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平場の月 の商品レビュー

3.8

183件のお客様レビュー

  1. 5つ

    34

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    8

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    3

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2021/04/25
  • ネタバレ

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偶然出会った中学の同級生。50代の恋愛模様。 40半ばを迎えて初めてわかる切なさ。 心に沁みました。 2人ともとても不器用だけど誠実。 駆け引きなんてとうに卒業した、 そんな会話が愛おしく。 平場の月のような面持ちで 考えていた「夢みたいなこと」 それだけで幸せです。

Posted byブクログ

2021/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭の時系列が現在で、過去を回想するように書かれているのですが初見だとそれが分かりづらく、何度か読み返しました。 何か深い意図が隠されているのではないかと考えましたが考えてもやっぱりよく分からなかったです。 何もかもが生々しい小説。 50歳の男女、安アパート、焼き鳥屋、ユニクロの服、がん。 病気になってもプライドのようなものを決して捨てない須藤は、体が弱っていくにつれて実際に生きているかのように生々しく感じられました。 最後に須藤が離れていったのはどうしてなのだろうかは今も分からないです。女性の読者なら、分かるのでしょうか。男の僕にはその分からなさがまた、須藤が実際に生きていたかのように感じられるのです。

Posted byブクログ

2021/03/27

中学校時代の同級生と久しぶりに会って付き合い始めて、彼女が癌になり、ストマー(私の夫がそうなのです)になり、抗がん剤治療して、けんかして、亡くなるまで。いろいろあった人生を受け止めていたのに、でもそれが彼女らしさなんだと思えました。

Posted byブクログ

2021/03/07

「大人の恋愛」なのだろうけど、一筋縄ではいかない。悲しいけれど悲しいだけではなく、でもけして明るいわけではなく。 とても淡々と綴られているのだけど、読んでいて時折わっと叫び出したくなるような感じがあった。 50歳の青砥は、生まれた地元でこれまでを生き、おそらくそこで死ぬこともほ...

「大人の恋愛」なのだろうけど、一筋縄ではいかない。悲しいけれど悲しいだけではなく、でもけして明るいわけではなく。 とても淡々と綴られているのだけど、読んでいて時折わっと叫び出したくなるような感じがあった。 50歳の青砥は、生まれた地元でこれまでを生き、おそらくそこで死ぬこともほとんど確定している元男子だ。離婚後は独り身で、家族は施設に入っている老いた母だけ。 同級生である須藤とは、須藤が働く病院の売店で再会した。青砥にとって須藤は、中学時代に告って振られた元女子だ。 再会後流れで2人は親しくなるが、2人の間に抗えない運命が降りかかる。 人間も50歳くらいになれば、どこで生きてどこで死ぬかということをうっすらと意識し始めるのだろうか、と考えた。 親も老いているし(あるいはもう亡くなっている場合もあるし)、そろそろ自分の病気の心配なんかも出てくる。 結婚して子育て真っ最中なら忙しくてあまり深く考える余裕もないかもしれないけれど、この小説の青砥と須藤は、2人とも離婚歴ありで子育てはしておらず、あまり裕福とは言えない暮らしを日々淡々としているので、わりとそういう意識を持ちやすいと言えるかもしれない。 この物語は、そんな2人の人生のなかでは幸福な時間を描いている。ほんの短い時間ではあるけれど、静かに人を愛して、愛されて、質素ではあるけれど暮らしを楽しんで、ぎこちなく寄り添い、一緒に過ごす時間を慈しんだ記録だ。 人にはなかなか言いづらい捻れた過去があって、だけど50歳を過ぎてから贈り物のようなそんな日々が訪れる。 それだけに、悲しい物語でもある。 ドラマチックではないからこそ胸を衝く。 当たり前の日々が当たり前にずっと続くわけではないことを実感する。 須藤の、覚悟を決めた瞬間がおそらくあって、それに気づくとわっと叫び出したくなる。 でもひとつの人生でこういう時間を持てることは、奇跡に近くて、きっと幸せなのだと思う。

Posted byブクログ

2021/03/03

中学の同級生でお互いに初恋の相手だった、須藤と青砥。 須藤がパートで働く病院の売店に、がん検診で訪れた青砥と再会したことから始まる恋愛。 50代にもなれば、誰しも痛すぎる過去がひとつやふたつあるものだと思うのに、須藤の頑ななまでの意地の張り過ぎに、ちょっと可愛げ無いと思ってしまっ...

中学の同級生でお互いに初恋の相手だった、須藤と青砥。 須藤がパートで働く病院の売店に、がん検診で訪れた青砥と再会したことから始まる恋愛。 50代にもなれば、誰しも痛すぎる過去がひとつやふたつあるものだと思うのに、須藤の頑ななまでの意地の張り過ぎに、ちょっと可愛げ無いと思ってしまった。 誰にも頼らず、自分の事は自分で何とかしようとする意思の強さは認めるけど、母親の事や、過去の結婚生活がそうさせているのか、須藤はどこか自分は幸せになってはいけないと思い込んでいるのではないか? 50年も生きてきたのだから、青砥におんぶに抱っこでもいいんじゃないか?辛いときは辛い、寂しいときはそばに居てと甘えて何が悪い?・・・と、まぁ、末っ子丸出しの自分は、大声で叫びたくなりました。 須藤の死をあんな形で知ってしまった青砥が不憫で仕方ない。須藤らしいと思いながらも、この先ずーっと引きずって生きて行くんだろうな。

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2021/03/08

初恋の思い出と傷は心のどこかに残るもの 年月を経ると、過去の失敗や後悔は思い出になる 年取ったおかげで相手に対し寛容でいられる自分がいる 高齢者だって恋はする そんな人にお勧めの本

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2021/01/31

中年の恋。地元の噂に囲まれ、地道に仕事をし、がたがきた身体となんとかつきあっている。地味だけれど、リアルだった。男によりかからずに一人で強くありたいという頑なさは理解できる。

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2021/01/31

最初に結末がわかってるから、いや、のに、読むのが切なかった。 20代の頃より明らかに死を身近に感じる今日この頃。 あーだって50代だ。 マラソンだって宿題だって、半分過ぎたらわりとハイペースで終わる。 だとしたら、人生多分6割は過ぎて^^;どんだけ加速するんだろ。 40にして惑わ...

最初に結末がわかってるから、いや、のに、読むのが切なかった。 20代の頃より明らかに死を身近に感じる今日この頃。 あーだって50代だ。 マラソンだって宿題だって、半分過ぎたらわりとハイペースで終わる。 だとしたら、人生多分6割は過ぎて^^;どんだけ加速するんだろ。 40にして惑わず、50にして天命を知る… まだまだ惑ってばかり。 だけどこんなに穏やかな関係を築けるのはこの年齢だからこそ。 多くを望まず、ただ一緒に過ごす日常の尊さ。 悔いのない人生は無理でも、意味ある人生だったと思えたらいいなぁ。 最後は涙があふれた。 久々の★★★★★

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2021/01/28

読み終えて感想を書いてみたいと思わせてくれた小説です。しかし登場人物に自分自身を投影し感情移入し過ぎてしまい未だ物語から抜けきれず…

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2021/01/27

第32回山本周五郎賞受賞作。 中学同級生初恋相手とガン検査に訪れた病院売店で偶然出逢った50代二人はいろんなことの末にバツイチ同士で生活もカツカツ。アラフィフ「世界の中心で愛を叫ぶ」は埼玉を舞台にちょっと切ないお話でした。映像化するならぜひ深津絵里さんに演じてほしい。

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