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ドライブインまほろば の商品レビュー

4.1

48件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

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2020/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

遠田潤子にしては救いのある小説。 あくまでも「にしては」だから、要注意。 母親に憂鬱の「憂」と名付けられた小学生の男の子、息子を失って壊れかけのドライブインで廃人同様に過ごす女性比奈子、援交クラブを経営する半グレイケメン銀河、の3人が主人公。 彼らの背負っているものの重さは、今までの遠田作品同様重くて尖っていて冷たい荷物である。 そんな彼らの生い立ちや現状が序盤から中盤以降まで続く。ここいらへんまでは重くて読んでいてもしんどい。特に憂の人生がたまらなく可哀そうで、この子の母親のクズっぷり。父親と義理の父親のクズっぷりときたら、腹が立って仕方ない。 物語の後半、なんの因果かその3人が、十年池という場所で一晩を過ごす。そこから物語の方向が変わりだす。3人の人生が転機を迎えて、遠田小説最高に明るい未来を予感させるラストを迎えるのだ。遠田作品らしくない、といえばそうなのだが、このエンディングがこの小説の一番の特徴であり核心部だと思う。 物語の中で彼らは「世の中にはいろんな種類の親がいる」と言うのだが、彼らのいう親の種類ってのがドギつくて…俺なんかからしたら、その手のクズは子供を作るなと思ってしまう。小説だからデフォルメしてるように思えるが、現実世界にもクズな親はかなりの数いる。ややこしいことにクズに育てられた子供って、それが普通だと思って、自分の子にも愛情を注ぐことができない。なのに自分は愛情を求めて性交をしてしまう。その結果、また親の愛情を受けない子供が誕生してしまう。 どうにもやるせないが、小説ではなく現実にあること。 かといって、比奈子のように他所の子に愛情注いて育てるような状況になることもなく、せめて俺は自分の家族には最大限の愛情を注ぐことにしようと固く思うのである。

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2020/04/08

久しぶりの遠田潤子、お得意の情念ドロドロ物語。相変わらず社会のルールから外れて生きなければならなかった人々の物語が雪だるまのように転がっていく。特に子供たちの描写が本当に上手。「ドライブインまほろば」という牧歌的な舞台と、そこに引き寄せられてくる子供(憂鬱の憂、来海の兄弟)と双子...

久しぶりの遠田潤子、お得意の情念ドロドロ物語。相変わらず社会のルールから外れて生きなければならなかった人々の物語が雪だるまのように転がっていく。特に子供たちの描写が本当に上手。「ドライブインまほろば」という牧歌的な舞台と、そこに引き寄せられてくる子供(憂鬱の憂、来海の兄弟)と双子のアウトロー兄(銀河、弟は流星)。そしてドライブインに住み込んで働く子供を失った女・比奈子。どうして家族とは、こうも複雑で濃厚なのだろう…。4.0

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2019/11/27

苦しいことがあっても守るもの、目標にすべきことがあったら耐えられるのか。いや、それでも限界はあるはず。 子供なのにすごい行動力。それだけ強い気持ちで目標に向かっていたということか。 10年に一度現れる池かぁ。そんなのあったら見てみたいな。 寂れたドライブインと心の動きがあっていた...

苦しいことがあっても守るもの、目標にすべきことがあったら耐えられるのか。いや、それでも限界はあるはず。 子供なのにすごい行動力。それだけ強い気持ちで目標に向かっていたということか。 10年に一度現れる池かぁ。そんなのあったら見てみたいな。 寂れたドライブインと心の動きがあっていたと思う。

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2019/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

義理の父親を撲殺した少年と、幼い娘を亡くした女。 2人が出会ったのは必然だったのだろうか。 虐待シーンなど、胸が痛くなるが 登場人物が抱える闇と、その中で見える少しの希望に グイグイと引き込まれていく。 ただ、ラストは、それまでの丁寧な心理描写が急に下降したような気がする。 例えば、いくら憎くても初対面の男にナイフで斬りかかることができるだろうか。 P275 「夢中でやった。あの子たちを守るためやったら、なんでもする」と書かれているが そういうところも甘いような気がした。 それまで面白くて読ませたので残念。

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2019/09/09

今は車もあまり通らなくなりさびれたドライブインを一人経営する店主の比奈子。ある夏の日、幼い兄妹が迷い込んできて夏休みの間置いてくれと言う。逡巡しながらも受け入れた比奈子は過去に自分の娘を事故で失っていた。そして兄妹の兄は、人を殺して逃げてきていた―― 人生の泥沼に浸かった大人と...

今は車もあまり通らなくなりさびれたドライブインを一人経営する店主の比奈子。ある夏の日、幼い兄妹が迷い込んできて夏休みの間置いてくれと言う。逡巡しながらも受け入れた比奈子は過去に自分の娘を事故で失っていた。そして兄妹の兄は、人を殺して逃げてきていた―― 人生の泥沼に浸かった大人と子供が、必死に未来を、生きる意味をつかみ取ろうともがくさまを描いた物語。愛情を知らない子供は絶望に溺れ、取り返せない生命に未来を失った女は過去に囚われ、双子の弟を殺された兄は半身を喪った空虚に落とされる。それぞれの「生き地獄」はこれでもかというほど哀しく痛く、胸苦しくなる。それでも彼らは「死にたい」のではなく「生きたい」と、願いたいと思っている。その願いを晴れやかに胸にさらせるようになる、そのわずかな救いに、ほうと息を吐くことができる。 道行きは暗く辛い物語です。 けれどだからこそ、照らされたわずかな明かりがともる未来の美しさと尊さを感じられます。 楽しいお話ではないけれど、そういう「救い」を感じられたという意味で、読みがいのあったお話でした。

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2019/07/17

小学六年生、憂。 お父さんを殺した。 お母さんに見られた。 そこから話が始まる。 お父さんもお母さんもクソみたいな人間で でもそのまた親もクソだった。 そこに子どもを亡くした中年女性の物語が交差する。 子どもを亡くす原因になった母を許せないでいる。 子どもを愛せない親 子...

小学六年生、憂。 お父さんを殺した。 お母さんに見られた。 そこから話が始まる。 お父さんもお母さんもクソみたいな人間で でもそのまた親もクソだった。 そこに子どもを亡くした中年女性の物語が交差する。 子どもを亡くす原因になった母を許せないでいる。 子どもを愛せない親 子どもを愛するから親を許せない子 愛するから殺すしかなかった子 クソ親はクソ理屈で子どもを虐待する。 でももしちゃんと愛されていたら 少しは違ったのかな。 自分を正当化することと 誰かを傷つけることが イコールではいけない。 昔NHKかどこかで 海辺のドライブインが舞台のドラマがあったような記憶… 話は違ったけど どうにもその映像で脳内再生してしまった。

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2019/06/02

5よりの4 どんな理由があれ、子供にそんなことをさせちゃいけない。憂がいくつかよくわからかいけど、短い人生でこんなことをさせてしまうのに周囲が悪くないわけがない。 そこがキーなので、銀河もなかなか好きになれなかったが、クライマックスの部分でだいぶと変わった。3人の気持ちの変化と...

5よりの4 どんな理由があれ、子供にそんなことをさせちゃいけない。憂がいくつかよくわからかいけど、短い人生でこんなことをさせてしまうのに周囲が悪くないわけがない。 そこがキーなので、銀河もなかなか好きになれなかったが、クライマックスの部分でだいぶと変わった。3人の気持ちの変化とともに登場人物の見え方も変わった。 誰一人として幸せとか普通、といえる過去を持ってない人間ばかりだけど、最後に希望の見える生活が送れそうでよかった 2019.6.1 86

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2019/05/31

過去の泥沼から這い上がることのできなかった者、過去の不幸に囚われている者、取り返しのつかないことをしてしまった者、大切な人を守るために取り返しのつかないことをしてしまった者。この一人一人が絡まって深まっていくストーリー。 大切な人を守るためだったら、何にも犠牲にする。そんな意思が...

過去の泥沼から這い上がることのできなかった者、過去の不幸に囚われている者、取り返しのつかないことをしてしまった者、大切な人を守るために取り返しのつかないことをしてしまった者。この一人一人が絡まって深まっていくストーリー。 大切な人を守るためだったら、何にも犠牲にする。そんな意思が、憂、銀河、比奈子から感じ取れた。

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2019/05/29

恐ろしいまでの重苦しい内容。 児童虐待、売春、殺人など悪行のオンパレード。 どんな理由があれ、人殺しが救われるのは ちょっと違うんじゃないかなー 銀河も死ねば良かったのに…

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2019/05/04

十年に一度現れるという十年池、そこで一晩過ごすと生まれ変われるという伝説。虐待されてきた少年が妹を連れて逃げ、娘を亡くして離婚した女と出会う。親からの虐待、虐待の連鎖、重いテーマを扱いながら、最後は伝説の通り光に向かって歩めるようなエンディング。ドライブインまほろばの山菜ピザ、と...

十年に一度現れるという十年池、そこで一晩過ごすと生まれ変われるという伝説。虐待されてきた少年が妹を連れて逃げ、娘を亡くして離婚した女と出会う。親からの虐待、虐待の連鎖、重いテーマを扱いながら、最後は伝説の通り光に向かって歩めるようなエンディング。ドライブインまほろばの山菜ピザ、とても美味しそうだった。

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