平場の月 の商品レビュー
朝倉さんの本は、淡々とした中に淡々とした物悲しさがあるんだけど、嫌な感じがしないし、すごく悲観的なって涙が出るわけでもない。不思議な気持ちになる。 いくつになっても恋愛とは難しく男と女が100%分かりあえて通じ合うことは出来ないんだろうな。同性でも同じだろうけど。探り合いながらち...
朝倉さんの本は、淡々とした中に淡々とした物悲しさがあるんだけど、嫌な感じがしないし、すごく悲観的なって涙が出るわけでもない。不思議な気持ちになる。 いくつになっても恋愛とは難しく男と女が100%分かりあえて通じ合うことは出来ないんだろうな。同性でも同じだろうけど。探り合いながらちょうどよい所に折り合いをつけて、二人が半々に我慢している所が「うまくいってる」の限界なんだろうな。 50歳の二人の恋愛は20代とは違い、お互いを必要以上に気遣い、気遣いすぎて静かに二人の気持ちにずれが生じていく。中年の恋愛小説、他にも読んだけど一番リアルだった。
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蝕まれてゆく姿を、大事に思う人に見続けられるのは、辛い。 また、死なせるのは、常套手段で先が読めてつまらない。
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これはしばらく忘れられない物語。 読み続けるのが辛くて中々進まなかった。 中年再会死別系恋愛小説とでも云うのかな。 最初に須藤が死んだことを知った主人公から話が始まる。出会いから交流、病気、離別というなかでお互いの家庭や仕事、歩んできた歴史が明らかになる。 中学同級生、地元、家族、変わったこと変わらないこと含めて二人が再び出会って別れるまで。 青砥はこれからどんな思いで生きて行くのか、と思うとやるせなさで一杯になる。 作品紹介・あらすじ 第32回山本周五郎賞受賞作&第161回直木賞候補作! 朝霞、新座、志木。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとり。元女子須藤とは病院で再会した。50歳になった男と女の、心のすき間を、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く大人の恋愛小説。
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50歳でお互い独身になって再会した男女の物語。彼女は大腸がんを患い彼とは一緒になれない。がんになった人は寛解までの不安や周りに迷惑をかけているという不安があるんだろうなぁ。 ストーリーはよかったが文章が感情的で登場人物が多く進行が分かりづらかったです。
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中学の同級生だった須藤と青砥。35年ぶりに再会し2人の仲は恋愛に発展するが、須藤の事情により別れることになる。 冒頭で結末が分かってしまうので、せつない展開を予想して読んだが、確かにせつないけど清々しい満足感も残った。 青砥の須藤への想いはもちろん、須藤の気持ちも本物だと、青砥が一番大事な人だったと伝わるからか。 その上で須藤が別れを決断した心が分かるからか。 2人の関係が理解できて、まるで自分の友達を見守っているようだった。
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朝霞、新座、志木…この辺りは10年ほど暮らした思い出の多い場所で、アサカベーカリーや志木マルイのトップス、オリンピックなど懐かしい場所がたくさん出てきて嬉しくなりました。お店も多くて、一人暮らしにはとても便利なんだよなぁ…都内にもすぐ出られるし。そして東上線民といえば池袋(西武線民もか)!西武、東武、メトポリ…。都内や横浜、また地方を舞台にした小説はいくつも読んだけど、自分の暮らした朝霞地区をここまで描いたものは初めてで、感想を書きたくなりました笑 食事や年収などすごく庶民的で、青砥と須藤のささやかな幸せ、地味な生活が細かく描写されていました。50にもなると、親の問題や親戚、自分の体調や病気、老後のことなどいろいろ出てくるので、恋愛という綺麗事だけではなく、生活から切り離せない諸々が丁寧に織り込まれていて良かったです。 展開はまぁ…目新しさはないけど、勢いでダーっと突き進めない年頃そして状況の切なさはありました。青砥の人となりは何となくわかったけれど、須藤の人物像の描かれ方が少し弱いかな。肝の座った冷静な頭の良い人というイメージだけど、そういう人が夫亡きあとこんな男(美容師?)にハマるかなぁと思ったり。寂しかったということなんでしょうけど。 それから、須藤が青砥に貰ったネックレスと部屋の鍵を勝手に菜園にしていた駐車場脇に埋めてたというエピソードはちょっとやりすぎかと思いました…。映画にするにはピッタリの物語だと思います。
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静かな大人の恋愛という話のはずだったけど、身体の不調と病、死が中心にある愛情の話だった 青砥の不器用さや須藤の酷さを感じる 実際なんて知らないけど、2人とも切ない…辛い闘病を約束を目標に須藤はがんばってたのかな?きれいな須藤を思い出に出来た青砥は幸せなのかな? 恋愛だけど病抜きだったらこんなに想ったかわからない、病院で再開するんだから仕方ないけど 感想も複雑になる、もうすぐだけど同い年とか、病になったらまた別の感想になるんだろな〜
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新聞の一面下段に大きく文庫本の広告が出ていて興味を持ち、図書館で単行本を借りて読む。とても切ない大人の恋愛小説で、でもとても面白かった。半世紀も生きると身体の何処かにガタが来て、大病を患う確率は男女とも2人に1人、とのこと。恋愛と病気を組み合わせた小説は多々あれど、主人公が初老と...
新聞の一面下段に大きく文庫本の広告が出ていて興味を持ち、図書館で単行本を借りて読む。とても切ない大人の恋愛小説で、でもとても面白かった。半世紀も生きると身体の何処かにガタが来て、大病を患う確率は男女とも2人に1人、とのこと。恋愛と病気を組み合わせた小説は多々あれど、主人公が初老という話はとても新鮮に感じられた。朝倉かすみの他著作あるいはエッセイも読んでみたい、と思った。読みたい本がまた増えてしまった…(^_^;)。
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まさかの病気系でした。 50歳ってとんでもなく大人に思うけど、(実際身体にガタがきてるけど)心は若い時の延長でしかなく、愛を育むことに歳いき過ぎてるとか遅すぎるってことはないんだなと思いました。
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久しぶりの恋愛小説、人生の半ばを過ぎた 男女の不器用で切ない愛の話。 2人の会話は幼なじみと言う事もあり 若い時のまま、時が過ぎて行く。 中年の現実の身体の衰えや人生の水も甘いも 知った二人だが、そこには何故か初々しさも あり青砥の須藤に対する態度は時々少年の様だ。 病と共に太く...
久しぶりの恋愛小説、人生の半ばを過ぎた 男女の不器用で切ない愛の話。 2人の会話は幼なじみと言う事もあり 若い時のまま、時が過ぎて行く。 中年の現実の身体の衰えや人生の水も甘いも 知った二人だが、そこには何故か初々しさも あり青砥の須藤に対する態度は時々少年の様だ。 病と共に太く生きて行こうとする須藤を 受け止め共に生きたいと思う青砥。 須藤の死は小説の最初にさり気なく描かれるが その後の二人の出会いから、別れまでが尚更 切なくなる。
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