1,800円以上の注文で送料無料

続 横道世之介
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍
  • 1221-04-08

続 横道世之介

吉田修一(著者)

追加する に追加する

続 横道世之介

定価 ¥1,760

660 定価より1,100円(62%)おトク

獲得ポイント6P

在庫なし

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2019/02/20
JAN 9784120051630

続 横道世之介

¥660

商品レビュー

4.3

189件のお客様レビュー

レビューを投稿

2025/11/08

誰かの架け橋になっている主人公。 交通事故で亡くなるまでの軌跡、主に二十代半ばの一年間の話。話題の中心に常にいて人の記憶に思い返せばいる。後にマラソンの選手になる子供との生活もらしさ全開だった。 前作に引き続き楽しませてもらいました。

Posted by ブクログ

2025/10/11

大学卒業後の世之介を描いた続編。 定職に就かず、パチンコやバイトで生活をつないでいるのは決して褒められたことではないが、なぜかそれが許されてしまう感じ。世之介の人柄が何となく周りの人を惹きつけ、安心させている感じが伝わった。 写真コンクールの表彰会場で重鎮が言った「善良」とい...

大学卒業後の世之介を描いた続編。 定職に就かず、パチンコやバイトで生活をつないでいるのは決して褒められたことではないが、なぜかそれが許されてしまう感じ。世之介の人柄が何となく周りの人を惹きつけ、安心させている感じが伝わった。 写真コンクールの表彰会場で重鎮が言った「善良」という言葉に至極納得した。「そう! 世之介は善良なんだよな」という感じ。 世之介が世を去った後の時代もところどころ挿入され、世之介と関わった人のその後が描かれている。彼ら皆の心の中に世之介が生きている。そうさせる世之介の魅力が、何気ない日常の中に散りばめられている。世之介亡き後の物語が挿入されているからこそ、若かりし頃の世之介の力の抜けた感じに味わいが出ているのだと思う。 最終章も楽しみ

Posted by ブクログ

2025/08/21

吉田修一さん著 「続 横道世之介」 前作より引き続き読了。 今回の作品は前作より6年後が舞台。世之介24歳の一年間の物語。前作同様、4月から一月毎にチャプターを打ち、その間に20年後の今回の登場人物達の未来も描かれていくのだが、その20年後はもう既に世之介のいない世界。 この...

吉田修一さん著 「続 横道世之介」 前作より引き続き読了。 今回の作品は前作より6年後が舞台。世之介24歳の一年間の物語。前作同様、4月から一月毎にチャプターを打ち、その間に20年後の今回の登場人物達の未来も描かれていくのだが、その20年後はもう既に世之介のいない世界。 この物語、24歳フリーターの日常譚なのだが凄く読まされる。読みようによって、深く引っかけようとすれば限りなく深く引っ掛かってくる。 幾つか感じた事を書いてみたい。 まず世之介と父親。 世之介が年の瀬に再発したギックリ腰、心配した父親が長崎から世之介のアパートに上京してくる場面。 狭い部屋で親子二人きり、気まずさの中で父が放った一言 「世之介、おまえ、今日のことをよく覚えておけよ」 「ここがおまえの人生の一番底だ。あとはここから浮かび上がるだけ」 フラフラした生活をしているからフラフラした人生を送っているんだとも言った父親。 息子を叱るでも励ますでもなく、最終的に自分の力で這い上がれと後押し。 印象的な一場面だった。 そんな父親の持ってきた経年劣化したボロボロのバック、父親の顔に刻まれたシワのように感じられた。 年を取り色んな表情筋で作られたシワと共に老いていく父親、他にも幾らでも息子に投げかけたい言葉があったのだろうが、その言葉以外を言葉にしない父親の息子を思う気持ち。それを感じとる世之介。素敵だった。 そして世之介と亮太。 亮太が母桜子に怒られている場面。 強い人間っていうのはあまりいないと世之介。亮太には見込みがあるから強い人間になれと亮太に諭す。 その他の場面でも正に父親のように彼なりの誠実な道徳心で亮太に寄り添っていく世之介。そうして亮太の長距離走者としての才能を最初に見抜いたのも世之介。 20年後の東京オリンピック、亮太が他者に与えた感動、それは彼自身が強い人間になった証だと感じた。 ふと想像してみれば死んでしまっている世之介がオリンピックという大舞台で、まるで土手を伴走するかのように亮太の背中を押しているようにも感じられた。 そうしてパラリンピックでは亮太が安藤の伴走を務める。世之介から亮太へのバトンタッチ、今度は亮太が違う誰かの背中を押しているかのように感じられた。 そしてなんといっても隼人と光司。 光司の死の場面、感情がとんでもない感じになりそうだった。 隼人の懺悔と後悔は読者である自分にも伝わっていた。 「もちろんそこには愚かな行為があり、被害者があり、加害者がいる。決して許されぬ罪があり、癒せぬ傷がある。 ただ、その傷を、みんなが必死になって、それこそ傷だらけになって癒そうとしてきたのである」 本当にそう思える。隼人が一番、光司の生を嘱望していた。 加害者として… 友人として… 人間として… 隼人主導だが二人で築いた13年の月日。 その光司の死。隼人の気持ちが分かりすぎて辛すぎた。 それを忘れることなく刻みこんでいくように次の一歩を踏みだそうとする彼の強さも読み取れた。最高すぎる。自分も去り行こうとする隼人に、世之介と一緒に「イチ、ニ、サン、シ」ってエールを大声で叫びたい気持ちでいっぱいになった。 最高だった。 この物語に「善良」という言葉が幾度と出てくるが、それは自然体の善良であって、意識的に作った善良ではない。 意図して作った善良なんて誰でもできるわけだけれど、世之介のそれは彼自身の固有の善良であり、彼の生来の性質、特長だ。 彼の善良さが周りに与える影響力は他者を卓越している。見えている死があるからこそ飾らない彼の生の歩みがそう思わせる。 次作の最終章、心に刻みながら読んでいこう。

Posted by ブクログ