて リアリティを感じた。 スルスルと読めてしまうが読後もしっかりと印象が残り パフォーマンスのよい作品だった。 私も大量のの物を前に憤りを感じることもあるが 読後はそこに付随する思いや歴史に思いが至るようになり ただ、断捨離するのではなく、義母が元気なうちに 楽しく活用する方法を考えたくなった。
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ムムム。。。 我が家の場合、夫も一人っ子故、 そう遠くない将来私は、二つの家の遺品整理をしなくてはならない。 姑亡き後、もので溢れかえった3DKの部屋の中で 呆然とする主人公の望登子さんが 自分自身の姿と重なって身震いしてしまった。 人と物の距離と言うのは人それぞれ、 その人の...
ムムム。。。 我が家の場合、夫も一人っ子故、 そう遠くない将来私は、二つの家の遺品整理をしなくてはならない。 姑亡き後、もので溢れかえった3DKの部屋の中で 呆然とする主人公の望登子さんが 自分自身の姿と重なって身震いしてしまった。 人と物の距離と言うのは人それぞれ、 その人の生き方に関わるもので 他人が口出しできるものではない。 物が少ないからって偉いわけじゃないし、同じものを何個も貯め込むことに幸せを感じる人もいるのだろう。 姑の残した大量の物にひたすら憤りを感じていた望登子さんも、 次第に姑の生き方を理解し、寄り添うようになる。 遺品整理は最後にできる 亡き者との心のやりとりかもしれないね。
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いやぁ、面白かった。 主人公と一緒に亡き姑にムカついたり 非協力的な旦那にイラついたり やっぱり物は少なくした方が 子ども達のためなのかなと考えたり。 でも自分でやるやらないに関わらず 遺品整理って お別れの為の心の整理でもあるのだなぁ とじ~んとしてしまった。
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介護世代ともなるとどうしてもよけては通れない話題なので、微に入り細に入りの取材されたんだろうなと苦笑いせずにはいられない。 自分の母親のことは比べるとどうしても良く思い出されるというのはわかる気がした。姑はどう転んでもニクい存在だから。 人間関係が希薄な今のしかも、都会での現実的すぎる問題、最後はいい話にしすぎちゃっているのがちょっと不満
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垣谷さん、相変わらず身も蓋もないタイトルで。私は遺品整理はまだ経験したことがない。しかし引越しは15回以上しているが、いまだに荷物整理やら手続きは面倒くさくて憂鬱。自分の荷物ですら持て余すのに、人の荷物整理なんて嫌!という主人公の気持ちはよくわかる。著者の本は結構読んでいるので、...
垣谷さん、相変わらず身も蓋もないタイトルで。私は遺品整理はまだ経験したことがない。しかし引越しは15回以上しているが、いまだに荷物整理やら手続きは面倒くさくて憂鬱。自分の荷物ですら持て余すのに、人の荷物整理なんて嫌!という主人公の気持ちはよくわかる。著者の本は結構読んでいるので、パターン化しているなぁと思いながら読んでいたが.....これ、ラストが良い。途中まではそんなに身が入らず、面白さ度まぁまぁかな~と思っていたが、最後にじんわり温かい気持ちになったのでヨシ。
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自分的に「四十歳、未婚出産」はかなり不満のある作品でしたが、 今回の「姑の遺品整理は、迷惑です」は、いつもの垣谷さんって感じですらすらと楽しく読めました。 読み終わると・・・、とりあえず、掃除して断捨離しよう!って、気持ちになるな。
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ズバリなタイトルは、主人公の置かれた状況を分かりやすく目の前に示している。 自分を含む同年代の大問題は介護。 やっと終わったと思えばすぐにやってくるのが、相続と同時に、この『遺品整理』問題。 堀内望登子(ほりうち もとこ)の夫の母・多喜が脳梗塞でいきなり亡くなった。 姑は一戸建てを売ってしまって賃貸の団地に住んでいたため、早く退去しないと、ひと月8万の家賃がかかってしまう。 仕事が忙しい夫に代わって、望登子は東京の東の端にある自宅マンションから、こちらは東京の西部にある姑の団地へと、パートの都合をつけて遺品整理に通うことになるのだが… まあ、いろいろ出てくるわ出てくるわ。 「お宅は一体何人家族ですか!!?」な、布団や食器。 「いらなくなったら捨ててくださいよ!」な、貰いものの人形や、紙資源ごみ、故・舅の衣類。 望登子は、「姑は、たくさんのくだらないものに囲まれた、くだらない人」とやりきれないため息を吐く。 …などと、せっかく簡潔なタイトルがあるのに長々と書いてしまったが… そして望登子は、姑に比べるにつけ、「70を前に癌で亡くなった実母はきちんと生前に身の周りの始末をつけ、遺族には何の迷惑もかけなかった、なんてすばらしい人だったろう、きっと、同居していた弟のお嫁さんも感謝しているだろう」と美化し、懐かしんだ。 亡くなった人が残した物とは、雄弁にその人を語る。 目に見える『モノ』が、目に見えないことを教えてくれるのだ。 品物ひとつの処分を巡っても、亡くなった人との関係によって、どんな思いを抱くのかは、ひとりひとり驚くほど違う。 実家の整理を途中であきらめて、業者に依頼した人、亡くなる前に限界まで遺品を整理してしまった人、山のようなゴミと人間関係を残して死んだ人、実家の家の処分に悩む人、それぞれの事情は、まさに今の50代60代が抱える大きな問題。 ちゃんといいところに着地している。 自分も肝に銘じたい。 ――――――――――――― 自分も、夫の誤解を避けるため、ブックカバーをしていました(笑)
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今度の垣谷作品は、急逝した姑の遺品整理に翻弄されるお嫁さんのお話。 自身も50代半ばとなって断捨離をしてきた主人公が昔ながらの暮らし方をしてきた姑の家の後片付けを、家計の都合で業者には依頼せず自分でしようとする。 姑の家には何人家族かと思うような布団や食器や、空き箱に詰められた...
今度の垣谷作品は、急逝した姑の遺品整理に翻弄されるお嫁さんのお話。 自身も50代半ばとなって断捨離をしてきた主人公が昔ながらの暮らし方をしてきた姑の家の後片付けを、家計の都合で業者には依頼せず自分でしようとする。 姑の家には何人家族かと思うような布団や食器や、空き箱に詰められたい色々なものや、人形ケースに詰まったお土産。昔ながらの家にありがちな雑多なものの山を目の前にしての主人公の苛立ちから始まり、亡き姑の人柄や今は亡き実母の生き方に思いを馳せるようになる。 相も変わらず哀しさも笑いもあり、共感する部分たくさんありで、やっぱりさわやかな読後感です。 断捨離とまではいかなくてもある程度は片づけとかねば、、と痛感しつつ読み始めましたが、何かを残して何かを感じてもえらえるなんてしあわせだなとも感じました。 天井の隅でにやりと笑ったような姑、素敵な関係です。そして自分を律して生きた母も。それぞれの生き方。
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