続 横道世之介 の商品レビュー
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前作から大好きな作品で、映画は4回ほど見ている。 あの世之助が帰ってきたと興奮する気持ちと、 「相変わらず変わらないな〜。」 という安心感を抱きつつ、ときにはほくそ笑みながら ページをめくった。 人生は良いことばかりではない。 時には悩み、苦しみ、誰かを責めたくなる。 ただ、そんなときこそ善良であることを忘れたくない。 忘れてしまいそうなとき、この作品を思い出そう。 世之助が側で笑ってくれている気がする。
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パチンコ屋でヤンキー女性との台の取り合いから始まる続編。 世之介の最期は変わらないが、世之介が24歳の頃に出会った人たちと、その人たちの2020年の話。 アルバイトとパチンコで食いつなぐ生活を送り、バイト先が潰れた後はシングルマザーの彼女の実家の自動車整備工場で働き、2度のプロポーズも断られるという、傍から見たらパッとしない人生。 世之介自身も情けないとわかっているが、人生には何をやってもダメなときもあると思い、ジタバタしない。心配して上京してきた父親に言われた「あとはここから浮かび上がるだけ」を心に刻みながらも、やっぱりジタバタせず、ひょうひょうと生きている。 周りの人は世之介と自分を比べて自分の頑張る姿にホッとしたり、世之介の真っ直ぐで自由な生き方に嫉妬してみたりする。 前作もそうだったけど、世之介の周りの人が個性的で、みんな一生懸命で魅力的。鮨職人を目指す浜ちゃん、友人のコモロン、シングルマザーの日吉桜子とその息子・亮太、兄の隼人、1つ1つのエピソードや何気ない会話に人間性やユーモア、自由さ、苦しさ、色んなものがにじみ出ている。 今まで読んだどの小説とも違うタイプの主人公だし、作り方だなと感銘を受ける。 またいつか、続々編が出たら本当に嬉しい。 ただ、世之介の周りの人たちが再び繋がる本作の肝である、日吉亮太が出場する2020年の東京オリンピックのマラソン競技、現実世界では、つい先日会場が札幌市に変更が決定した。著者の吉田さんもまさかの展開に、きっとやるせない想いだろう・・・残念すぎる。
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私は世之介の話がすきです。 読み進めるのがもったいなかった。 世之介の話をずっと読んでたかったなー。 以下、すきな文を抜粋。 ダメな時期はダメなりに、それでも人生は続いていくし、 もしかすると、ダメな時期だったからこそ、出会える人たちというのもいるのかもしれない。 人生のダ...
私は世之介の話がすきです。 読み進めるのがもったいなかった。 世之介の話をずっと読んでたかったなー。 以下、すきな文を抜粋。 ダメな時期はダメなりに、それでも人生は続いていくし、 もしかすると、ダメな時期だったからこそ、出会える人たちというのもいるのかもしれない。 人生のダメな時期、万歳である。 人生のスランプ、万々歳なのである。
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前作に非常に感動したので、続編てどういうことだろうと思って読んだ。 最初のうちは、どういう視点で読んだらいいのだろうと、ちょっと戸惑ったけど、元ヤンのシングルマザー桜子とその息子や彼女の家族との関わり、隣に住む中国人、鮨職人を目指す浜ちゃんたちを通して世之介の人となりが描かれる...
前作に非常に感動したので、続編てどういうことだろうと思って読んだ。 最初のうちは、どういう視点で読んだらいいのだろうと、ちょっと戸惑ったけど、元ヤンのシングルマザー桜子とその息子や彼女の家族との関わり、隣に住む中国人、鮨職人を目指す浜ちゃんたちを通して世之介の人となりが描かれる。 やっぱり世之介は愛すべき青年だ。
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前作を読んでから随分時間が経ってしまい、どんな話だっけ?と読み始める。 あぁ、そうだ。じわじわ思い出しながらの読了。 読了後のなんとも言えない温かさは前作と同じ。 人は小説に非日常を求めるかもしれないけれど、作り込まれた「いい人」なんて面白くない。 ごく普通の日常を語りそれでい...
前作を読んでから随分時間が経ってしまい、どんな話だっけ?と読み始める。 あぁ、そうだ。じわじわ思い出しながらの読了。 読了後のなんとも言えない温かさは前作と同じ。 人は小説に非日常を求めるかもしれないけれど、作り込まれた「いい人」なんて面白くない。 ごく普通の日常を語りそれでいて小さなきらめきは逃さない。これだよなぁ。そう、善良に生きるって素敵だ。
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幸せかどうかって「気の持ちよう」なんだな、 世之介さんを見ていると本当にそう思う。 偶然にも、本書をカリフォルニア旅行の直前に読んだ。 レンタカーのくだりなんてまさに同じ経験をしたから、 近くに世之介さんがいるのではないかと思ってしまった。 「人生のダメな時期、万歳。人生のス...
幸せかどうかって「気の持ちよう」なんだな、 世之介さんを見ていると本当にそう思う。 偶然にも、本書をカリフォルニア旅行の直前に読んだ。 レンタカーのくだりなんてまさに同じ経験をしたから、 近くに世之介さんがいるのではないかと思ってしまった。 「人生のダメな時期、万歳。人生のスランプ、万々歳。」 飄々とした態度と、ウィットの効いた描写。 スーパーでの買い物など、 本当に日常のさりげないシーンがこんなにも面白く温かい。 世之介さん大好き。
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人生を変える出会いって、現実には劇的なものってそう多くないように思う。ささやかで、後から気づくようなことなんだろうな。 「やりたい」にひっついてくる幾つもの障壁を、直接的にではなくても削ぎ落として単純な気持ちにさせてくれる人。 自分の価値観をいい意味で壊してくれる人。 自分の作っ...
人生を変える出会いって、現実には劇的なものってそう多くないように思う。ささやかで、後から気づくようなことなんだろうな。 「やりたい」にひっついてくる幾つもの障壁を、直接的にではなくても削ぎ落として単純な気持ちにさせてくれる人。 自分の価値観をいい意味で壊してくれる人。 自分の作った制限をゆるくしてくれる人。 世之介、また会えて嬉しかった。
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これは…人生の機微を、人の生きざまを、小さな町のごく普通の暮らしを営む市井の人々の、ささやかだけどその人にとってはかけがえのないたった一度の人生を、やさしい目で見つめた物語だ。 本作は、それを言えばたぶん、ある程度以上の年齢の人なら、ああ、そんなことがあったよねと思い出すような事故をモチーフにしている。おそらくは、その事故から想像して、その人物はきっとこんな人でこんな風に生きてきたんだろうと、著者が想像を巡らせて紡いだストーリーなのだろう。その主人公、横道世之介や、彼を囲む人々への著者のまなざしは、穏やかで温かい。 前作の時点で、このような展開を考えていたのだろうか。 なんにせよ、善良な人々のささやかな日常のなんと尊いことか。 途中、ややもすると少し技巧に走りすぎの感もあるかなと引き気味で読み進めていたのだが。 登場人物たちの人生に思いを馳せつつ、自らのこれまでを思い、身近な人の暮らしを思い、世の中の全ての人を思い、涙があふれた物語でした。
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世之介ってヘラヘラしていて私は苦手なタイプかもしれないけど、顧みたときに強い印象を残しているのはこういう人なのかもしれない。 いつもはヘラヘラしているのにハンドルを握ると異常に安全運転な世之介と、就職先で自信を失い自己啓発セミナーにどっぷりハマるようなコモロンが英語を話すと強気になり、まさかの大出世を果たしていて、すごい変貌を遂げていて驚いたけど人ってこんなもんだろうなと思った。 桜子の兄がなかなか壮絶な人生を歩んでいて、彼の行動を知っていたからこそ世之介は身を呈して人助けをしたのかもしれない、その一端を窺い知ることができた。
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【のめり込み力】 小説です。 前巻が面白かったので、といってもストーリーは忘れました。 続編も面白いです。 軽快な会話のやり取りとどんどん先を読ませる力はすごいです。完全なエンタメ系ではないのに。
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