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続 横道世之介 の商品レビュー

4.3

174件のお客様レビュー

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    78

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/07/03

また会えました。 1年留年し、大学を卒業したもののバブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐ世之介は、24歳。 パチンコ台の取り合いに負けた相手は、居酒屋の店員であり、しかも散髪屋の前でも会うという…。 そこで五分刈りにした浜本は、鮨職人を目指す。 ケンカ相...

また会えました。 1年留年し、大学を卒業したもののバブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐ世之介は、24歳。 パチンコ台の取り合いに負けた相手は、居酒屋の店員であり、しかも散髪屋の前でも会うという…。 そこで五分刈りにした浜本は、鮨職人を目指す。 ケンカ相手がスルッと友人になる面白さ、いい。 まぁ、ダラダラと過ごしながらもどん底だとは思ってないのが世之介の個性と捉えるのか。 留年組の小諸(コモロン)の部屋から双眼鏡で見つけた母子・日吉桜子と亮太との妙な出会いから交際まで。 どっぷりと桜子と兄や友人との濃い時間を過ごし、桜子には2度プロポーズしたのにフラれる世之介。 久しぶりに行った散髪屋の理容師から軽そうな奴から責任感を感じたと言われる。 関わってきた人や出来事で、考えなさそうな雰囲気なのにしっかり大人になっているのかもしれない。 コモロンとのアメリカ旅行で、途中で離れてタクシー詐欺に遭う…なんてこともあり。 お隣さんは、集団生活をしている中国人でその1人が救急車を呼ぶほどの病だったり…。 桜子の兄・隼人の友人・光司の死であったり…。 まぁ、いろいろあるわけだ。 今回のラストは、日吉隼人が甥の亮太に宛てた手紙。 27年後である、オリンピックで活躍したことを誇りに思うことから始まり世之介のことをよく思い出すと…。 頼りない世之介の顔が浮かぶということ…。 世の中がどんなに理不尽でも、自分がどんなに悔しい思いをしても、やっぱり善良であることを諦めちゃいけない。そう強く思うんです。 この文を読んで、前回も読んだはずなのに忘れてしまっていた自分に反省…。 そうなんだ、世之介は善良なんだよな。 何やってもまぁ許せるってことは、善良なんだ。 この時代に出てくる紫のマークⅡも「ジップロック」が新商品というのも今読むからより楽しめた気がする。 再読してよかった

Posted byブクログ

2023/06/24

また横道世之介に会えました!何の邪念もない無垢な行動すべてが誰かの人生に重要な影響をあたえている。どうしようもなく途方に暮れてもうダメだと思った時、私は世之介にいてほしい。

Posted byブクログ

2023/06/18

やっぱり横道世之介という小説は面白い。 中のキャラクターが魅力的な小説は面白い。 逆に、設定が面白くて文章力も文句なしでも、キャラクターと相性が悪いと読むことが苦行にさらなる。私は。 その点、世之介のことは否応なしに好きになる。世之介の周りの人も呆れながらも好きになる。そして、...

やっぱり横道世之介という小説は面白い。 中のキャラクターが魅力的な小説は面白い。 逆に、設定が面白くて文章力も文句なしでも、キャラクターと相性が悪いと読むことが苦行にさらなる。私は。 その点、世之介のことは否応なしに好きになる。世之介の周りの人も呆れながらも好きになる。そして、周りの人たち自身も魅力的である。 読んでいて、世之介と周りの人たちをもっと見ていたい、そんな気持ちになる。 世之介が大学を卒業し、就職できずにいる24歳の1年間の話。どん底にいても悲壮感を持てず、それなりに良いことがある。そんな世之介になら他の人には話せないことをポロッと話したくなる。見当違いの答えが返ってきても、世之介だからそれでもいい。 ヒューマンドラマ。

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2023/04/09

ついこの前、気晴らしにと、弾丸で東京から1時間ほど離れた場所へプチ旅行に行った。 わたしは大学時代も他の人より旅行に行ってこなかったのだけれど、なんで時間だけはあったのに行かなかったんだよ!と、過去の自分に言ってやりたいほど、地方の良さを確認した。 東京も、大好きな街。 全国か...

ついこの前、気晴らしにと、弾丸で東京から1時間ほど離れた場所へプチ旅行に行った。 わたしは大学時代も他の人より旅行に行ってこなかったのだけれど、なんで時間だけはあったのに行かなかったんだよ!と、過去の自分に言ってやりたいほど、地方の良さを確認した。 東京も、大好きな街。 全国から「一流」と言われる人やものが集まり、刺激を受けるし、ライブ難民にもならず、都心の行きたいところにはどこでも30分圏内で行ける。 ただ、否定するわけではないけれど、何もかもが効率や、生産性を重視している、本当に特殊な場所でもある。 私もあやかってはいるが、ファミレスには食事を運ぶロボットが、スーパーにはセルフレジが導入されていたり。 自分が行動しなければ、人の気配はあるのに誰とも話さない状態にだってなりうる。 この前行ったプチ旅行先は、とても便利とは言えない場所だった。 駅は無人だし、近くのコンビニに行こうとしても徒歩20分かかるというし。タクシーは全然走ってないし。 でも、個人経営のお店がたくさん立ち並んでいて、そこに入ればお客さんや店員さんとも仲良くなり、お店を閉めて2軒目に連れて行ってもらったり。行こうとしたお店は、店主さんが今日は疲れているからと定時よりも早く閉店してるし!マニュアルなんてあってないものです、と言わんばかりの扱いだが、規律性のある東京で暮らすわたしからしたら、それがとても新鮮でとても愛おしかった。 この本の主人公、世之介は、東京という希薄な場所でも、人情を生み出しまくっている。 その姿はわたしに可能性を感じさせた。東京だって、自分次第で、人情を生み出せるんだと。なんなら日本一人口が多く「一流」か集う街でそれができたら最強じゃないかと。 実は今日は、昨日の二日酔いが残って3時間しか寝れなかった。二度寝をしようか?朝6時に起きたわたしは迷ったが、起き上がり眠いその目にコンタクトをはめ込んだ。これさえできれば私の勝ち。さあ出かけよう、街に落ちている人情を見逃さぬために!

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2023/03/02

相変わらず世之介の周りには、おもしろい人達で溢れていました。隼人、桜子、亮太、浜ちゃん、コモロンなどなど。世之介を見ていると、人生どんな時も楽しめるものなんだと思います。さらに成長した世之介にまた会いたいです!

Posted byブクログ

2023/02/17

続ということで、大学卒業後の生活が描かれているのですが、なんとも「わかる〜」って場面があり、意外にもという場面もありましたが、時間が前後するストーリーの流れは飽きがなく面白かったです^_^

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2023/02/08

人生山あり谷あり。ちょっと遠回りしたかもだけど世之介のまわりはなんだか暖かくて…  そんな世之介がいいなぁって思いました。

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2023/01/16

一年とは思えない濃密な一年。 彼にとってのこの一年は世間一般では人生の底と言われるのかもしれない。 けれどなぜだろう些細なやり取りや出会いのそこかしこに幸せが滲んでいる。 物語が終わって少し寂しいけれどそうやって彼が無自覚に生み出した沢山の人の幸せを時折思い出して噛み締めたい。

Posted byブクログ

2022/12/30

続編も読んでみた。善良でありつづけることの素晴らしさ、貴重さをあらためて感じた。「弱い人間は、他人のおもちゃを奪う人。強い人間は、困った人におもちゃを貸してあげられる人」というセリフが印象的だった。

Posted byブクログ

2022/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本のページをめくるのが愉しくもあり、寂しくもあり。 こういう感覚は久しぶりで、なかなか巡り会えない。 夕暮れに好きな子と一緒に下校していた記憶に近い。 やはり読み終わると寂しさが勝ってしまった。 いい小説というより自分の読むべきだった小説なんだと思う。上手くいってなかったり、善良な人を思い出して、また会いたくなった。 小説のいいところは、本を開けば、いつでも会えるってことだ。そこに確かにいるってことは、気兼ねせず、自分の調子に異変があれば、きっと世之助が笑顔で招いてくれる。 続編が、毎日新聞で連載中とのことで、うれしくなってしまった。

Posted byブクログ