人生はどこでもドア の商品レビュー
2週間のフランス リヨンへの旅エッセイ。これまで読んできた旅エッセイとは違って、旅をするなかでの内面の気持ちのゆれ、変化、とまどい、チャレンジ、などがテーマになっていてとても面白かった。共感した。 旅先でも普通の生活がしたい、と毎日マルシェで買い物して料理。生活はできてるけど、...
2週間のフランス リヨンへの旅エッセイ。これまで読んできた旅エッセイとは違って、旅をするなかでの内面の気持ちのゆれ、変化、とまどい、チャレンジ、などがテーマになっていてとても面白かった。共感した。 旅先でも普通の生活がしたい、と毎日マルシェで買い物して料理。生活はできてるけど、笑顔がほしい、笑顔が大事、という発見。 言葉がわからないなりにもコミュニケーションはできること。 つまりはそういう環境で大事なのは自分、ということ。 なんとなくわかった気がする。この人が言いたいこと。 旅したいなぁ
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他人とコミュニケーションを取ろうと思ったら、まず、自分が何者かってことが前提なんだよね。自分が心から知りたいこと、心から興味の持てることがなければ、言葉が多少できようが、コミュニケーションなんて取れない。っていうかそもそも取る必要もない。 なので懸命に考えました。どこに行っても通用する、今私が心から興味があるもの、普段から真剣にやってるものって何だろうと。で、そうだ「生活」だ!って思ったんです。 父の近所にもこんな場所(近所のカフェ@フランスリヨン)があったらどんなにいいだろう。何の目的もなくても、毎朝200円のコーヒーを飲みに行くだけで大歓迎される場所があったなら、人生の孤独は全く違った様相を帯びてくるに違いない。 いくらお金持ちだろうが地位があろうが特技があろうが、態度が悪ければ誰にも受け入れてもらえません。つまりは私はこんな人間なんだといくら言葉で主張してもダメ。そんなこと誰も聞いちゃいない。相手に敬意を表して行動すること。つまりは周囲をよく観察し、場のルールを守り、控えめに徹し、しかし笑顔できちんと挨拶。それを辛抱強く繰り返す。 若い時は「選択」したいと思っていた。でも今は「ご縁」で動くのがウレシイ。 毎日マルシェに行って、新鮮なものを必要なだけ買い、その日のうちに食べる。以上、実に単純。保存のための添加物も、余分なパック包装も必要ない。ついでにフードロスもない。 毎日マルシェに行けば、店の人と顔を合わせて話をすることになる。マルシェではおじいさんやおばあさんが買い物を楽しんでいるのがやたら目につく。年をとると社会のお荷物になったかのような気持ちになる。そんな時、日々の買い物で、馴染の店主がいつもの笑顔で「あらマダムこんにちは!ご機嫌いかがですか。で、今日は何にします?」と言ってくれることが確実に人を救うのだ。 「お世話になった人に感謝を伝えよう」という作業は、思いの他楽しい作業であった。 もはや私の世界は無限であった。私は私であればいいのである。そのことだけで、世界とつながっていけるのだ。
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50歳を超えても、外国語が話せなくても、こういう挑戦だったら出来るんじゃないかと思わせてくれる本。 ただ、コミュニケーション能力が問われる気もする。 すなわち、まずは、日本で、自分の身近なところで、同じことが出来るかどうか、チャレンジしてみる必要がある。著者の場合は、テレビに出...
50歳を超えても、外国語が話せなくても、こういう挑戦だったら出来るんじゃないかと思わせてくれる本。 ただ、コミュニケーション能力が問われる気もする。 すなわち、まずは、日本で、自分の身近なところで、同じことが出来るかどうか、チャレンジしてみる必要がある。著者の場合は、テレビに出てたくらいなのでそもそもが一般人ではなく、同じレベルで論じるのは無理があると思う。 歳をとって、おかしな見栄を張る必要がなくなって、ダメ元でなんでも挑戦できるかも、っていうのはそれはそれでアリだと思うし、自分が明日も生きているかわからないから、というところも納得感。 全体的に、軽妙で読みやすくて、それでいて”気づき”があるいいエッセイでした。
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著者、稲垣えみ子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 稲垣 えみ子(いながき えみこ、1965年 - )は、日本のジャーナリスト。朝日新聞大阪本社デスク、朝日新聞論説委員、編集委員を歴任後、2016年に50歳で依願退職しフリージャーナリスト...
著者、稲垣えみ子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 稲垣 えみ子(いながき えみこ、1965年 - )は、日本のジャーナリスト。朝日新聞大阪本社デスク、朝日新聞論説委員、編集委員を歴任後、2016年に50歳で依願退職しフリージャーナリストになる。 で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです) 「魂の退社」「寂しい生活」に続く書き下ろし。 今回の内容は、あえてなんの準備もせずに、もちろんフランス語なんてできない状態で、フランスのリヨンに行って14日間滞在したという旅行記。 旅の目的は、「現地でしっかりした、日本と変わらぬ生活をすること」。それはすなわち「周りの人としっかりコミュニケーションをとってつながること」。 日本語が通じない異国の地だと、その人の「在り方」というのがむき出しになり、より本質的な人との関わり方の姿勢が問われることになる。稲垣氏は、その試行錯誤の中で「人とつながることの幸せの形」を見出している。 その様子が、稲垣氏独自の軽快な文章で表現されていて、笑わせてくれたり、ホロっとさせてくれたり……と、とどんどん引き込まれていくうちに、最後は感動させてくれるものとなっている。 また、エアビー(民泊サイト)の利用法を始め、ホストとのつきあい方や、フランスのネット事情、マルシェ(市場)の様子、買い物の仕方、カフェの様子など、海外の民泊を利用しようとする人や、フランス旅行をする人に参考になる情報も満載となっている。 しっかりした準備もせずに、海外に行ってしまう。 たくましい方ですねえ。
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元朝日新聞記者で、今ではモノを持たない生活でおなじみの稲垣えみ子さんが、思い立ってフランス・リヨンに14日間滞在し、「日本でしていたような生活を海外でする」ことにチャレンジした滞在記である。 ……読んでいて、しみじみと、稲垣さんは「人間」というものを愛しているんだなー!と思った。 リヨンで「誰からも必要とされていない」という事実に落ち込み、どうしたら言葉が通じないフランス人たちと心を通わせられるかを試行錯誤し、周囲の人たちを熱心に観察し、最後に発つエアビーアンドビーの部屋を「本当にお世話になるばかりで何もお返しできないから」とピカピカに掃除し、宿主と上階の住人に手縫いの刺し子とお花をプレゼントしたりする。しかもそれら全てが、「私の生き方はこれだから!」というような美意識からではなくて、「そうしたいからそうしよう!」という自然な気持ちから出てくる。 稲垣さんの心を通すと、エアビーアンドビーの宿主からの対宿泊者レビューさえも、評価システムの一部ではなく、「私がこれから世界のどこに行っても通用する『居場所』を作ってくれたのだ」という美しいものに変わる。私は、こんなに美しい「レビュー」というものの捉え方を見たことがない。このくだりには本当に感動した。 一方で、私自身には、ここまで人間、他者に対する愛……というものは、ないな……という事実も実感してしまった。 稲垣さんが笑顔をやりとりした市井の善良な人々を文章に追いながらも、私の脳裏には「こんないい人なのに、もしかしたら裏ではひどいヘイト発言をしてたりするのかもなぁ」「女と見ればすぐにセックスしようとする男も、最初はこういう好ましい言動をするから、気が抜けないんだよなぁ」みたいな哀しい疑いがちらちらと浮かんできたりしてしまった。 稲垣さんは、モノがなくても幸せに生きていけるよ!と高らかに謳うのだけれど、そのためにはもしかしたら、人間や他者への愛が必要で、それがない私には、果たして「小さく生きていく」ということは不可能なのではなかろうか……という恐ろしい思考が、ずっと沈殿している。
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丁度、旅行・出張嫌いな私が三日間大阪に出張していた時に聞いていた本で、その状況が重なってやっぱり場所を変えるっていいなぁって改めて感じた。 なぜ旅行や出張が嫌いなのかと言うと大きくは2つある。 1つは沢山モノを食べることができないから。 もう1つが観光に興味がないから。 なの...
丁度、旅行・出張嫌いな私が三日間大阪に出張していた時に聞いていた本で、その状況が重なってやっぱり場所を変えるっていいなぁって改めて感じた。 なぜ旅行や出張が嫌いなのかと言うと大きくは2つある。 1つは沢山モノを食べることができないから。 もう1つが観光に興味がないから。 なのでコロナ禍の中で旅行に行きたいとも、お出かけしたいとも1ミリも思っていない。 ただ稲垣さんの書籍を読んでやっぱりいいなぁって感じたのは今の横浜の生活を場所を変えて実施する、事は私にとって非常に魅力的だと感じたからだ。 今の生活環境は非常に気にいっており、それを変えたいとか非日常を味わいたいという希望や欲望は一切ない。 ただこのような生活を例えばロンドンでやるとかベルリンでやるとかパリでやるとには非常に興味がある。 歴史がない国はあまり興味がないので例えばワシントンやサンフランシスコやシアトルなど好きな街ではあるがそこでやりたいとはなかなか思わない。 歴史があって住まいや住まい方にこだわりがある国でこのような生活ができたらいいなと思っている。 1人でもいいしパートナーと一緒でもいいしまた姉と2人もいいなぁと感じて早速姉に話を振ってみた。
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英語が話せない身としては旅がグッと身近になる本です。色々トラブルはあるけど必死になればどうにかなる(する)、無理して観光もしなくていいと肩の力をおろして読めました。シンプリストの考え方ものっていて旅行本以上の価値があります。
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「旅の楽しさの半分は出発前の準備」って考え方もあるが、ややもすると考え過ぎて、なかなか行動を起こせなかったりする。この本はその大極、とにかく出かけちゃう!「airbnb(エアビー)の上手な使い方・実践編」的な側面も強いが、出かけたくなるのは確か。主婦的には、何気に「おから床」の話...
「旅の楽しさの半分は出発前の準備」って考え方もあるが、ややもすると考え過ぎて、なかなか行動を起こせなかったりする。この本はその大極、とにかく出かけちゃう!「airbnb(エアビー)の上手な使い方・実践編」的な側面も強いが、出かけたくなるのは確か。主婦的には、何気に「おから床」の話が収穫。
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本当のところ自分が何をしたいのか、自分でもよくわかってなかった。だからこそ懸命にキリのない情報を集めまくっていた。自分がなにをしたいかわかっていれば、不安になってキョロキョロする必要などない。 誰かに助けられる事はあっても誰かを助ける事が出来ない、だからここに居場所がないのだ。 ...
本当のところ自分が何をしたいのか、自分でもよくわかってなかった。だからこそ懸命にキリのない情報を集めまくっていた。自分がなにをしたいかわかっていれば、不安になってキョロキョロする必要などない。 誰かに助けられる事はあっても誰かを助ける事が出来ない、だからここに居場所がないのだ。 いつもやっていることを一生懸命やる。少なくとも、やろうとする努力をする。それが出来れば十分。日常が変われば人生が変わる。
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まずは、あー、あれを持ってくればよかったと言う食材が2つ。1つは削り節です。もう一つは油揚げ 出汁昆布は、かさばらない、軽い、腐らない…あー乾物って本当にすばらしい おから床:にんじんとか大根とか玉ねぎとかピーナツとか残った野菜を切って、どんどこ漬け込めば、どんなおフランスの野菜もたちまち漬物に変身 人は自分に敬意を払ってくれた人に敬意を払うもの
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