平場の月 の商品レビュー
妻子に出て行かれて都内製本会社を辞して地元に舞い戻った主人公の青砥は、30数年振りに中学同級女性の須藤と再会、2人が親交を深めていく物語です。 青砥の目線で、青砥自身の思いと、そして青砥が思い想像して考える須藤の思いが、それぞれ丁寧に描かれていると感じました。 不幸な過去などもあ...
妻子に出て行かれて都内製本会社を辞して地元に舞い戻った主人公の青砥は、30数年振りに中学同級女性の須藤と再会、2人が親交を深めていく物語です。 青砥の目線で、青砥自身の思いと、そして青砥が思い想像して考える須藤の思いが、それぞれ丁寧に描かれていると感じました。 不幸な過去などもありながらも、青砥が(おそらく須藤も)淡々と穏やかに生きようとする様子が大変好印象でした。 星4つです。
Posted by
50歳になり、酸いも甘いも経験してきた同級生が出会い緩やかに恋愛へと発展していくのだか、ほどなく彼女に癌が発覚する。 彼女がどうなるのかは冒頭でわかるので、それまでに2人に何があったのかを追っていきます。 話しの内容的には好きなはずなのに、筆致が合わないのか何故か進まない。まぁま...
50歳になり、酸いも甘いも経験してきた同級生が出会い緩やかに恋愛へと発展していくのだか、ほどなく彼女に癌が発覚する。 彼女がどうなるのかは冒頭でわかるので、それまでに2人に何があったのかを追っていきます。 話しの内容的には好きなはずなのに、筆致が合わないのか何故か進まない。まぁまぁ、その時の自分のコンディションとかあるしね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
50代の恋愛物語。 結婚、離婚、家族、病気…生活感漂う中での静かな恋愛。 きれいごとばかりじゃなく、そこがリアル。 日常の中での恋愛ってそんなにドラマチックでもないし、家族とか周囲との関係性も大きく関係するだろうし… いろいろあるよね、と思う。 人生経験を積んだ上での恋愛は静かで重い、そう感じた。 人の気持ちを感じとったり、探ったり… 人として成長していなければできないやりとり。 悲恋ではあるけれど、切なすぎるけれど、いい物語だった。
Posted by
凪良ゆうさんが、お勧めの本として ある番組で紹介していた作品。 大人に読んでほしい恋愛小説ですと。 50歳になった男女の再会。 様々な過去を抱えて生きる二人。 淡々と語られる心の内。 その描写が哀しく美しくて、 そして何より、苦しく切ない。 ここからは、凪良ゆうさんの言葉。 ...
凪良ゆうさんが、お勧めの本として ある番組で紹介していた作品。 大人に読んでほしい恋愛小説ですと。 50歳になった男女の再会。 様々な過去を抱えて生きる二人。 淡々と語られる心の内。 その描写が哀しく美しくて、 そして何より、苦しく切ない。 ここからは、凪良ゆうさんの言葉。 「派手なできごとは起こらない。 静かに降ってくる雪が積もって、 踏み締められて固くなって、 最後に溶けない根雪になっていく。 どしっとした大人のための恋愛小説」 たしかに恋愛小説ですが、 主人公たちは様々な過去を経た人物。 わくわくドキドキだけでなく、 親のことや病気のことなど 他人事ではない描写に気持ちが入る。 身につまされることもあり、 胸がチクチクする作品でした。
Posted by
著者の朝倉かすみさんは、なにげない日常の出来事を掬い上げ文にするのがとても上手いと思う。朝霞にお住まいだったのですね。主人公たちの道ゆく姿がありありと見えてきました。 タイトルから「平場」ってなんだろう?と興味を抱きました。 「おれら、ひらたい地面でもぞもぞ動くザッツ・庶民」だ...
著者の朝倉かすみさんは、なにげない日常の出来事を掬い上げ文にするのがとても上手いと思う。朝霞にお住まいだったのですね。主人公たちの道ゆく姿がありありと見えてきました。 タイトルから「平場」ってなんだろう?と興味を抱きました。 「おれら、ひらたい地面でもぞもぞ動くザッツ・庶民」だから「平場」なのだ! 青砥健将(あおとけんしょう)と須藤葉子は中学校の三年間、同じクラスだった。中央病院の売店で35年ぶりに再会した二人は50歳。もう若くはないけれど「どうってことない話をして『ちょうどよくしあわせ』になってもいいんじゃないか」と互助会を結成する… 元同級生との偶然の再会。相変わらず(性根の)太い須藤といまさら青春でもないなと思いつつ、互助会が家飲みになり、心の内をさらけ出せる友だち以上の関係となった。お互いの35年間を取り戻すように語り合うシーンが繊細に丁寧に描かれています。 生検の結果に怯えていた青砥。かたや進行性の大腸癌になり、ストーマ手術や抗がん剤治療を淡々と受け入れていく須藤。青砥が大切な存在だからこそ、寄りかかろうとしない彼女の姿勢が清い。「このひとと生きていきたい」と青砥は願う。「彼がまだ自分を待っていてくれる。彼にとって月のような存在でありたい」須藤の思いの切なさに言葉をなくしてしまいました。
Posted by
ずっと低速飛行してる感じ 読んでも読んでもなかなか進んでる感じがしない (40%前後まで) と思ってたんだけど 須藤ががん告知されてからはよく進むなぁ 青砥の気持ちなのか 消えゆく人間の儚さなのか そしてなんか今まで読んだことない感じ。 文章の息づかいとか年齢とか内容とか。 自...
ずっと低速飛行してる感じ 読んでも読んでもなかなか進んでる感じがしない (40%前後まで) と思ってたんだけど 須藤ががん告知されてからはよく進むなぁ 青砥の気持ちなのか 消えゆく人間の儚さなのか そしてなんか今まで読んだことない感じ。 文章の息づかいとか年齢とか内容とか。 自分の中で読書の階段を何段かのぼったような気がする。
Posted by
おとなになってときめくことって、やっぱり怖いのかもしれない でも、相手を想う気持ちは忘れたくないなぁ…
Posted by
読み始めるまでに4年もかかりました。いわゆる積読。当時の私には物語のよさがわからずそのままになっていました。 今回本棚から引っ張り出してみてわかったのは、これは読む人の年齢(精神年齢?)というか、経験というかそういう積み重ねがないと深く味わえないものだなぁということ。 正直と...
読み始めるまでに4年もかかりました。いわゆる積読。当時の私には物語のよさがわからずそのままになっていました。 今回本棚から引っ張り出してみてわかったのは、これは読む人の年齢(精神年齢?)というか、経験というかそういう積み重ねがないと深く味わえないものだなぁということ。 正直とてつもなく大きな出来事が起こるわけでもないし、(出来事は起こるけどそれはだいぶ序盤に明らかになる)めちゃくちゃ心が揺さぶられるかって言われるとそんなでもありません。←失礼 ただ読後何か残るものがある。 それは登場人物である青砥と須藤のたわいもない会話の中にあったり、2人が住んでいた街の中にあったりとハッキリはしない。 でも確かに何か残っている。 結末はまぁ序盤にわかってはしまうのだけど、こういう結末になってしまうのも、何気ない一言や行動の積み重ねなんだろう。 お互いが成熟した頃合いに、かつての初恋相手にばったり再会したら…… 私の初恋もこんなふうに昇華される日がくるのかな。いや、こないな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんか熟年不倫の話だと思ってた…全然違うじゃん。 冒頭でわかっちゃいるけど、実は…じゃないかって期待したりもしたけれど。 わかるけど、つらすぎ。須藤カッコつけすぎ。絶対後悔してるでしょ。
Posted by
読んだ直後より少し時間がたってからじわじわきた。 どちらの気持ちもわかる、この年齢だからこその思い、背負ってきた過去、地元ならではの良さと嫌らしさ。 いろいろ、身につまされてこたえる。
Posted by