1R1分34秒 の商品レビュー
第160回芥川賞 受賞作単行本化! 「1R1分34秒」は2019年1月31日に単行本化が決まっております!刊行をお待ちください。
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決して強くはないボクサーの壮絶な日常を、ボクサーの一人称で語られる。ボクサーの日常は、我々のような一般人には想像できない苦しさを伴う日常である。でもそこから抜け出せない、抜けようと思っても抜けない現実があり、パラレルワールドの物語を読んでいるようだった。一方で、娯楽として見るボク...
決して強くはないボクサーの壮絶な日常を、ボクサーの一人称で語られる。ボクサーの日常は、我々のような一般人には想像できない苦しさを伴う日常である。でもそこから抜け出せない、抜けようと思っても抜けない現実があり、パラレルワールドの物語を読んでいるようだった。一方で、娯楽として見るボクシングは血沸き肉踊るものだ。ボクサーのことを考えると、自分は「ゴメン、楽しむだけで」と謝りたくなるくらいである。そもそもボクシング自体がストイックさを求められる競技だ。それを題材として読者に罪悪感を抱かせるずるい小説である。もちろん褒めている。
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この本好きだなぁと思いました。 生きることについて向き合える本だと思います。 ボクシングの知識が無い私でも読みやすかったです。 ※ここからネタバレあり※ ボクシングのプロライセンスを取った21歳の若い主人公。 プロになれ喜んでいたけど現実は賞金を稼ぐほどの実力はなくバ...
この本好きだなぁと思いました。 生きることについて向き合える本だと思います。 ボクシングの知識が無い私でも読みやすかったです。 ※ここからネタバレあり※ ボクシングのプロライセンスを取った21歳の若い主人公。 プロになれ喜んでいたけど現実は賞金を稼ぐほどの実力はなくバイトの日々。 練習する時間もなく試合にも勝てず周りからも気を使われ悪循環の中にいる。 トレーナーに見放され、新しくトレーナーとして紹介された同じジムに所属するプロボクサーの「ウメキチ」と出会い変化が起こる。 奇人で飄々としているウメキチ。主人公は嫌々ながら疑いながらも、付かず離れずの距離でサポートしてくれるウメキチに段々と心を開き信頼し成長していく。 私自身30代になって思うことは、10代、20代は生きると死ぬが近い距離にあった気がしている。 おそらく短い期間に多くの選択肢が提案され、その中から自分で選んで生きているという感覚が強かったからだと思う。 選んだからには最高でありたいと思う気持ちも強く、ただ理想と現実のギャップに苦しむことが多かった。 歳を重ねるとあぁまたこの感情ね。はいはい。と段々なってくるし、もはやその感情は時間の無駄になるかもしれないと別の選択をするようになる気がする。 この本を読んで、私はこの感情を忘れてしまっている自分がいるなと思った。 最後はまとわりついていた苦しみとは反してあっさりと勝つことができた。成功に辿り着くまでの過程で経験する挫折感、焦燥感、不安、自己嫌悪感などは誰もが通るものなのかもしれない。信頼のシステムに切り替えられるかどうか。(信頼のシステムという表現は機械的であまり好きではないけど) (この本とは関係ないが読んでてふと思ったのは、人生は常に不安を無くしていく作業なのではないかと思った。そして目の前にいる人を幸せにする作業でもあり、とても難しい作業だなと思った。)
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デビュー戦をKOで勝ったものの、その後夢が少しずつしぼんでいった若いプロボクサー。ある試合で負け、反省と自分の弱さばかりが頭を駆け巡る中、長年のトレーナーが先輩の現役ボクサー兼トレーナーに代わることになり、腐りますが、その気持ちが少しずつ変わっていきます。一つ一つの練習、細かな動...
デビュー戦をKOで勝ったものの、その後夢が少しずつしぼんでいった若いプロボクサー。ある試合で負け、反省と自分の弱さばかりが頭を駆け巡る中、長年のトレーナーが先輩の現役ボクサー兼トレーナーに代わることになり、腐りますが、その気持ちが少しずつ変わっていきます。一つ一つの練習、細かな動作、食事、睡眠。事細かに語られるそれによって、主人公の感情がむき出しで流れ込んでくるのですが、それが強引でなく柔らかな流れでこちらの感情をゆさぶり、読みやすかったです。今後の彼を応援せずにいられない気持ちになりました。
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ボクシングの専門用語が多すぎます。 ウメキチに教えてもらうとこ→主人公の心の移り変わりが面白い! こうゆう小説が芥川賞受賞になるんですね。
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なかなか、入っていけなかった。。 一人称の物語展開と心情描写が続く。 ぼくには、よく分からなかった。
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ボクサーの心理描写が巧みで,試合の様子トレーニングや減量など臨場感があってよかった.ただシンプルに生きるということを見つめているような友達くんも面白い.
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うーん。やっぱり小説を読む力が落ちている。 それなりに物語世界に入るが,「だから?」となる。物語を創出する技量やエネルギー,発想を真似はできないけど,なぜこの物語を創出したのだろう,書いたのだろう,という考えが絶えず出てくる。作者は何かを表現したいから書くという前提にとらわれてい...
うーん。やっぱり小説を読む力が落ちている。 それなりに物語世界に入るが,「だから?」となる。物語を創出する技量やエネルギー,発想を真似はできないけど,なぜこの物語を創出したのだろう,書いたのだろう,という考えが絶えず出てくる。作者は何かを表現したいから書くという前提にとらわれているからこそ,なぜが気になり,表現と言うことは伝えたい内容があるのだろうと,それを読み取ろうとする。そして,失敗して「うーん」だ。
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芥川賞受賞作。 ってのは私の好みからは外れてるんだけど、たまに読んでみる。(大抵後悔するけど) これも読み始めて、やめときゃ良かったかなーと思いながら読んだけど、途中からはちょっと面白くなってきた。 ライセンスはあるがパッとしないボクサーが、新しいトレーナーの元、徐々にヤル気...
芥川賞受賞作。 ってのは私の好みからは外れてるんだけど、たまに読んでみる。(大抵後悔するけど) これも読み始めて、やめときゃ良かったかなーと思いながら読んだけど、途中からはちょっと面白くなってきた。 ライセンスはあるがパッとしないボクサーが、新しいトレーナーの元、徐々にヤル気?生きる気?を取り戻していく。 延々そのボクサーの心の声で構成されてるけど、実際のボクサーもそうなのかな? 極限まで減量しながらの練習、試合への緊張感、恐怖心。 そういうのと向き合うには心の中がこれぐらい饒舌じゃなければやってられないのかな。 次の試合、頑張ってほしい!
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地味なプロボクサーとして生きている主人公。 その心の葛藤と自我との闘い。 スゲー面白い、スゲー文学的と一気に読み進めながら、僕はこんなに物事を具体的に抽象的に自分の人生を問いかけながら生きているだろうか、いや生きてないだろうな。と思い至る。
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