新章 神様のカルテ の商品レビュー
0からずっと読み続けて、毎回考えさせられるのは、今、目の前を全力で生きる事と、大局的に未来まで見据えて生きることのどちらが正しいのか。 感情と合理性との狭間で世の中は揺れ動いてると感じさせられる。 もう少し描いてほしかったのは、妻を失うかもしれない夫の姿。夫だって妻が先立つと...
0からずっと読み続けて、毎回考えさせられるのは、今、目の前を全力で生きる事と、大局的に未来まで見据えて生きることのどちらが正しいのか。 感情と合理性との狭間で世の中は揺れ動いてると感じさせられる。 もう少し描いてほしかったのは、妻を失うかもしれない夫の姿。夫だって妻が先立つとなればなりふり構わず何かしていたと思うのですが。
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ルールに縛られ腐るのを待つのみ。 彼は組織の一員であり歯車の一つだとしたら相当めちゃくちゃであるが、言動の一つ一つを見れば誠心誠意を持って患者さんと対話する素晴らしき人なのだけれどな。 病院に来る者には様々な背景があり症状も人それぞれだが、末期の症状を迎えた時に自分の最期の場所を...
ルールに縛られ腐るのを待つのみ。 彼は組織の一員であり歯車の一つだとしたら相当めちゃくちゃであるが、言動の一つ一つを見れば誠心誠意を持って患者さんと対話する素晴らしき人なのだけれどな。 病院に来る者には様々な背景があり症状も人それぞれだが、末期の症状を迎えた時に自分の最期の場所を選べないのは少し悲しいかもしれないな。
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医者としての生き方を通して、自分の人生観、誰と何を選択するのかを考えさせられる。読み進めるほど、患者の行く末が気になる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
パンの論理と、パンがたくさんあるのに腐らせている大学病院の不合理なシステムや縄張り派閥のしがらみに、患者ファーストを貫くひきの栗原一止。チーム医療を言うけれども、病院業界は男性医師中心で回っている。この小説も医師からの目で、看護師介護士などの観点が軽視されている。また、DR.X などはあり得ないとわかる。医局は、僻地の無医村を守る仕組みだ。
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シリーズものってどうしても だんだんと尻すぼみになっていくイメージが あるのだけど。 神様のカルテは毎回新鮮に感動できる 稀有な作品だと思う。 イチさんの語りはやはり 読んでいて落ち着くし (実家に帰ってきたよう) 作品世界の居心地のよさは抜群だ。 ストーリーばかりに目を向...
シリーズものってどうしても だんだんと尻すぼみになっていくイメージが あるのだけど。 神様のカルテは毎回新鮮に感動できる 稀有な作品だと思う。 イチさんの語りはやはり 読んでいて落ち着くし (実家に帰ってきたよう) 作品世界の居心地のよさは抜群だ。 ストーリーばかりに目を向けがちだけど 作者の描写力も並大抵なものではない。 落涙必死。
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今作は主人公の内科医が大学病院に行ったところから。大学院生として研究もしつつ、臨床もこなし、院生として授業料も払わねばなのでアルバイトもこなし、と相変わらず忙しい日々を過ごしている。 大学病院の規律の中で理不尽さとか、正しいことであっても貫けるわけではない出来事などに向き合いなが...
今作は主人公の内科医が大学病院に行ったところから。大学院生として研究もしつつ、臨床もこなし、院生として授業料も払わねばなのでアルバイトもこなし、と相変わらず忙しい日々を過ごしている。 大学病院の規律の中で理不尽さとか、正しいことであっても貫けるわけではない出来事などに向き合いながら、後輩を育てるのもなかなか大変なことである。 一人の若き癌患者を通して、病院の規律と患者の希望とをどうやって折り合っていくのか、治療に向き合っていくのかが書かれている。 大学病院に勤めていた間、そういう規律や理不尽さというものには向き合う機会もあったけれど、それは地域の診療所に勤めの場が変わったからといって解決する問題でもなく、むしろさらに市民病院などの融通のなさには辟易することとなった。その歪さは外から眺めているせいなのかはわからない。でもそれでも現場のスタッフたちも懸命にやっているのだということがわかるくらいには、歳をとったなと思う。
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ちょっと重すぎたのと、主人公が若いのに練れ過ぎているように感じたのが、気になった。 素晴らしい本だとは思う。
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久しぶりのシリーズ新刊は、医師栗原一止の奮闘が「白い巨塔」さながらの魔窟っぽさがうかがえる大学病院で描かれます。大学病院、医局という制度、外聞と内実、さまざまなものにからめとられそうになりながらも、やはり少しばかり「破天荒」に道を開いていく一止の姿が小気味よい。 医療制度におけ...
久しぶりのシリーズ新刊は、医師栗原一止の奮闘が「白い巨塔」さながらの魔窟っぽさがうかがえる大学病院で描かれます。大学病院、医局という制度、外聞と内実、さまざまなものにからめとられそうになりながらも、やはり少しばかり「破天荒」に道を開いていく一止の姿が小気味よい。 医療制度における問題点は山積みで、それは現実のニュースでもいくらでも受け取ることができますが、根本はやはり一止が終盤に准教授に行ったあの一言に尽きるのだろうと思います。そのために医者は、病院は、高度な医療機器は存在している。理想論ではあろうけれども、どうかそのことがこの物語上の彼らにも、そして現実の医療の現場にも、常識として立ち返って考えていただければ有難いな、などと思いました。 この物語でも哀しい別れが描かれますが、同時に新しいいのちも輝ける存在として生き生きと描写されています。生と死は常に人のそばに寄り添い、そこに慈悲も容赦もないこともあるけれど、だからこそ「生きる義務」を一日一秒しっかりこなしていかなければならないな、と思いもしました。 このシリーズでは信州の美しい自然描写も素晴らしく、とりわけ今回は終盤のとある花が一面に咲いている場面が印象的でした。写真でしか見たことのないその花ですが、素朴なその花が一面に信州の地になびいているところを一生に一度見てみたい、と思わせてくれる、素敵な場面でした。
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毎朝読むには胸焼けしそうなテーマの詰まった話だったが、登場人物による心境の緩急になぞることで一緒に話の終わりまで進めることができた。理論の中に癖のあるユーモア、爽快な背景描写も相俟って、暗い気持ちで終わらせない書き方はこのシリーズの長所だと改めて認識した。
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・医者とはかくもprincipals of behavior が必要な職業なのか。それが無いとやってられない仕事なんだろう。
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