ドライブインまほろば の商品レビュー

遠田潤子(著者)

2023/12/14

幸せな人が一人も登場しない、苦しくなる小説でした。でも、読みやすい文章と、結末を知りたすぎて、一気に読んでしまいました。
まったく違う観点として、保育園に、孫を迎えに行くわたしにとって、この本を読んでしまったことで、ことの重大さに改めて気づかされた想いがしました。

2023/10/24

とても重いお話でした。読みながら辛くて辛くて。どこで人生間違ったのか、この世に生まれ落ちた時に運命は決まっていたのだとしたら、とてもやり切れない。子供をなくした母親、虐待される子供、親に捨てられた子供、辛さがページから溢れ出て否応無くこちらも辛さに胸が震えました。最後は人生やり直せる希望もあって救われました。遠田さんの作品は登場人物に引き込まれて、こちらもやるせなくなります。

2023/07/24

「人殺しになるくらいなら、生まれてけえへんかったらよかった」
奈良県南部の秘境の村を通る峠越えの旧道沿いで、細々と営業を続ける「ドライブインまほろば」。
ある日、憂と名乗る少年が幼い妹を連れて現れ、「夏休みが終わるまでここに置いてください」と懇願する。
一人娘を喪った過去を持つ店主の比奈子は、逡巡の末、二人を受け入れた。
だが、その夜更け、比奈子は月明かりの下で慟哭する憂に気付く。
震える肩を抱きしめる彼女に、憂は衝撃の告白をはじめた……。
ーー愛を知らずに育った者が生きる意味を問い続ける、再生の物語。

虐待とかネグレストとか腹立つけど、周囲の人が少しずつ良い人で・・・伯父さんも悪人なんだけど根は良い人で・・・最後ほっこりまとまってホッとした。

2023/06/26

ブクログで見かけて、レビューも見ていたのでわかっていました
わかっていたけど、なかなかに重い作品でした

読み進めるのがけっこう辛かったけれど読むのは止められませんでした

辛い内容でしたけど、最後には希望が持てるようなそんな終わり方だったのでほっとします

虐待は、本当に辛いですね

2023/02/14

いつまでも余韻が残る。

気持ちが揺さぶられ続けた。

実母が起こした事故で幼い娘を失った比奈子。
親子だからこそ持って行き場のない苦しみに胸が痛くなる。

親に捨てられ人生の歯車がどんどん狂って行く銀河だって被害者だ。

義父を殺めた憂、そこに至るまでの心中を想像すると辛い。

スニーカーを洗って貰えただけで泣く憂が不憫で愛おしい。
ただ愛されたかっただけなのに「生きてていいんですか？」と問う憂の言葉が悲し過ぎる。

憎む為に生まれて来た人なんていない。

寄り添ってくれる人がいれば人は再生出来るはず。

比奈子、銀河、憂の未来に光はある。

2022/11/23

｢いろいろな親がいて、いろいろな子どもがいる｣
足元も分からないほど深い霧の中で、前にも後ろにも進めず立ち尽くしている人たちの視点から物語は進んでいく。
子どもを亡くした女性、親を殺した少年、それとあと一人。それぞれの話を補完したり、矛盾を浮き彫りにしたりしつつ、不条理で理不尽の世界が描かれていく。
読み進めるほど胸が苦しくなるが、読まずにはいられない。
霧が少しずつ晴れ一歩ずつ前に進んでいくような不思議な感覚におちいる。
このような作品はあまり読んだ事がなかったが新たなジャンルが知れて良かった。

2022/10/20

苦しくて辛くてなんで読んでるんだろうと思いながら
最後までノンストップで読ませるこの凄さに☆５

遠田潤子４作目で一番の悲惨な境遇だった(*_*)

物心ついた頃から実父に虐待され、継父からも虐待…
もう凄まじい内容です。
ただ描写は詳しくは描かれていないのが読み手にとっては救いでした(＞人＜;)

「生まれてきて…なんにもいいことなかった」
「僕はなんで生まれてきたんやろ」
「僕には生きる意味がわからない」
「生き続けるためにずっと理由を探してきた」

ただひたすら妹を守るため１２歳の主人公・憂は生き続けてきた。
この少年は「死にたい」ではなく「生きたい」と願い続けていたのです｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡

読書は素敵な時間…
この歳になって「素敵な話」だけで残りの人生の貴重な読書時間を使わないぞ！と思うようになりました。

もっと深く遠田作品の良さを知りたいと思うのです。

2022/10/02

重くて、暗くて、読むのがつらかったけど、どこか希望があって、読み進めて行くうちに善と悪、親と子、家族についていろいろ考えた。
子供の虐待は負の連鎖パターンが多い。
でも、周りの助けできっと連鎖を断ち切ることができるはず。
ドライブインまほろばの奇跡に感動。
一気に読み終えた。

2022/09/25

イヤ正直、わたし何でこの本借りたんやっけ？て思いながら読み始めたのが昨日の夕方で、まあ、絵に描いたような一気読みです。昨日の晩からほんまずっと読んでたね…。

わたしは図書館ユーザーで、ネットの蔵書リストから面白そうかなーって本を予約して用意してもらって図書館に借りに行ってるのね。自分で書架から探しもせずでほんまお世話になっております…。で、新刊リストとか読んだ本の巻末にある宣伝？で、これ読んでみようかなーって予約することも多いので、たぶん何かしらの本繋がりで予約したんやろね。

とりあえず、後半まで、まあしんどいなと思いながら読んだわ。登場人物すべてがしんどい。比奈子さんの存在に救われてるな。しんどい。でもページめくる手止まらんかったわ！そういうこと！

あと、純粋に文章が読みやすい。
一人称で視点がかわるのに読み疲れんから、よけいしんどいんやろな。救いがないねん…。この年になってしんどいのは救いがないことやもんな

で、ネタバレかもやけど、終盤の怒涛の展開はすごかった。これがハッピーエンドやと思ってしまえるくらいにはしんどい。面白かったわ…。

2022/09/07

山の中の一軒家、「ドライブインまほろば」の経営者でもある比奈子は幼い娘を事故で亡くした経験があり、その悲しみを癒すかのような生活を送っていた。ある日、憂と来海の２人が現れ、夏休みが終わるまでここにおいてください…と頼まれ、葛藤しつつも了承し新たな生活を送ることになった…。性犯罪、DV、ネグレクト、殺人…様々な問題をはらんだ内容だったけれど、落ち着きべきところへ落ち着いた感あって、ほっとしました。十年池…見てみたいなぁ～キレイなんだろうな…、「ドライブインまほろば」のような安らげる空間も近くにあればいいなぁ…そんな風にも感じました！