恋と禁忌の述語論理 の商品レビュー
論理学による推理の検証という面白い切り口の推理(論理?)小説。3+1編の中編で構成され、各中編に現れる探偵役たちと全編通して登場する論理学者・硯の探偵交代ものがおもしろい。推理を論理で検証する過程は、読者のこれからの推理小説の見方を多面化させてくれそうな見え方だった。
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いくつもの事件を解決ではなく、論理学を用いて「検証」していく。ミステリーとしては安楽椅子探偵ジャンルだろうか。 硯さんが頭良すぎるし論理式を理解しなから読むのはかなり難易度が高いが、読み物として大変面白く、それぞれのキャラクターも立っていて楽しく読み進められた。 事件の中での主人公が少し阿保になってたのも納得のエンドであった。
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ちょっと変わった小説 論理数学が題材になっているので式とか理論の話がいっぱい 作中に出てくる問題を一緒に考えながら読めて楽しかった 理系の端くれとしてちゃんとペンと紙で硯さんの発言を理解しようと努めながら読んだ ストーリーのオチが2段になっているというか、2筋ある感じで続き...
ちょっと変わった小説 論理数学が題材になっているので式とか理論の話がいっぱい 作中に出てくる問題を一緒に考えながら読めて楽しかった 理系の端くれとしてちゃんとペンと紙で硯さんの発言を理解しようと努めながら読んだ ストーリーのオチが2段になっているというか、2筋ある感じで続きが読みたくなった 現時点ではないみたいだし、別作品で有名になった方のようだけど…… でも新鮮で楽しい読書体験ができました 手を動かしながら読める小説っていいな…!
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最初から最後まで徹頭徹尾、女性蔑視(正確には若くないor美人ではない女性に対する)がすさまじくて読んでいて不快だった。そう感じるのは私が若くない女性だからだろうか。内容は普通、というか、キャラクターの気持ち悪さと不快な表現に気を取られて内容そのものを落ち着いて楽しめなかったのかも...
最初から最後まで徹頭徹尾、女性蔑視(正確には若くないor美人ではない女性に対する)がすさまじくて読んでいて不快だった。そう感じるのは私が若くない女性だからだろうか。内容は普通、というか、キャラクターの気持ち悪さと不快な表現に気を取られて内容そのものを落ち着いて楽しめなかったのかも。この作者の本は二度と読まない。
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美しい叔母に恋にも似た思いを抱いている大学生、詠彦。 彼は叔母に相談に来た。殺人事件の解決に関する検証について。 若くして数理論理学の天才として大成した叔母、硯。 彼女は検証し、真実を導く。 なるほどこの手があったかーってカンジですね。 ただしこの検証が成り立つのは、「正解に見...
美しい叔母に恋にも似た思いを抱いている大学生、詠彦。 彼は叔母に相談に来た。殺人事件の解決に関する検証について。 若くして数理論理学の天才として大成した叔母、硯。 彼女は検証し、真実を導く。 なるほどこの手があったかーってカンジですね。 ただしこの検証が成り立つのは、「正解に見える推理が存在していること」。 つまり、このお話には最終的に真実を断ずる硯サンの他に有能な探偵が必要。 ということで、なかなかヒネった推理をさらに検証するという二重構造。贅沢。 難関は「数理論理学」の講義少々。 ま、多少なりともこの講義をかじってルールを把握しておかないと楽しめないですから、仕方ないですが、なかなかハードゥ・・・・。 んで、このルールに慣れたころ(=ラスト)にやってくる〇〇〇〇〇〇。 お楽しみのために伏せておきます。 ふぉーっと感心して読み終えました。 頭が冴えているときにオススメ。
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ミステリと数理論理学を融合させた作品 僕も論理学をはじめて学んだたときに、好きなミステリのロジックを論理学で分析したことがあります(え? やらない? やるよね) 論理とは、形式のことであり、中身ではありません これはミステリでも同様 ミステリのロジックも、数理論理学で分析可能です...
ミステリと数理論理学を融合させた作品 僕も論理学をはじめて学んだたときに、好きなミステリのロジックを論理学で分析したことがあります(え? やらない? やるよね) 論理とは、形式のことであり、中身ではありません これはミステリでも同様 ミステリのロジックも、数理論理学で分析可能です 事実というジクソーパズルのピースを結び付ける糊(のり)の部分がロジックなのです したがって「ミステリのロジックは数理論理学のロジックとは違うよね」という意見には反対します 三つの事件が収録されていますが、事件そのものはこの作品の重層構造ゆえか「小ぶり」です またトリックもたいしたことないです(「トリプレッツ」のトリックは面白いですが) しかし本作の魅力はやはりトリックよりもロジック、数理論理学で推理を分析するところにあると思います というわけで一般的にはどうかわかりませんが私好みの作品でした
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その可能性は既に考えたの始まりの物語! とは言うもののオッドアイで頭脳明晰!そして借金まみれの探偵 上苙丞! 今回も理路整然と全てを否定し一番正しい答えを導き出したかと思いきや・・・ 本作の主人公は森帖詠彦、殺人事件に巻き込まれやすい大学生! 彼は個性的な探偵達が解き明かし...
その可能性は既に考えたの始まりの物語! とは言うもののオッドアイで頭脳明晰!そして借金まみれの探偵 上苙丞! 今回も理路整然と全てを否定し一番正しい答えを導き出したかと思いきや・・・ 本作の主人公は森帖詠彦、殺人事件に巻き込まれやすい大学生! 彼は個性的な探偵達が解き明かした事件を叔母の硯さんに相談に行く!? 硯さんはかなりの資産家で童顔の美女で論理学の申し子!少ないヒントで最適解にたどり着く安楽椅子探偵!!? 詠彦君が持って来る解決済みの事件を硯さんが検証すると言う新しい構図のミステリー! 本シリーズはギャグ漫画のようなコミカルさが有りテンポが良い、しかし論理の問題は・・・
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衝動買いしてすぐに読了した。 巻末の解説にもある通り、本書のかなり独特な点は、数理論理学を盛り込んでいることにある。理解が間違っているかもしれないが、公理(前提)と推論規則(考え方のルール)が与えられれば、おのずと結論が導き出される。ここで「公理」とは、個々の状況や事情などを捨象して、記号化していても成立するというものである(と思う)。 最初想像していたのは、数理論理学を援用すれば、現実の事件においても、事実に数学の公式のようなものを当てはめるだけで答えが導出できてしまうのだろうか、だとしたらすごい!と思っていた。ただ、実際には、「公理=前提となる事実」にそれぞれ推論規則を当てはめていっても、予想外の結論に達するということではなく、むしろ、前提から導き出せたことを数式により追認するといったような手法で用いられていた印象だった。 というのも、「公理=前提となる事実とは一体何か」を確認することこそが、推理小説の面白さなのであって、読者にとっての推理の意外性とは、「一見前提のように思われても、実はそうではないのではないか」が明らかにされる時に感じられるものなのではないだろうか。 前提が正しければ、論理的に結論を出せるのは自明だが、「前提」が何かを確定させるのは、やはり個々の事例によるのではないだろうか。トリックはこの段階にこそ有用なのであって、硯さんの反証も、結局のところ、従来の推理小説のように、具体的な状況から推測した「前提となっていること」の誤りを指摘しているということになると思われた。 以上は、自分の理解が誤っていれば全くの見当はずれかもしれないが。。 だが一方で、やはり巻末の解説にもあるように、だからといって本書のユニークさは損なわれない。各章は「レッスン」の文字通り、数理論理学の入門の入門のような知識も得られる。それこそ、具体の事件の内容に即した形で、数理論理学の概念(対偶、排中律、様相論理 等)をうまく関連づけて紹介している本書は、著者の独特かつ優れた知性のなせるものと思う。 要するに、面白かった。続編が読みたい。。しかし論理学の面の下準備も必要だろうから、すぐには続刊は出せないのかもしれない。数理論理学にこだわらなくてもいいので、このシリーズの続刊を出してほしいなと思った。 正直なところ、同じ著者の「その可能性はすでに考えた」は、かなり以前に購入したものの、冒頭で、本書第3章にも登場する探偵たちのキャラクターにやや構えてしまい、そのまま積ん読になってしまっていた。 その点、本書の探偵役の硯さんは、私にとっては、容姿端麗、隔絶した知性、不遜でありながらどこか世間ずれしたところなど、テンプレートと言えばそうなのかもしれないが、探偵役としては満点に近かった。 そもそも、探偵の人物造形は、そのミステリの評価に決定的な影響を与えるものではないのかもしれない。やはりミステリは、謎解きの発想の大胆さとか、緻密な伏線とその劇的な回収とか、波乱に満ちたプロットなどが評価の決め手になることが多いと思う(もし、そうではなく、探偵のキャラクターだけがミステリの評価に直結しているようなら、それはミステリとしての評価なのかどうか)。 ただ、あくまで個人の感想だが、探偵の存在は、そのミステリに安定感をもたらすように思う。探偵が登場することで、推理小説の伝統的枠組みを遵守していること(?)もわかるし、もし探偵の人物像が気に入らないと、そこに関心がいってしまって楽しめなくなる。
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(数理論理学…センター数学I Aの、数問しかないくせにやたら面倒臭いアレか…)という感じで読んでいくと、他の探偵役キャラが普通のぬるめミステリならこれで一本話が書けるし話収まりますよねー的な推理を見せた後に、どんでん返しが待っている。 「理解出来たら面白い」系ミステリとでもいうか...
(数理論理学…センター数学I Aの、数問しかないくせにやたら面倒臭いアレか…)という感じで読んでいくと、他の探偵役キャラが普通のぬるめミステリならこれで一本話が書けるし話収まりますよねー的な推理を見せた後に、どんでん返しが待っている。 「理解出来たら面白い」系ミステリとでもいうか鯨統一郎作品あたりを初めて読んだ感覚に近い、読む人を選ぶだろうなー、な作品。各エピソードごとに個性豊かな探偵役が出てくるのでそこをうっかりすると日テレあたりが土曜ドラマ枠で実写化したがるんだろうなあ、だけれど絶対に数理論理学パートが雑になるのが目に見えるのでやめていただきたい。
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これまた新しいミステリー! 数学の証明を使って矛盾点を解き明かす話なので、 謎解きというよりは考察。小説というよりはレポート。 だから数式とかじゃんじゃん出るので、 さっぱり理解できないまま進めていった。 詠彦くんも読者とおなじ疑問を硯さんにぶつけてくれるから 少しは読みやすくな...
これまた新しいミステリー! 数学の証明を使って矛盾点を解き明かす話なので、 謎解きというよりは考察。小説というよりはレポート。 だから数式とかじゃんじゃん出るので、 さっぱり理解できないまま進めていった。 詠彦くんも読者とおなじ疑問を硯さんにぶつけてくれるから 少しは読みやすくなったけど。 作者は本当に頭がいいんだなと感心する。 ラノベっぽいキャラと展開もあったけど、ご愛敬ということで。 続編出たら読みたい。
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