恋と禁忌の述語論理 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
本作は、第51回メフィスト賞を受賞した井上真偽さんのデビュー作である。存在は知っていたものの、何となく読まずにいた。それというのも、本作には数理論理学が絡んでくるからである。文系のみならず理系の読者も敬遠したのではないか。 井上さんが人気を確立したのは『その可能性はすでに考えた』以降ではないだろうか。あまりにもとっつきにくいデビュー作。自分は数理論理学は大学で習った記憶があるが、古典論理まで。直感主義論理とか様相論理とかはちんぷんかんぷん。 探偵役は主人公の叔母。一言で言えば天才で、現在はセミリタイア中という身。相談に行くと、彼女は数理論理学の立場から事件を紐解く。彼が持ち込む事件は、別の探偵役によりとりあえず解決済なのがミソ。天才に見えてくる事件の姿とは。 レッスンIはまだ初歩的だが、先に進むほどレベルが上がり、普通に推理してくれよと言いたくなる。本作の個性が、数理論理学を駆使した推理にあることは、重々承知しているし、この天才探偵にとっては普通の思考プロセスなのだろうけど。 数理論理学の理解をごまかしてしまえば、3つの事件の構図や背景は大変興味深く、本格として十分に面白い。それぞれ長編化も可能なのではないか。1作品に詰め込んだ理由は、最後にわかる。各編この長さだから何とか読めた気もするが。 レッスンIIIに至ると、おや? こんなところで出会うとは。デビューから読んでいるファンには、ただの変人に映ったかもしれないが、自分にとっては嬉しい驚きだった。数理論理学が高度すぎるだけに、ほっとしたと言ってもいいかもしれない。 最後の進級試験。……。天才にはすべてお見通しだったわけである。凡人の自分にはわからないが、学問に没頭するというのは人間らしい行為だとは思っている。かつてない探偵役は、ある意味最も人間らしい探偵役かもしれない。 自分に進級は無理であることはわかった。文庫版解説では再登場を熱望されていたが、さて需要はどれだけあるのか。メフィスト賞ならではの作品には違いない。
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甥から聞いた事件の話を叔母が数理論理学を駆使して安楽椅子探偵の如く事件を検証する。 叔母と言っても二十代の才媛かつ美人と来ているので主人公は恋心を持つ。それが本作のタイトルに由来しているのかなと思いました。最終章では今までの事件の伏線を見事に回収。数学の話は難しく理解できない部...
甥から聞いた事件の話を叔母が数理論理学を駆使して安楽椅子探偵の如く事件を検証する。 叔母と言っても二十代の才媛かつ美人と来ているので主人公は恋心を持つ。それが本作のタイトルに由来しているのかなと思いました。最終章では今までの事件の伏線を見事に回収。数学の話は難しく理解できない部分もありましたが、きちんと分かりやすく解説してくれているので、良かったです。ふたりのやりとりもなんだか楽しい。 論理的な話でついていくのも大変な部分もありましたが、アプローチが斬新で特に数学が好きなひとには楽しい一冊だと思います。
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数理論理学による検証で名探偵達の推理を覆す訳だが,推理の検証の検証を読者に託すということは,読者を選ぶということであり,一般的なエンターテインメントとしては成立し得ないことを筆者自身が提示している.それを否定するつもりはないが,閉じた世界に汎用性はないのではないだろうか.
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難解な話である。 論理学でミステリを解くお話。 謎を持ち込む大学生の甥っ子の真の狙いが明らかになったとき、新たな物語が始まりそうな予感がする。 メフィスト賞受賞作品。
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著者デビュー作にして第51回メフィスト賞受賞作の今作だが、名状しがたい世知辛い理由により3番目に文庫化される運びとなった。 三者三様の事件とその解答を検証していく今作。 正直普通にめちゃ面白なのに、不人気らしい。なぜ……。 花屋探偵メインで1本読みたいし、...
著者デビュー作にして第51回メフィスト賞受賞作の今作だが、名状しがたい世知辛い理由により3番目に文庫化される運びとなった。 三者三様の事件とその解答を検証していく今作。 正直普通にめちゃ面白なのに、不人気らしい。なぜ……。 花屋探偵メインで1本読みたいし、女子大生探偵メインで1本読みたいし、硯さんの正体も気になる。 こんなに読みたい要素満載なのに、全て放置して青髪探偵をシリーズ化してしまってしかも大人気。いや面白いけれども。 是非ともですね、青髪以外の作品を書いて欲しいものですね。
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大好きなその可能性〜シリーズの一作目!やはり井上真偽はすごい、感嘆する。このカチカチ感がたまりません。
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「検証」だから致し方ないのだろう。 探偵が披露したか答えが合ってるかどうかの検証なので、犯人やその動機がなんなんのかは二の次三の次なのもわかる。 でも、そーじゃないんだよー。わかるけど、そこはちゃんと動機まで! ラストの展開は予想外だったけど、うーん
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何か見たことある…?と思ったらこれ『数学ガール』? 『数学ガール』では数学の面白さに気づかされたけど、本作は論理の部分ほぼ読み飛ばし… テーマは面白いけど、ミステリの面白さってそこじゃないんだよな…謎を謎だと感じるのはあくまで人間だからであって、そこで人間性を排除しちゃうと、理屈...
何か見たことある…?と思ったらこれ『数学ガール』? 『数学ガール』では数学の面白さに気づかされたけど、本作は論理の部分ほぼ読み飛ばし… テーマは面白いけど、ミステリの面白さってそこじゃないんだよな…謎を謎だと感じるのはあくまで人間だからであって、そこで人間性を排除しちゃうと、理屈っぽいよ!メタ小説だよ!って印象ばっかり残るんだよな…何故か乱歩邸でみた探偵小説トリック一覧表を思い出した。
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